ワシントンでは夏休みシーズン入りし、議会も休会している。政治の注目は各地における共和党、民主党の候補者を選出する中間選挙の予備選挙に移ってきた。ここで目立つのは民主党の進歩主義勢力、「アメリカ民主社会主義者(DSA)」の躍進である。
DSAは2013年の6,500人から直近では12万人へと会員数を急増させており、連邦下院議員にも会員が存在する。1月に就任したゾーラン・マムダニ ニューヨーク市長や今年の中間選挙においてミシガン州の民主党の上院候補となったアブドゥル・エル=サイード氏も近い立場にある。左派を代表してきたバーニー・サンダース上院議員やアレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員の政治活動が徐々に拡大してきている証左だ。
DSAの政策の柱には国民皆保険、労働者の権利拡大、富裕層への増税など、再分配を意識したものが並ぶ。若年層を中心に支持を広げているが、会員は高学歴でありながら十分な経済的な価値を得られていない層が中心とされている。教育を受ければ安定した良い職に就けると信じてきたにも関わらず、裏切られてきた人々だとも言える。最近はワシントン州等の大卒直後の失業率は全国平均よりも高く、AIの進歩によりホワイトカラー雇用の喪失の可能性が指摘されている。DSAの支持拡大は将来不安を抱える高学歴層が増えている裏返しでもあると言える。
DSAの主張には共和党の若年層にも通じるものがある。データセンターに対する反発や電気料金の高騰、住宅取得難などは超党派で意見が一致している。大企業寄りの既存政治への不信感が強く、若者のトランプ離れも指摘されていることを考えると、ポピュリスト的な政策が支持を獲得する可能性が高まっている。
一方で、こうした主張が本流にはなりきれないのも現実である。ここまでの予備選挙でも、期待されていたDSA系候補が党内の中道派や主流派候補に敗れる事例も散見される。DSAは若年世代を中心に支持を拡大しているが、60歳以上への浸透は限定的であり、世代間の分断が明確にある。背景には老人支配(ジェロントクラシー)がある。民主党に限らず、米国政治の権力構造は依然として60歳以上のベビーブーマー世代が握っている。大統領はバイデン、トランプと2代連続で80歳を超え、議会の高齢化も進む。結果として旧来の価値観に基づいた高齢者向けの政策が続き、格差を悪化させ、若年世代の怒りを買っている。



























































