最初の勧めは、トランプ大統領のツイートを読まないことである。異論は多いと思う。トランプ氏は今でも、思いつけば午前3時台でもツイッターに投稿する。
それがめったに記者会見を開かない同氏の貴重な肉声として注目されていることは確かであり、突然のツイートに国際社会や金融市場が揺れることも多い。
しかし、そのツイートがトランプ政権の重要政策に結びついた実績はわずかしかない。米国の環太平洋連携協定(TPP)からの離脱とトランプ氏が指名したゴーサッチ連邦最高裁判事の上院承認ぐらいであり、どちらもツイートを追わなければ分からない情報ではなかった。政権発足以降の多くの失敗に言及した意味あるツイートも少ない。裁判所が止めたイスラム圏からの入国制限の大統領令、共和党内をまとめられず頓挫したオバマケア(医療保険制度改革)見直し法案、着工の気配もないメキシコとの国境の壁建設。関連するツイートは、政策の実現を阻んだという対象の非難にとどまる。さらに、大部分の政府高官ポストが空席、トランプ氏の側近間の激しい権力闘争など政権の混乱を主要メディアが指摘すれば、同氏は現実なのにフェイク(偽物)ニュースだとメディアを攻撃する。膨大なツイートの中に、そこにしかない政策関連の重要な情報はないと思う。