Scope#18 | MHP/TEL

南スマトラのパルプ・植林事業再生に向けて奮闘する若者たち

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インドネシアの首都ジャカルタから、南スマトラの州都パレンバンまで飛行機で1時間飛び、そこからさらに車で4時間走る。東京都の1.4倍という広大なユーカリ・ペリータの森で奮闘する、丸紅の若者たちがいる。
平日は深い山に入り、キャンプサイトで寝起きしながら、早朝から森を駆け回る。ひとたび山に入ればインターネットも繋がらない。道は悪く、車は跳ねる。オオトカゲやコブラ、大きなイノシシに遭遇することも珍しくない。都市の生活とはかけ離れた環境で、植林が計画通りに進められているか、問題は発生していないか、改善できることはないか――様々な国から集まったスタッフと、英語とインドネシア語で議論を交わす。現場を仕切る彼らは頼もしく、活き活きとしている。

この植林地を所有するPT. Musi Hutan Persada(MHP)は5年前、大きな危機を迎えていた。育てていたアカシアの森のほとんどが病気で枯れてしまうという事態に見舞われたのだ。MHPとその木材の供給先である紙パルプ工場PT. TELは甚大な損害を蒙った。病気に強く、MHPの土壌に合っていたユーカリ・ペリータにすぐに樹種を切り替えたが、当然木が育つのには時間がかかる。そして樹種が違えば植林の勝手も違う。広大な植林地をゼロから立て直すことは不可能なことに思われた。
それでも、とにかく現場を歩き回って情報を集め、次々に起こる問題に対応していくために、若手駐在員が派遣されたのが2012年。今までに11名の駐在員たちが、現地の社員と共に現場で奮闘してきた。

「MHPは理想とはほど遠い状態。今感じているのはやりがいというより使命感で、目の前の仕事に集中している」

「実際に現場に行くと、必ず問題や改善のポイントが見つかる。植林の質と量を両方追求していきたい」

苗の育て方、植林の間隔、肥料の量や場所、雑草の処理などのメンテナンス。一つでも間違えれば木は枯れてしまう。一つ一つのことを地道に着実に積み重ねた5年間。その努力が実を結び、MHPは昨年、念願のユーカリ・ペリータの初出荷に漕ぎ付けた。

「発展途上の土地で、汗をかきながら、MHPの巡航速度のあり姿を自分の代で作っていくのが、今の僕のミッションです。」

2018年。苦しい時代を乗り越え、MHPとTELの復活は目前だ。

(本文は、2017年08月の取材をもとに作成しています)