電力・インフラサービス部門
主要取扱商品・分野
- 電力サービス事業電力小売事業/分散型電源事業/スマートシティ・地域密着型ユーティリティサービス事業/ストレージ・VPP・V2X※1・アグリゲーション事業/新事業/EPC※2事業およびO&M事業
- 発電事業再生可能エネルギー発電事業/Fuel to Power※3事業/ガス焚きなどの火力発電事業
- インフラ事業上下水処理・海水淡水化などの水事業/ガス配送・小売などのエネルギーインフラ事業/鉄道・道路の運転保守を含む交通インフラ事業/廃棄物発電事業など
- インフラファンド事業
- 新エネルギー事業水素・アンモニア・SAF・CCUS・サーキュラーエコノミー事業の開発/アンモニア、SAF等の新エネルギー燃料のトレード・マーケティングなど
1 V2X:EVの車載蓄電池を利用して建物に電気を供給するVehicle to Building、電力系統に調整力を供給するVehicle to Gridなど
2 EPC:Engineering, Procurement and Constructionの略。インフラ設備・プラントの一括納入請負
3 Fuel to Power:燃料(ガス)調達・貯蔵・発電を一貫して行う事業
部門の強み
<電力事業>
豊富な電力卸売・小売の経験、多様な電力サービス事業・新事業の実績
2001年に英国で設立したSmartestEnergy社は、再生可能エネルギー電源を中心に英国電力市場での卸調達・小売事業を手掛け、米国および豪州でも事業展開しています。
日本国内では電力小売自由化が開始された2000年以降、PPS(Power Producer and Supplier)として丸紅新電力を設立し電力小売事業に参入。豊富な需給運用スキル・電源取扱実績を有しています。
また、電力サービス事業・新事業では、分散型電源事業の拡張に加え、蓄電池設備のオンライン販売、EV最適充電など需要家向けエネルギーマネジメントの提供、送電線の効率利用のための監視・解析技術など、DXを活用した電力サービス事業・新事業分野の取り組みを強化・拡大しています。さらに、使用済み太陽光パネルのリユース・リサイクル関連サービスやスマートシティの開発にも取り組んでいます。
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SmartestEnergy社のトレーディングデスクの様子( 英国) -
蓄電池設備のオンライン販売(日本) -
使用済み太陽光パネルのリユース・リサイクル関連サービス
(日本)
低炭素社会の実現に向けた再生可能エネルギー事業への積極的な取り組み
持続可能な開発目標として気候変動を緩和する低炭素社会の実現に向けて、洋上・陸上風力、太陽光、バイオマス、水力など、国内外での再生可能エネルギー発電事業のさらなる拡大と、石炭火力発電事業の縮小※4による環境負荷の低減に取り組んでいます。また、CO2排出量削減に向けた新技術の導入なども検討していきます。
4 保有持分容量約3GW(2018年度末見通し)を2025年までに半減
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能代港洋上風力発電事業(日本)
(写真提供:秋田洋上風力発電株式会社) -
チャンフア浮体式太陽光発電所(台湾) -
スワイハン太陽光発電所(アラブ首長国連邦)
国内外における強固な地域営業力、業界トップクラスのIPP※5実績、EPC取りまとめ実績、充実した資産管理体制
発電事業では、強固な地域営業力と国内外に保有する案件開発拠点および資産管理体制、長年培ったEPCの知見やファイナンス組成力を活用することで、事業案件の開発・建設ならびに保守・運転に主体的に参画し、安全かつ安定した電力の供給と発電所の運営を行っています。
安定収益基盤である長期売電契約が付保されたIPP事業案件を中心に、国内外に合計持分容量11,402 MW(2024年3月末)の資産ポートフォリオを構築しています。
5 IPP:Independent Power Producersの略
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ランタウデダップ地熱発電事業(インドネシア) -
スールガス焚き火力発電所(オマーン) -
サンロケ水力発電所(フィリピン)
これらの機能を組み合わせた顧客の課題を複合的に解決する「総合エナジーソリューション」の提供
社会がカーボンニュートラルに移行するなか、多様化する顧客ニーズに対し、上述のような丸紅グループの持つさまざまな機能を組み合わせ、エネルギーの効率利用や脱・低炭素化に向けた総合的な問題解決を提供し、付加価値を生み出していきます。
地域密着型電力サービス事業(再生可能エネルギーの地産地消モデル、都市の脱炭素化など)、蓄電池を活用した再生可能エネルギー電源の出力補完、電力系統への需給調整サービスなどを拡大していきます。
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使用済み車載蓄電池を用いた電力系統向け蓄電池事業(米国) -
スマートシティ事業(フィリピン)
<インフラ事業>
交通インフラ関連の事業投資および交通周辺ビジネス
豪州ゴールドコーストの路面電車システムPPP※6事業者の最大株主としての参画を皮切りに、豪州シドニーメトロ案件やメキシコ道路案件などの交通PPP事業展開を図ってきました。当該地域に加えて、中近東、欧州、アジアなどにおいても、国内外の戦略的パートナーと協業し、交通分野のインフラ事業投資の拡大、優良資産の積み上げ、ならびに事業価値の向上に取り組んでいます。
また、従来の交通インフラ事業やEPCを通して得た知見・経験、交通事業者などとのネットワークを活かし、運転保守事業・TOD※7・顔認証による交通決済事業などの新規事業開発にも取り組んでいます。
6 PPP: Public-Private Partnershipの略。官民の役割・リスク分担によるインフラ整備・サービス品質向上
7 TOD:Transit Oriented Developmentの略。公共交通機関の利用を前提に組み立てられた都市開発もしくは沿線開発
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Gold Coast Light Rail(トラム)PPP事業(豪州ゴールドコースト) -
道路PPP事業(メキシコ)
水事業分野における本邦企業トップクラスの多彩な事業展開
アジア、米州、欧州、中東において、上下水道事業の運営から上下水処理施設のBOT※8、海水淡水化施設のBOO※9、運転保守管理、上下水道管理のコンサルティングサービスに至るまで、多角的に水事業を展開しており、保有資産の給水規模は国内企業でトップクラスです。地球規模での人口増加や都市化の進展に伴う水インフラ整備のニーズ拡大、水に関する社会課題の多様化を見据え、持続的に社会へ貢献すべく、さらなる事業展開を目指しています。
8 BOT: Build Operate and Transferの略。プラントを建設し、一定期間操業後、資産を行政などの客先に移転
9 BOO: Build Own and Operateの略。プラントを建設・所有し、一定期間操業後、資産を解体・撤去
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Maynilad Water Services社(上下水道事業)(フィリピン) -
Aguas Nuevas社(上下水道事業)(チリ) -
Shuqaiq Three Company for Water社(海水淡水化事業)(サウジアラビア)
社会インフラ関連の事業投資

国内外で生活の基盤を支える社会インフラ(病院、学校、寄宿舎、公共施設、スタジアム、アリーナ等)PPP案件の開発・運営を行っています。国内では川崎市の等々力緑地再編整備・運営等事業に参画しています。海外では豪州、欧州、米州を中心に、国内外の戦略的パートナーと共に地域特性に応じた案件開発を行い、地域社会への貢献を図ります。
エネルギーインフラ関連の事業投資
国内外の戦略的パートナーとの協業により、米州、欧州、豪州、アフリカなどにおいて、都市ガス輸配送・小売、FPSO※10などの海洋エネルギー事業を含めたエネルギーインフラ事業投資を幅広く行っています。エネルギー関連ソリューションを提供する複合ユーティリティ事業者への進化を目指し、地域エネルギー供給の最適化に注力していきます。
10 FPSO: Floating Production, Storage and Offloading systemの略。浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備
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セピア鉱区向けFPSO傭船事業(ブラジル)
※写真提供:三井海洋開発 -
Floene社(ガス配送事業)(ポルトガル) -
Gulfstar(SPAR型原油・ガス洋上生産・処理事業)(米国)
サーキュラーエコノミー構築に向けた廃棄物再資源化事業への取り組み
社会課題の解決に向け、サーキュラーエコノミー(循環型経済)ビジネスに取り組んでいます。廃棄物を資源と捉え、再生・再利用するサーキュラーエコノミービジネスは、脱炭素をはじめ、持続可能な社会の実現に大きく貢献します。具体的には、農業・畜産残渣からのバイオメタン製造・販売、廃棄物からの燃料製造・販売、廃棄物発電などに注力しています。
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米国バイオメタン製造・販売事業 -
英国バイオメタン製造・販売事業
インフラファンド事業の取り組み
丸紅が出資するファンド運営会社(MM Capital Partners株式会社およびMM Capital Partners 2号株式会社)は、OECD加盟国に所在する交通、社会およびエネルギーインフラ分野の資産へのエクイティ投資に特化したファンドの運営を行っています。丸紅が長年に亘り蓄積した市場・産業知識や業界ネットワーク、投資関連ノウハウを最大限に活用し、投資案件のソーシングやアセット管理を行うことを通じ、金融機関や機関投資家へ長期・安定的な資産運用先を提供しています。
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CBG社(ガス輸送・貯蔵事業)(ラトビア) -
Perth Stadium PPP事業(豪州) -
Asolo Hospital PPP事業(イタリア)
<新エネルギー事業>
既存事業の強みを生かした、新エネルギー領域への積極的な取り組み
電力、インフラ、エネルギー事業等で培った事業基盤や専門性を持つ人材を最大限に活用し、既存事業の強みを発揮することによって、新エネルギー領域において脱炭素に資する製造から利用までのサプライチェーン構築を目指します。
国内外での実証事業を通じて蓄積した新エネルギー領域での知見・ノウハウ・ネットワーキング
国内外、規模の大小を問わず多様な新エネルギー領域での実証事業やFSに参画してきたことで得た知見およびノウハウ、産官学の垣根を越えたネットワークを維持拡大し、脱炭素業界の先駆者として新エネルギー領域で貢献していきます。