サステナビリティに対する考え方丸紅のマテリアリティ

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サステナビリティに対する考え方

社是「正・新・和」

正・新・和正・新・和

初代社長 市川忍 書

  • 「正」 公正にして明朗なること
  • 「新」 進取積極的にして創意工夫を図ること
  • 「和」 互いに人格を尊重し親和協力すること

丸紅グループは、「社是『正・新・和』の精神に則り、公正明朗な企業活動を通じ、経済・社会の発展、地球環境の保全に貢献する、誇りある企業グループを目指す」ことを経営理念として活動を展開しています。
丸紅グループの経営理念は、サステナビリティに対する考え方を明確に示しているものであり、環境や社会の要請を先取りして、プロアクティブにソリューションを提供し、経営理念を実践することこそが丸紅グループにとってのサステナビリティです。
企業価値は、財務価値と非財務価値によって構成されており、近年、非財務価値の重要性がますます高まっています。サステナビリティにおいては、気候変動、森林破壊、人権問題などが地球環境と社会の持続可能性を脅かす重要課題となり、これらの課題に対して、企業の中長期的な方針を明確化し、実践することが非財務価値および企業価値向上に直結すると考えています。
丸紅グループは従来、事業分野ごとに、社会の変化を先取りし、ビジネスモデルを進化・刷新(イノベーション)しながら、企業価値を向上させてきました。
今後は、これまで以上に、強い事業分野を更に強くし(タテの進化)、社内外の強みと強みを掛け合わせ、単独では成し得ない、より大きな効果を創出します(ヨコの拡張)。この「タテの進化」+「ヨコの拡張」(=『Global crossvalue platform』)により、環境・社会課題に対するソリューションを提供し、今日より豊かな未来を創るため、経済・社会の発展、地球環境の保全に貢献していきます。

丸紅は、社是をはじめ、以下の方針に基づいて環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の課題に取り組んでいます。また、国際的な規範を参照して、取り組むべき課題を明確にするとともに活動の方向性を確認する一助としています。

国際的イニシアティブへの参加

国連グローバル・コンパクトへの参加

丸紅は、2012年12月に国連が提唱する「グローバル・コンパクト」の支持を宣言しています。グローバル・コンパクトは1999年に国連のコフィー・アナン事務総長(当時)が提唱し、翌年に正式発足したもので、参加企業が「人権・労働・環境・腐敗防止」の4分野にわたる10原則を支持・実践することを求めています。当社は、グローバル・コンパクトの10原則を支持することにより、その理念の実現に向けて取り組んでいきます。

国連グローバル・コンパクトの10原則

国連グローバル・コンパクト
Webサイトはこちら

人権
  • 原則1:人権擁護の支持と尊重原則
  • 原則2:人権侵害への非加担
労働
  • 原則3:結社の自由と団体交渉権の承認
  • 原則4:強制労働の排除
  • 原則5:児童労働の実効的な廃止
  • 原則6:雇用と職業の差別撤廃
環境
  • 原則7:環境問題の予防的アプローチ
  • 原則8:環境に対する責任のイニシアティブ
  • 原則9:環境にやさしい技術の開発と普及
腐敗防止
  • 原則10:強要や贈賄賂を含むあらゆる形態の腐敗防止の取り組み

丸紅は、国連グローバル・コンパクトの日本のローカル・ネットワークである「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン」(GCNJ)の会員企業としても活動しています。
GCNJ会員企業・団体が主体となって、テーマ別の分科会活動を行っており、丸紅は以下の分科会に参加しています。

2019年3月期 ヒューマンライツデューデリジェンス分科会
ESG分科会
SDGs分科会

Sustainable Development Goals (SDGs)

SDGsは、社会・経済・環境面における「持続可能な開発」を目指す国際社会共通の目標です。

2015年に国連総会で採択され、2030年までの実現を目指す17の目標と169項目のターゲットが盛り込まれています。当社グループでは、各営業グループの行動計画・目標とSDGsの目標を関連づけて開示するなど、社会的課題解決への取り組みの状況を中長期的な視点から検討する際に参照しています。

SDGsWebサイトはこちら

サステナビリティにおける重要な課題と特定・見直しのプロセス

概要図

基盤マテリアリティ

丸紅グループは、永続的成長を成し遂げるため、経営理念を実践し、今日より豊かな未来を創る最も重要な基盤的な要素として、3つの基盤マテリアリティを特定しました。

  1. マーケットバリューの高い人財
  2. 揺るがない経営基盤
  3. 社会と共生するガバナンス

1. マーケットバリューの高い人財
丸紅グループは、環境や社会の要請を先取りして、プロアクティブにソリューションを提供し続けるには、「人」こそ「財(たから)」だと考えています。社内で必要とされるだけでなく、社会から必要とされ評価を受ける「人財」を「マーケットバリューの高い人財」と定義し、私たちはマーケットバリューの高い人財を育て、多くのイノベーションを巻き起こし、ソリューションを提供していきます。

丸紅グループが考える「マーケットバリューの高い人財」とは

  • 法令遵守、国際慣習の準拠にとどまらず、社会の善を基準とした高い倫理観を持つ人財
  • 社会の変化などを先取りできる先を読む力・洞察力・独創性・変革力があり、正しい決断力と判断力を持ち合わせ、スピード感を持って実行(力)できる人財
  • 社会の要請などと真摯に対話できるコミュニケーション力、判断・決断・実行の礎となる使命感、責任感、現場感といったマインドを持つ人財

2. 揺るがない経営基盤
丸紅グループは、人財の力を最大限に引き出し、企業価値の最大化を図っていくには、確固たる、「揺るがない経営基盤」が必要と考えており、これを2つ目の基盤マテリアリティとして特定しました。
人財が活動しやすくするための基盤をつくり、そしてその基盤を揺るぎないものまで強化することなくして、人財がイノベーションを起こし、ソリューションを提供し続けることはできません。人財が丸紅グループの経営基盤を最大限に利活用することで、企業価値最大化へとつなげていきます。

「揺るがない経営基盤」とは

  • ブランド・信用力、営業基盤・ネットワーク、財務基盤といった、強化された根源的な経営基盤
  • マーケットバリューが高い人財を数多く輩出でき、その人財がやりがいを持って働くことができるよう醸成された企業風土・文化
  • 多様性の持つ価値創造力が重視され、質の高いソリューションを創出する、組織の中に息づいたダイバーシティ&インクルージョン

3. 社会と共生するガバナンス
丸紅グループは、揺るがない経営基盤を土台として、マーケットバリューが高い人財がイノベーションを起こし、ソリューションを提供し続け、企業価値を高めていきます。
その中で、社会からの期待・要請を踏まえ、社会と共生していくための企業統治の仕組みを確立し強化していくことが、すべてのステークホルダーに対して重要な意味を持つと考え、「社会と共生するガバナンス」を3つ目の基盤マテリアリティとして特定しました。
丸紅グループは、多様なステークホルダーとのエンゲージメントを深め、取締役の監督機能の実効性と経営の透明性を高めることにより、社会と共生するガバナンスを構築し、サステナビリティの実現を目指していきます。

環境・社会マテリアリティ

丸紅グループは、国連にて2015年9月に採択された持続可能な開発目標(SDGs) を、将来の世代によりよい地球を残そうとする政府・民間・市民社会にとってのサステナビリティの重要な国際目標・課題と考え、環境・社会課題の解決に貢献するために4つの環境・社会マテリアリティを特定しました。

  1. 気候変動対策への貢献
  2. 持続可能な森林経営、森林保全への貢献
  3. 人権を尊重し、コミュニティとの共発展に貢献
  4. 持続可能で強靭なサプライチェーンの構築、取引先との協働

丸紅グループの環境・社会マテリアリティは、SDGsの17の目標と169のターゲットに加え、ステークホルダーの期待・関心および丸紅グループのビジネスが環境・社会に及ぼす影響(インパクト)を踏まえ、以下のクライテリアに基づいて特定したものです。基盤マテリアリティを活用してマテリアリティに取り組むことで、SDGsの達成に貢献し、今日より豊かな未来を創ることにつなげていきます。

  • ステークホルダーにとっての重要度
  • 丸紅グループの企業活動が及ぼす環境・社会インパクトの大きさ、広範性
  • 丸紅グループの収益に与える影響度

サステナビリティにおける重要な課題は、当社グループを取り巻く社会・環境の変化によって、常に見直し、再検討する必要があると考えています。具体的には、ステークホルダーとの対話、社会からの期待の確認、当社への影響を分析・検討を継続的に実施するなかで、定期的に見直しを行っています。

特定・見直しのプロセス
図表:特定・見直しのプロセス

1. 気候変動対策への貢献

気候変動は、温暖化や自然環境の変化、災害増加など、幅広い分野で環境・社会の持続可能性に影響を及ぼす、地球規模での課題となっています。
丸紅グループは、グローバルに事業を展開するうえで、気候変動の問題が重大なリスクとなる一方、ビジネスの機会となりうると考えています。
丸紅グループは、気候変動の緩和・適応両分野への貢献を環境・社会のマテリアリティの一つとして位置付けており、主に以下に取り組むことで、気候変動対策に貢献します。

・石炭火力発電事業および再生可能エネルギー発電事業について
丸紅グループは、ネット保有発電容量12GW(2018年12月末時点)を有するトップレベルの独立系電力事業プレイヤーとして、気候変動対策に率先して取り組むため、2018年9月18日に「石炭火力発電事業及び再生可能エネルギー発電事業について」の方針を公表しました。

・気候変動に伴う移行リスクを事業機会と捉え、2018年3月期約7千億円のグリーンレベニューを2024年3月期までに約1兆3千億円に拡大することを目指します。

丸紅グループは、気候変動対策に貢献するビジネスとして、以下をグリーンレベニューと定義しています。

  • 森林・水産などの持続性に貢献する認証取得製品の売上高
  • 環境負荷の軽減に貢献するビジネス(不動産など)の売上高
  • 再生可能エネルギーによる発電に関連するビジネスの売上高
  • EV(電気自動車)の普及に貢献するビジネスの売上高
  • 廃棄物削減に貢献するビジネス(リサイクル関連など)の売上高
  • 資源の有効活用に貢献するビジネス(水事業など)の売上高

・丸紅グループは、気候関連財務情報開示の重要性を認識し、TCFD提言に賛同の意を表明するとともに、気候変動がもたらす「リスク」および「機会」の財務的インパクトの把握、情報開示の拡充に取り組んでいきます。

金融安定理事会(FSB:Financial Stability Board)によって設立された気候関連財務情報開示タスクフォース
(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)

2. 持続可能な森林経営、森林保全への貢献

森林は地球上の生命に様々な恩恵をもたらす貴重な資源です。丸紅グループは、現在14万ヘクタール(総事業面積32万ヘクタール)の植林事業を有し、持続可能な森林経営手法を取り入れて運営しています。
丸紅グループは、貴重な森林資源を保全し、持続可能なかたちで有効活用することで、今日より豊かな未来を創るため、「森林経営方針」および「商品調達方針(森林由来製品)」を策定しました。これらの方針に則って事業活動を行うことで、持続可能な森林経営を推進するとともに、森林保全に貢献していきます。

3. 人権を尊重し、コミュニティとの共発展に貢献

経済のグローバル化に伴う企業の海外進出に伴って、進出先の国・地域における、労働者や地域住民などに対する深刻な人権侵害が問題となっています。これらの人権侵害は、企業が事業活動における人権尊重に配慮を行うことで解決・改善できる点も多く、現在、企業が担う役割に対する期待が高まっています。
丸紅グループは、66カ国・地域に131拠点を持ち、全グループ従業員約4万人が在籍し、国籍・人種も多様性を有しています。また、事業活動の範囲も多岐にわたり、グローバルに多角的なビジネスを展開しています。
丸紅グループは、今日より豊かな未来を創るため、国際社会が直面する人権に関する課題に真摯に取り組んでいきます。取り組みの一環として、このたび、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」の3原則「(1)人権の尊重、(2)人権デューデリジェンスの実行、(3)救済」に基づき、「丸紅グループ人権基本方針」を策定しました。

拠点数:2018年4月1日時点。従業員:2018年3月31日時点

4. 持続可能で強靭なサプライチェーン構築、取引先との協働

丸紅グループは、グローバルに多種多様な取引・事業を行っており、サプライヤーも数多く存在しています。丸紅グループのサプライチェーン全体で地球環境の保全、社会の持続的発展に取り組むことで、サステナビリティへの貢献度は高いと考え、今日より豊かな未来を創るため、持続可能で強靭なサプライチェーン構築、取引先との協働を環境・社会のマテリアリティの一つとして特定しました。サプライチェーン・マネジメントに取り組むとともに、売り先に対しても働きかけを行い、丸紅グループのみならず、取引先を含むサプライチェーン全体の競争力、強靭性を高めていきます。
丸紅グループは、ステークホルダーと共に推進するサステナビリティの一環として、取引先を含めたサプライチェーン・マネジメントを目指し、2008年に「サプライチェーンにおけるCSR基本方針」を制定しました。その後、同方針の趣旨についての理解と協力を得るため、サプライヤーへの同方針の送付、アンケート調査、丸紅グループ関係者が直接サプライヤーの製造もしくは生産現場を訪問する現地調査などに取り組んできました。今後の課題として、サプライヤーだけでなく、当社の売り先に対する働きかけ、つまりバリューチェーン・マネジメントが重要であると考え、その課題解決に向けて段階的に取り組んでいきます。
そして、このたび、気候変動対策と人権の尊重に対する取り組みを強化するため、「サプライチェーンにおけるCSR基本方針」を改定し、新たに、「サプライチェーンにおけるサステナビリティ基本方針」を策定しました。

丸紅株式会社の直接取引先:約3千社(2018年3月末時点)

推進体制

丸紅グループでは、サステナビリティを推進していくための体制として、社長直轄のサステナビリティ推進委員会を設置しています。委員会は、丸紅グループのサステナビリティへの取り組みに関する方針や施策、およびESGリスク管理について討議のうえ、年に1回以上の頻度で、取締役会への報告を行っています。また、社外の視点を取り入れるため、アドバイザーとして社外取締役・社外監査役をメンバーに加えています。サステナビリティ推進委員会の委員長は代表取締役が務めており、取締役会は同委員会で討議された重要な事項の報告を定期的に受けることを通じて、ESGリスク管理体制の妥当性、社会との融和性などの観点も踏まえたうえでサステナビリティに関する事項の監督を行っています。

丸紅グループは、2019年4月1日より、

  • サステナビリティ推進委員会の委員長をChief Sustainable Development Officerとする
  • コーポレート・スタッフグループ(CSグループ)内に新組織として、営業本部、CSグループ、支社・支店・現地法人と連携しながら丸紅グループのサステナビリティの推進を一元的に担うサステナビリティ推進部を新設する
  • 営業本部、CSグループ内の各部、支社・支店・現地法人ごとに、サステナビリティ推進の責任者として、サステナビリティ・リーダーを、また、営業部ごとの責任者として、サステナビリティ・マネジャーを任命する
ことで、サステナビリティを推進する体制を強化します。

組織図
図表:組織図