社会貢献活動
社会貢献活動基本方針(2006年1月策定)
基本理念
社是「正・新・和」の精神に則り、国際社会における企業市民としての責任を自覚し、積極的な社会貢献活動を行う。
活動基本方針
全世界的視野に立ち、「社会福祉」「国際交流」「地域貢献」「地球環境」「文化支援」の5分野を重点分野とし、企業としての社会貢献活動を積極的に推進するとともに、役員・社員によるボランティア活動も積極的に支援する。
具体的活動指針
基本理念・活動基本方針のもと、次の具体的指針を定め、丸紅グループ全体で社会貢献活動に取り組む。
- 社会福祉分野
社会福祉法人丸紅基金への活動支援を中心に、災害支援等も含め幅広く活動を展開する。 - 国際交流分野
海外での奨学金・寄付金を通じた支援を中心に、人的交流を含めた国際社会への貢献活動を展開する。 - 地域貢献分野
日頃お世話になっている地域での振興活動、清掃活動など、役員・社員によるボランティアを中心に活動を展開する。 - 地球環境分野
事業活動における環境への影響に配慮するほか、環境保全活動全般に対する支援を積極的に展開する。 - 文化支援分野
丸紅コレクションを通じた文化貢献のほか、各種文化活動に対する支援も幅広く展開する。 - 役員・社員ボランティア活動の支援
社員参加型のボランティア活動を啓蒙・支援するとともに、ボランティア休暇制度等活動に必要な制度を整備・拡張する。
丸紅基金の活動
丸紅基金は、社会福祉分野における民間助成団体として、1974年、丸紅の出捐により設立されました。翌年に全国の社会福祉施設や団体に総額1億円の助成を開始して以来、毎年1億円の助成を継続しており、2021年で47回目を迎えました。2021年は、846件の申請の中から64の施設・団体に対し、総額1億円の助成を決定しました。これにより、2021年までの助成実績の累計は2,769件、総額47億5,000万円となりました。
助成金の原資には、丸紅からの出捐金による運用収入のほか、丸紅グループの役員、社員、OB・OGが毎月一口100円の寄付をする「100円クラブ」からの寄付金と、その同額を丸紅が寄付をする「マッチングギフト」が含まれています。
社員参加の取り組み
丸紅基金の社会貢献活動は、1974年に設立されて以来40余年にわたります。1995年には丸紅グループの役員、社員、OB・OGが毎月一口100円からの寄付をする「100円クラブ」の活動がスタートしたのをはじめ、多くのグループ社員が丸紅基金の活動に参加してきました。また、助成先でのニーズが多様化している現状に合わせて、当社の人材を丸紅基金助成先に派遣し人的な支援を行う制度を2017年度からスタートしました。助成先と希望する社員双方に対してニーズのヒアリングを実施し、約20名が事務や現場でのサポート等の活動をしています。今後も、グループ社員とともに、丸紅基金の活動を広めていきます。
海外奨学基金
新興国における青少年の教育と育成のため、主にアセアン地域及びブラジルの7カ国で奨学基金制度を設けています。丸紅の奨学基金の歴史は1989年にフィリピンからはじまり、各国の教育事情に合わせて、毎年、小学生から大学生までを対象に奨学金を給付するほか、パソコンや文房具等の物品も供与する等、地域の要請に応じた支援を行っています。
国 | 設立 | 対象校 | 奨学金の内容 |
---|---|---|---|
フィリピン | 1989年 | 技術・農業系の職業訓練学校や小学校 | パソコン、関連備品の寄贈 |
インドネシア | 1999年 | インドネシア国内の大学 | 成績優秀者を対象とした奨学金支給 |
カンボジア | 2007年 | カンボジア国内の大学 | 成績優秀者を対象とした奨学金支給 |
ラオス | 2007年 | 民族寄宿学校 | 教科書、制服、文房具、寄宿舎備品の寄贈 |
ミャンマー | 2012年 | 科学技術省傘下の大学 | 低額所得世帯の学生を対象とした奨学金支給 |
インド | 2016年 | インド国内の大学 | 成績優秀者を対象とした奨学金支給 |
ブラジル | 2006年 | ブラジル国内の職業訓練学校 | 学校教材費用及び授業料の補助、学術研究費としての奨学金支給 |
地域貢献活動
カタール大学との社会貢献策

丸紅は、1980年にドーハ支店を開設、1985年にはLNG事業に参画し、その後も発電事業への参画や下水処理場の建設・運営など幅広くカタールでの事業を実施してきました。また、ビジネス面だけではなく文化・教育面でのカタール社会への貢献を目的に2012年4月にカタール大学と寄付を行う覚書を締結しました。この基金を用いて、カタール社会に貢献する事業をカタール大学と共同で実施しています。
教育面では、日本式の算数教育者育成システムである“授業研究”の導入、植物自給率向上のための植物工場や持続可能性社会へ向けた電気自動車の実証試験を実施しています。
文化面では、カタール大学生による丸紅本社でのインターンシップ、日本の大学が主催する夏期講座への参加などを実施していおります。当社では、カタールへの社会貢献のため、引き続きこうした取り組みを実施する予定です。
ガーナ共和国での感染症研究を支援
丸紅が25%株式を出資するT.E.N. Ghana MV 25 B.V.社(MV25社)は2018年5月18日、東京医科歯科大学がガーナ大学附属野口記念医学研究所共同研究センター(野口研)で実施する感染症研究を対象にした寄付金25万米ドルを同大学に提供しました。寄付金は、デング熱、チクングニア熱の研究、ロタウィルス等の下痢症疾患防圧に関する研究、薬用植物由来の抗寄生虫化合物の薬剤への応用などの医療研究に役立てられます。
MV25社は、ガーナ共和国西部の沖合約60kmに位置するDeepwater Tano地区のTEN(Tweneboa, Enyenra, Ntomme) 鉱区のオペレーターであるTullow Ghana Limited社向けに、FPSO(Floating Production, Storage & Offloading System:浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)1基のチャーターサービス(リース及び運転・保守点検等のオペレーション)を提供しています。同国元大統領にちなんで“FPSO Prof. John Evans Atta Mills”と命名された本FPSOは、水深約1,500mの海上に係留され、2016年より原油および天然ガスを生産しています。MV25社はこうした事業を通じ同国の産業育成に寄与すると共に、同国と日本との友好関係の強化や、同国の発展に役立つ社会貢献プログラムを模索してきた結果、今回の医療研究助成にいたりました。
ガーナは、野口英世博士が黄熱病の研究の途上で、自らも黄熱病に罹患して客死した地です。その名を冠した野口研は、1979年に設立されて以来、基礎研究を中心とした技術協力を実施し、日本と西アフリカの医学交流拠点として重要な役割を担ってきました。丸紅はMV25社を通じて両国の医学研究の懸け橋となる拠点における研究への寄付金を提供し、日本とガーナ共和国の更なる関係強化と、医療研究の発展に貢献してまいります。
<参考>MV25社株主構成
丸紅株式会社 | 25.0% |
---|---|
三井海洋開発株式会社 | 25.0% |
三井物産株式会社 | 30.0% |
株式会社商船三井 | 20.0% |
Maynilad Water Services, Inc.による地域社会への貢献
当社のグループ会社であるフィリピン国・上下水道事業会社Maynilad Water Services, Inc.(以下、Maynilad)は、コミュニティ投資を通じて、積極的に地域社会の発展に貢献しています。
Mayniladは、2022年度に合計約134百万ペソを拠出し、近隣地域の住人に対する雇用機会の提供の他、貧困地域に住む人々への飲料水用インフラ整備、台風被災者への飲料水・食料の提供、医療従事者への白衣提供を通じた公衆衛生の改善等、地域社会の人権問題にポジティブな影響をもたらす取り組みを積極的に行いました。
今後も積極的に、フィリピン国内において環境・社会面に配慮した貢献を続けていきます。
開発途上国における高栄養価食品の提供
開発途上国において、貧困等によって引き起こされる飢餓や低栄養状態が社会課題となっています。丸紅では、この社会課題に対する取組として、開発途上国と先進国の食のアンバランスを解消する「TABLE FOR TWO」や「おにぎりアクション」への参加を通じて、開発途上国の子どもたちに栄養価の高い食品を提供しています。
TABLE FOR TWO(TFT)

TFTとは、開発途上国の飢餓と先進国の肥満や生活習慣病の解消に同時に取り組む、日本発の社会貢献運動です。対象となるヘルシーメニューを購入すると、1食につき開発途上国の給食1食分の費用である20円が開発途上国の子供の学校給食として寄付されます。丸紅では、マッチング寄付として社員から集まった金額と同額を会社からも寄付し、1食の購入が2人分の給食費用となる仕組みを採用しています。
おにぎりアクション

おにぎりアクションは、日本の代表的な食であるおにぎりをシンボルに、 「おにぎり」の写真をSNS(Instagram, Twitter, Facebook)、または特設サイトに投稿すると、 1枚の写真投稿につき給食5食分に相当する寄付(100円)を協賛企業が提供し、 NPO法人TABLE FOR TWO Internationalを通じてアフリカ・アジアの子どもたちに給食をプレゼントできる取り組みです。当社はSupporting Partners(協賛企業)として、当社の食堂において当活動を推進すると共に寄付しています。
<実績と目標>
2021年3月期実績 | 2022年3月期目標 | |
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TABLE FOR TWO | 2,658食分*1 | 20年3月期 対比3%UP*2 |
1 コロナウイルスや本社移転の影響により2,658食分となりました(20年3月期は10,722食分)
2 本目標はコロナウイルスなどの諸情勢等を踏まえて柔軟に適切な目標を再設定していきます。
東日本大震災復興支援
「いわきサンシャインマラソン」へ特別協賛

丸紅は、ビジネスでも関わりの深い福島県いわき市の復興支援のため、「いわきサンシャインマラソン」に第6回より特別協賛しています。
第9回大会は、丸紅グループからボランティア31名、ランナー23名の総勢54名が参加しました。ボランティアは、35kmの折り返し地点にて給水業務を担当し、ランナーを力強く応援しました。直近の第10回、11回大会はそれぞれ悪天候、新型コロナウイルスの影響で中止となりましたが、協賛は継続しています。
丸紅グループは、東日本大震災後、宮城県七ヶ浜町にボランティアスタッフを継続して派遣するなど、積極的に被災地支援活動を行っており、この大会への協賛を通じて、福島県の地域振興にも貢献していきます。
「がんばっぺ福島!応援の集い」に協賛

芙蓉グループ企業を中心とした在京団体が集まり、福島県の復興現状を再認識するイベント「がんばっぺ福島!応援の集い」が、復興庁、東京都、福島県の後援のもと、3.11を思って毎年3月初旬に都内で開催され、丸紅は2016年より協賛しています。
福島県知事からの復興の現状報告や福島県ゆかりのアーティストによるイベント、さらには地元の特産品PRコーナーなど、会場全体が復興支援に向けて一体となるイベントです。丸紅は、被災地における地域産業の復興や地域振興に資する事業に賛同し、東京から福島県の復興を応援しています。
「『新しい東北』復興ビジネスコンテスト」に協賛

被災地の地域産業創出の機運醸成を図ることを目的に復興庁が設立した「新しい東北官民連携推進協議会」は、2014年度より「『新しい東北』復興ビジネスコンテスト」を開催しています。丸紅は第1回より協賛企業として応援しています。
応募総数100団体から大賞・優秀賞・企業賞と各賞が設定され、丸紅も丸紅賞を提供しています。例年、地元の食材を使用した特徴ある事業に授与することにしており、丸紅賞を受賞した団体には、毎年3月東京で開催される『がんばっぺ福島!応援の集い』会場に、商品の販売ブースを提供しています。
宮城県七ヶ浜町特産品の米・わかめを社員食堂にて使用
宮城県七ヶ浜町には、丸紅グループとして2011年6月より延べ人数で合計790名のボランティアを派遣し、個人宅・海岸・農地の瓦礫撤去を手伝っており、グループ社員の間でも思い入れの強い活動となっています。
丸紅東京本社食堂では、期間限定で、宮城県七ヶ浜町産の名酒「浦霞」の原料としても使用される上質な水に育まれたお米を、社員が「食べて応援」しています。お米に加え、豊漁の年には生若布も提供いただいています。
過去に同町の復興支援活動に参加した有志は、時々現地を訪れて農作業に参加するなど、ボランティアと現地の方との交流も続いています。
ソーシャル・スキル・トレーニングへの協力

丸紅は、社会福祉法人大阪児童福祉事業協会アフターケア事業部が主催する、「ソーシャル・スキル・トレーニング(SST)」に、2007年から協力しています。
SST(自立生活技術講習会)とは、頼るべき肉親を持たない子供たちが施設を出て一人で生活する時に、社会や職場で孤立しないために必要な知識を習得するためのプログラムです。本件は、厚生労働省の支援を受けて、児童養護施設に暮らす中学3年生から高校3年生を対象に実施されています。身だしなみやテーブルマナー、法律、悪質商法トラブルへの警告など、日常生活で直面する具体的なテーマを通じて、生活技能の習得を目指しています。
2019年7月、大阪府下の児童養護施設に暮らす中高生を大阪支社に迎えて、総合商社丸紅が社会で果たす役割や社会人としての心構えなどについて当社社員が講義を行いました。
企業訪問の受け入れ

丸紅では、次世代育成支援の一環として、学生の企業訪問を受け入れています。
本講座では、総合商社のビジネスモデルや、地球環境や社会で深刻化する課題に対する当社取り組みの紹介、事前アンケートを基にしたワークショップ等を実施いたします。2020年度は新型コロナウィルスの影響に伴い、オンラインによる講座を2校・3回実施しました。
企業訪問を希望される場合は、
・学校名、学年、訪問予定人数(受入可能人数:10名~)
・訪問希望日時
・企業訪問の目的
・弊社へ企業訪問を希望される理由
を記載の上、下記問い合わせ先メールアドレス宛にご相談ください。
- ※個人での訪問は受け付けていません。必ず在籍している学校を通じてお申込みください。
- ※安全面の観点から、引率者の帯同をお願いしております。
お問い合わせ先
広報部 企画・ブランド推進課
TEL:03-3282-2111(代表)
E-mail:TOKB191@marubeni.com
業務との兼ね合い・受け入れ体制により、ご希望に添いかねる場合もございます。予めご了承ください。
社員によるボランティア活動
ブルーベリー収穫

2019年8月、丸紅基金助成先「NPO文化学習協同ネットワーク」が運営する農園で、丸紅グループ社員とその家族・友人約80名がブルーベリーを収穫しました。同団体は、パンの生産や販売を通じ、引きこもりを経験した若者などが社会復帰するための職業訓練プログラムを実施しています。
農園では、ブルーベリーのほか小麦・さつまいもなど、パンの原材料が生産されています。今回収穫したブルーベリーは、パンやジャムに加工され、同団体のベーカリーで販売される予定です。
みんなで布チョッキン

NPO法人「幼い難民を考える会」が主催する「みんなで布チョッキン」は、ぬいぐるみの型紙に合わせて布を切り、会社がそれに寄付金をあわせてカンボジアに贈る活動です。完成品を寄贈するのではなく、現地で製品化することで貧しい女性たちが現金収入を得る機会を提供し、また、それらを使用した遊びの指導を通じて教員の育成にもつなげることを目指しています。
書き損じはがき・使用済み切手、衣料品の寄贈
丸紅グループでは、書き損じはがき・使用済み切手、家庭で不要になった衣料品を社員から回収し、開発途上国支援や災害被災地支援に取り組む団体に寄贈しています。
富士山清掃活動

2009年から毎年1回、NPO法人「富士山クラブ」等と共同で、富士山麓の清掃活動を実施しています。
2019年9月には、丸紅グループ社員とその家族・友人、外国人留学生合わせて約80名が、山梨県が富士山クラブ、産業廃棄物協会と共同で実施する「山梨県富士山クリーンアップ事業」の現場で活動しました。
また、このプログラムは環境保護と同時に国際交流も目的としており、留学生支援企業協力推進協会を通じて参加者を募集しています。
奥多摩森林保全活動

2006年から毎年1回、青梅市に位置する「青梅上成木森林環境保全地域」において間伐活動を行っています。この活動は、東京都に残された貴重な森林・里山・雑木林等を、都民・企業・行政・NPOの連携によって保全する「東京グリーンシップ・アクション」の一環です。
2019年10月には、丸紅グループ社員およびその家族・友人総勢約60名が、作業道づくりや斜面での除伐作業を行いました。
【間伐とは】
木材として使用するために植えられた杉やヒノキが手入れをされないまま成長したため、森の中に日光が届かず下草がなくなり、土砂災害などが起きやすくなってしまった山林において、木の間引きを行う活動です。
アドプトフォレスト「丸紅の森」

2019年10月、大阪府岸和田市神於山(こうのやま)で、丸紅グループの役員・社員・その家族約50名が、NPO法人「神於山保全くらぶ」メンバーの指導のもと、育林・整備活動の一環として整備状況・里山環境に関する座学、クラフト教室などを体験しました。
丸紅大阪支社は、2006年以来、大阪府の育林・森林整備活動「アドプトフォレスト」に賛同しています。その後、2011年12月に大阪府、岸和田市、神於山保全くらぶとともに「丸紅の森」宣言書に調印する等、神於山での森林整備活動を継続してきました。2017年12月には、長期にわたって活動に協力している企業の1社として、大阪府から感謝状を贈呈されました。
神田祭への参加

毎年5月、伝統文化の継承と地域社会への貢献を目指し、東京・神田祭りでお神輿を担ぐボランティアを行っています。例年、大手町、丸の内企業の有志が集まり、2019年5月には、丸紅グループの社員、その家族・友人約300名が参加しました。
ちよだボランティアクラブへの参加

東京本社では、千代田区社会福祉協議会が実施する「ちよだボランティアクラブ」に加入しています。社員がボランティアセンター紹介の活動に参加すると同時に、1名の活動1時間あたり1,000円を会社からマッチング寄付しています。これまで、当社の有志が東北の被災地の写真洗浄活動に参加したほか、相互会コーラス部が区内の高齢者施設で演奏会を開くなどして、活動に協力しています。