丸紅の歴史丸紅発祥の地、豊郷町を訪ねる

丸紅は1858年、琵琶湖湖東(現在の滋賀県豊郷町)出身の近江商人である伊藤忠兵衛が“持ち下り商い”を始めたことで創業しました。
私たちのルーツともいえる“豊郷町”を、近江商人の歴史やゆかりの写真とともにご紹介します。

豊郷町マップ

琵琶湖の東に位置するこの町は、江戸時代より多くの近江商人を生み出しました。数ある近江商人ゆかりの場所から、丸紅に縁の深い地をご紹介します。

  • 1先人を偲ぶ館
    豊郷町は近江商人をはじめ、才能ある先人を多く世に送り出しました。先人を偲ぶ館では、伊藤忠兵衛のほか、同時代に関東に進出して巨万の富を得た薩摩治兵衛といった先人の功績と人となりを紹介しています。
  • 2豊郷小学校旧校舎群
    丸紅商店専務の古川鉄治郎によって、1937(昭和12)年に建設された豊郷小学校。ウィリアム・メレル・ヴォーリズ設計の白亜の校舎は、“東洋一の教育の殿堂”といわれました。
  • 3豊郷病院
    丸紅商店の初代社長である九代 伊藤長兵衛の巨額の寄付により、1925(大正14)年に設立。現丸紅商店専務の古川鐵治郎も1940(昭和15)年に病棟や職員宿舎建設の費用を寄付しました。
  • 4くれない園
    先人を偲ぶ館丸紅関係者で結成した酬徳会が伊藤忠兵衛の功績を忍んで1935(昭和10)年に築造。園内には、伊藤忠兵衛の肖像をはめ込んだ碑が建てられています。
  • 5伊藤忠兵衛記念館
    1882(明治15)年に建てられた忠兵衛の旧宅。邸内には、初代忠兵衛やその息子である二代忠兵衛の遺品や資料が展示されています。
  • 6日栄小学校
    日栄小学校と豊郷小学校の児童が2009年から丸紅大阪支社を校外学習で訪れています。
  • 7滋賀大学経済学部 附属史料館
    滋賀県下の歴史資料の保存や研究を行っており、重要文化財に指定されている3つの中世史料群をはじめ、約16万点の資料を収蔵・公開しています。

近江商人について知る滋賀大学経済学部 附属史料館

滋賀県下の歴史資料の保存や研究を行っており、重要文化財に指定されている3つの中世史料群をはじめ、約16万点の資料を収蔵・公開しています。
また国立大学法人 滋賀大学 特別招聘教授(取材当時) 宇佐美 英機 氏のインタビューもご紹介します。

  • 展示
    館内には近江商人の行商用具や看板等も展示されています
  • 世の貨幣や貨幣升
    近世の貨幣や貨幣升、集金してきた銭を保管する商家で使われていた銭箱
  • 展示品(庶民の道具)
    当時の庶民の道具なども展示されています

宇佐美教授インタビュー

国立大学法人 滋賀大学 特別招聘教授(取材当時) 宇佐美 英機 氏
近江商人というのはどんな人たちだったのでしょうか

近江商人というのは、学問的には「1)近江に本家・本宅を置いて他国稼ぎをする、2)持ち下り商いを行う」江戸時代に活動した商人を指します。近江の地は鎌倉時代から通商が盛んな地域ですが、江戸時代の近江商人は足の向きが近江の国から他国に向かっているところに特徴があります。

近江商人の成功の秘訣は何でしょうか

何故近江商人がこの時代に他国で商売ができたのかというと、利に敏く、好奇心が旺盛な近江商人のバイタリティが原動力になっているのはもちろんですが、行く先々で実によく寄付を行っています。「お助け普請」など普請行為を実施した例もあり、お金を出すだけではなく地域の雇用創出にも配慮していました。それが商人のあるべき姿だと考えられてきましたし、真面目に稼いだ利益を世間に役立てるのが当たり前だと思うように、彼らは代々子供のころから育てられていたのです。

多くの近江商人のなかで、伊藤忠兵衛の何が優れていたのでしょうか

とにかく新しいことが好きで、古い慣習にとらわれなかったことです。合議制や利益三分主義など、近江商人が採用していた経営制度を導入する一方で、早い時期に権限移譲を行い、年功序列にとらわれずに優秀な人材を登用しています。若くて優秀な人材を責任ある立場に抜擢し、求められれば助言はしても実務は一切任せていました。自分の育てた奉公人を信頼し、非常な自信を持っていたことが窺われます。こうした度量と寛容は、先見性と並んで近江商人の良き伝統であり、忠兵衛もそれを受け継いでいると言えるでしょう。

滋賀大学経済学部附属史料館

ウェブサイト https://www.econ.shiga-u.ac.jp/shiryo/10/1/

創業者 伊藤忠兵衛の旧邸伊藤忠兵衛記念館

1882(明治15)年に建てられた忠兵衛の旧宅。邸内には、初代忠兵衛やその息子である二代忠兵衛の遺品や資料が展示されています。

  • 丸に紅の入った提灯
    土間には丸に紅の入った提灯が灯る
  • 当時の佇まいのまま
    邸内は忠兵衛が暮らしていた当時の佇まいのまま
  • 西洋風のバスルーム
    明治40年代につくられた当時としてはめずらしい西洋風のバスルーム
伊藤忠兵衛記念館 利用案内

ウェブサイト http://toyosatosaibikai.or.jp/

教育に未来を託した古川鉄治郎の想いが息づく豊郷小学校旧校舎群

丸紅商店専務の古川鉄治郎によって、1937(昭和12)年に建設された豊郷小学校。白鷺が羽を広げたようなウィリアム・メレル・ヴォーリズ設計の白亜の校舎は、“東洋一の教育の殿堂”といわれました。現在は隣接地に新校舎が建てられ、旧校舎の教室は子育て支援センターや町立図書館としても開放されています。

古川鉄治郎という「近江商人」のページを見る

  • 豊郷小学校旧校舎
    豊郷小学校旧校舎
  • 古川鉄治郎像
    エントランスにある古川鉄治郎像
  • 「うさぎとカメ」の真ちゅうの装飾
    階段の手すりに施された「うさぎとカメ」の真ちゅうの装飾
  • アールデコ風の建築様式
    天井が高く、明るいアールデコ風の建築様式が校舎の特徴
  • 教室
    当時の面影が感じられる教室
豊郷小学校旧校舎群 利用案内
開館時間 9:00~17:00
所在地 滋賀県犬上郡豊郷町石畑518
TEL 0749-35-3737(豊郷町観光協会 観光案内所)

詳細は、観光案内所にお問合せください。