1999年に私が最初にアメリカに来て驚いたのはアパートメントのビルにゴミ分別がないことだった。フロアごとにあるダストシュート(1階の集積場につながっている)に生ゴミも新聞紙もプラも缶もビンも全て一緒に放り込むのである。高層階からビンを入れれば当然下で粉々になるがお構いなし。最初は抵抗感があったが慣れると便利だ。24時間いつでも何でも分別せず捨てられる。この習慣に慣れた後に日本に帰任して厳格な分別・ゴミ出しに閉口したものである。今住んでいるビル1階のゴミ置き場には大型のリサイクルボックスが置かれているがあくまでも住人の自主性次第。見る限りさほど励行されているようにも思えない。一戸建ての場合には決まった回収日があり、リサイクルとそれ以外の分別は存在するようだが、分別の厳格さは場所や回収業者によってバラつきがあるようだ。もちろん日本のように何種類にも分別する必要はない。
アメリカの公共トイレに最近ハンドドライヤーが増えてきたが、未だ主流はペーパータオルだ。それをアメリカ人は何枚も引っ張り出して手を拭く。さらにドアノブをつか むのにもう一枚取る人もいる。その紙でドアノブを一回回したらおしまい。これらが全てゴミになる。
アメリカのフードコートやスターバックスに日本のような飲み残しを入れる容器はない。場所によりリサイクルとそれ以外の二種類のゴミ箱があるのがせいぜいだ。飲み 残しや氷はそのままゴミ箱に行き、買ったコーヒーの量が多いとゴミ箱にコーヒーを流し込んで調節する人もいる。個人が一所懸命ゴミを分別する日本から見るとこの国は「豊か」で「おおらか」だ。