2024年

豪州・ポートランドアルミ製錬所における追加電力価格ヘッジ契約の締結について

2024/09/30
丸紅株式会社

丸紅が出資する、豪州ヴィクトリア州・ポートランドアルミ製錬所(以下、「ポートランド」)は、2023年8月17日に同国の電力会社であるAGL Energy Limited(以下、「AGL」)と締結した300MWの電力価格のヘッジ契約に続き、287MWの追加ヘッジ契約(以下、「追加契約」)を2024年9月27日に締結しました。

ポートランドアルミ製錬所 ポートランドアルミ製錬所

 

案件の特徴
昨年締結した契約と同様に、追加契約はAGLとの既存契約が終了する2026年7月1日から発効し、2035年6月30日までの9年間にわたり、競争力のある価格で電力を調達することが可能になります。追加契約では、契約量の最大30パーセントをAGLとの再生可能エネルギー電力購入契約(PPA)に置き換えるオプションが新たに追加されました。

背景・意義
アルミの製錬には多くの電力が必要であり、コストの約3分の1を電力が占めています。豪州ヴィクトリア州では、域内の再生可能エネルギー比率を2030年に65%、2035年には95%まで高める方針が掲げられており、今後、電力価格のボラティリティ上昇が予想されています。追加契約を加えた2035年6月までのAGLとの総ヘッジ契約量は、ポートランドがアルミを生産するために必要な最大電力量の95%に相当し、ポートランドの長期の操業における強固な基盤として、アルミの安定的な供給に寄与するものです。

今後の展望
丸紅は、中期経営戦略GC2024において、「グリーン戦略」を企業価値向上に向けた基本方針の一つと位置付けています。その中でも、アルミは脱炭素社会への移行に欠かせない素材であることから、アルミ事業を「グリーン事業」と分類しています。丸紅は、豪州のアルミ生産量の約20%に相当するポートランドの「責任ある生産」(※)を通じて、持続可能な社会の実現へ貢献していきます。

(※)責任ある生産:ポートランドは、2023年5月に、事業の健全性及び環境や安全に配慮した広範な取り組みが評価され”ASI Performance Standard”の認証を取得。責任ある生産・加工・流通過程のトレーサビリティに対する管理基準”ASI Chain of Custody”(“ASI CoC”)についても、2024年7月にAlcoa Corporationが取得したASI CoCにポートランドも加わったことで、丸紅が出資するカナダ・アロエッテアルミ製錬所に続き、ポートランドもASI認証をすべて取得したこととなる。

<ポートランドアルミ製錬所概要>

所在地 :Madeira Packet Road, Portland, Victoria, 3305, Australia
年産能力 :360,000トン
権益比率 :丸紅 22.5%、Alcoa of Australia Limited 55%、CITIC 22.5%
従業員 :約500人
操業開始年 :1986年
操業管理会社 :Alcoa Portland of Aluminium Pty Ltd

<関連ニュースリリース>
・2023年8月18日
 豪州・ポートランドアルミ製錬所における新たな電力価格ヘッジ契約の締結について
 https://www.marubeni.com/jp/news/2023/info/00026.html

・2023年5月26日
 豪州・ポートランドアルミ製錬所におけるASI Performance Standardの認証取得について
 https://www.marubeni.com/jp/news/2023/release/00059.html

・2022年10月20日
 カナダ・アロエッテアルミ製錬所におけるASI Chain of Custodyの認証取得について
 https://www.marubeni.com/jp/news/2022/release/00078.html

一覧に戻る