2024年

2024年度入社式 社長メッセージ

2024/04/01
丸紅株式会社

皆さん、おはようございます。社長の柿木です。本日、新たな仲間を迎え入れることができ、大変嬉しく思います。役員・社員を代表して、皆さんのご入社を心から歓迎します。
皆さんの学生生活は、コロナ禍によって大きな影響を受けてきたと思います。しかしそうした環境の中でも創意工夫を凝らし、日々学びと成長を重ね、毎日を充実させてきたと思います。コロナ禍もようやく落ち着き、日常が戻ってきました。ビジネス環境も正常化してきています。今日からは丸紅という舞台で思う存分に個性と実力を発揮し、一人ひとりが新しい価値を生み出していってくれることを期待しています。

丸紅グループの一員となる皆さんに、社是「正・新・和」についてお話ししたいと思います。
当社の創業は1858年、丸紅株式会社としての設立は1949年です。「正・新・和」という社是は、丸紅株式会社初代市川社長の訓示がもとになっており、今日でも通用する普遍的な価値観として私たちの拠り所としています。それぞれの言葉が意味することについて少し掘り下げてお話します。

まず、「正」についてです。「正しいこと」は「強さ」と「明るさ」につながります。正しく、そして強く明るければ、時流や状況に流されることはなく、また大きな困難も克服することができます。これがまず私たちが守り抜かなければならない最優先の指針です。
次に、「新」です。常に積極的に情報収集・研究し進取発展の気概を持つこと。これから皆さんが直面するビジネスの世界は、私が新入社員・若手だった時代よりもさらに目まぐるしく変化するものになるでしょう。その中で世の中に求められる新しい価値を創造していくためには、積極的に学び、挑戦していくことが必要です。若手・ベテランに関係なく、全ての丸紅社員に求められる姿勢です。
最後に、「和」です。私たちのビジネスを見渡してもらうと分かる通り、丸紅だけでできることは限られています。丸紅グループ内の連携はもちろん、取引先やパートナー、顧客と親和し、互いを尊重し、それぞれの強みを持ち寄ることによって、社会にとってより大きな、意義ある仕事を成し遂げることができます。

丸紅グループの在り姿である「Global crossvalue platform」は、「丸紅グループを一つのプラットフォームと捉え、グループの強み、社内外の知、一人ひとりの夢と夢、志と志、さまざまなものを縦横無尽にクロスさせて新たな価値を創造する」ことを目指すものですが、これも「正・新・和」の考え方にのっとったビジョンです。今日から丸紅グループの一員となる皆さんにも、この「正・新・和」と「Global crossvalue platform」を指針として社会人生活を歩んでいって頂きたいと思います。

次に皆さんに心がけてもらいたいことについてお話しします。
地域紛争の発生や国家間のパワーバランスの変化、生成AIをはじめとした新技術の急速な発展、世界金融や産業構造の変革といったことが、この短期間でも数多く起こっています。私たちは今後も様々な変化と対峙していくことになります。皆さんには、10年後、50年後、100年後の未来を大きなスケールでとらえ、誰も想像できない価値を生み出す人財になってほしいと思います。そのために具体的に心がけてもらいたいことを4点お伝えしたいと思います。

1つ目は、「スピード感をもってチャレンジする」ことです。
失敗を恐れることはありません。どんどん新しいことにチャレンジしてください。変化の激しい時代においては、知識やスキルも直ぐに陳腐化してしまいます。まさに皆さんが活躍できるチャンスです。世の中の社会課題、価値観の変化に正面から向き合い、誰よりも早く、一歩でも半歩でも先に踏み出してください。一人ひとりが既存の枠組みにとらわれない自由な発想を持ち、積極的に発信してください。皆さんの上司はもちろんのこと、私と経営陣は、皆さんがチャレンジできる環境を用意することをお約束します。

2つ目は、「好奇心を持ち続ける」ことです。
配属された部署に閉じこもるのではなく、自分の担当範囲からちょっと外れたことや、隣の人の仕事に興味を持ち続けてほしいと思います。入社1年目は特に、日々の業務に忙殺され、多数の困難にぶつかって、周りに目を向ける余裕がないかもしれません。それでもできる限り、今日共に入社した同期の仲間達、隣の課の人たちが何をやっているのか、関心を持ち続けてください。こうした小さな好奇心の積み重ねが、既存の枠組みにとらわれない新たな発想につながります。これからは自らを変化させる力が重要です。やりたい仕事ばかりでなく好奇心を持って色々なことにチャレンジしてほしい、そして新たな価値を生み出してほしいと思います。

3つ目は、「現場を大事にする」ことです。
オフィスにいるだけでは、現場の課題、社会やマーケットの変化を見つけることはできません。大学時代の大半をコロナ禍の中で過ごされた皆さんも実感されていると思いますが、私たちもコロナ禍によって対面でのコミュニケーションの重要性に改めて気づかされました。私自身も、国内から海外まで毎月出張し、現場の状況把握、Face to Faceでのコミュニケーションを通じ顧客自身も気づいていないような本当の課題を把握しようと努めています。皆さんもぜひ足しげく現場に通って、先輩たちのやり方を観察し、顧客の話に耳を傾け、今そこで何が起きているのか、本当の課題は何か、常に五感を研ぎ澄ませて感じとってください。そして一日も早く各現場の戦力として成長し、立ちはだかる困難や障害を共に乗り越えていく仲間となっていって頂ければと思います。

4つ目は、「リーダーシップを発揮する」ことです。
変化のスピードが早く不確実性の高い現代においては一人のリーダーが対面する課題に対して常に正しい決断をすることは困難であり、一人ひとりがチームのために自発的に動き、現場レベルでも的確な判断をすることが必要です。リーダーシップに関しては、全員が発揮可能であり、そうすることで、組織はより良い成果を生み出すことができます。最初は上司や先輩から仕事を学んでいくことになると思いますが、その中でもただ上からの指示に従って行動するのではなく、自分の考えや意見を上司や先輩に伝え、行動する。そして結果について責任をもつ。時には失敗することもあるでしょうが、自分で判断したことであれば必ず良い経験となって次につながります。そして、その経験の積み重ねが自信となり、皆さんの成長につながります。リーダーシップをもって、自ら発案し動き出すことを大切にしてほしいと思います。

最後に、丸紅グループにとって最も大切な資本である「人財」についてお話します。
社員一人ひとりが持てる力を最大限発揮することが丸紅グループの成長のカギであり、そのための制度や仕組みの導入や改定を進めています。適材適所の徹底を図り、一人ひとりがフルに活躍できるよう、総合職、一般職の壁を取り払う制度改定を実施します。また、ライフステージに関らず活躍し続けられる環境を提供するために、働き方に関連する制度の改定も行いました。会社は今後も一人ひとりがより活躍できる環境を整えていきます。

私たちの想像を超えるような、皆さんの成長と活躍を期待して、私からのメッセージとします。
ご入社おめでとうございます。

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