丸紅株式会社（以下、「丸紅」）は、ドイツに本社を置き、使用済の廃タイヤから得られる再生カーボンブラック（※1）（recovered Carbon Black。以下、「rCB」）を高品質化した次世代再生カーボンブラック（recovered Carbon Black 2.0。以下、「rCB 2.0」）の製造プラントを建設中のRCB Nanotechnologies GmbH（以下、「RCBNano社」）の株式を、第三者割当増資の引受により取得しました（以下、「本取引」）。

近年、タイヤ・ゴム業界では、循環型経済の構築と製品の再生可能原料比率の増加を目指し、使用済の廃タイヤからrCBを生成する熱分解リサイクルへの関心が高まっています。しかし、rCBは不純物を含有していること等から、通常のカーボンブラックと同等の品質水準には達しておらず、タイヤの原料としての本格導入は進んでいません。

RCBNano社は、EU最大の非営利研究機関フラウンホーファー研究所と共同で、熱分解リサイクルの後工程として、不純物を含むrCBに独自の化学精製を施すことで、世界最高水準の高純度化を実現する技術（以下、「本技術」）により、rCB 2.0の開発に成功しました。既にセミコマーシャルスケール（※2）での生産を成功させており、rCB 2.0は通常のカーボンブラックの完全代替が可能となります。本取引の資金を元に新工場の建設を進め、2024年末までにタイヤメーカーへの安定供給開始を目指しており、実現すれば世界初のrCB化学精製の大規模商業運転となります。
　
丸紅は、中期経営戦略GC2024において「グリーンのトップランナー」になることを掲げており、タイヤ・ゴム製品事業では、ゴム原料の供給からタイヤ等の販売までのサステナブルなバリューチェーン強化を目指しています。本取引を通じて、本技術および熱分解リサイクル技術を発展させ、取引先へ提供するソリューションの質を高めていくとともに、本技術を活用した廃タイヤリサイクル事業を、日本を含めたアジアや米州を中心に全世界へ展開することで、タイヤ・ゴム業界の環境負荷低減とサステナビリティ向上へ貢献していきます。

（※1）カーボンブラック：炭素を主体とした微粒子で、主にゴムの補強材として使用される製品。
（※2）商業生産で用いる設備と同規模、同構造のリアクターや主要機材を用いた設備。

＜RCBNano社概要＞
会社名	:	RCB Nanotechnologies GmbH
本社所在地	:	ドイツ連邦共和国ミュンヘン
設立	:	2020年
代表者	:	Niels Raeder
事業内容	:	再生カーボンブラック精製事業
ウェブサイト	:	https://recovered-carbon-black.com/en/

以　上