2024年

2024年 社長年頭挨拶

2024/01/04
丸紅株式会社

本日9時より東京本社で行われました、当社社長柿木真澄による年頭挨拶を下記の通りお知らせします。

1. はじめに

丸紅グループの皆さん、並びにご家族の皆さんに、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
また、この度の能登半島地震により、被害にあわれた方々に心からお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復旧をお祈り申し上げます。

2. 当社を取り巻く環境について

昨年を振り返りますと、イスラエル・ハマス間の軍事衝突、ロシア・ウクライナ戦争の継続、米中対立や台湾問題などの地政学リスクの高まり、世界的なインフレと金融引き締め、歴史的な円安進行など、先行きの不透明感がより一層強まった一年でした。
このような状況においても、皆さん一人ひとりの弛まぬ努力により、2023年度の連結純利益は4,500億円と、2022年度に次ぐ、当社史上2番目となる利益水準を達成出来る見通しです。改めて日々ご尽力頂いている皆さんに心より感謝申し上げます。
2024年の世界情勢も引き続き先行きが不透明であり、事業環境が目まぐるしく変化する状況が続くと予想されます。欧米を中心とした金融引き締めや、中国経済の下振れなどにより、世界経済が停滞する可能性は継続しています。安全保障を巡る問題もここ数年毎年のように顕在化しています。今後も先ほど申し上げたような各国の情勢に加えて、世界的な対立構造と一定の距離・バランスを取るグローバルサウス諸国の存在感の高まりや、エネルギー安全保障・経済安全保障といった問題の顕在化など、以前にも増して地政学リスクを注視する必要があります。
このような複雑な環境において、丸紅グループとしても、環境の変化に適応する力を一層強化することが重要です。変化を恐れず、世界の動きに柔軟性を持って迅速に対応頂きたいと思います。

3. 中期経営戦略GC2024の取り組みについて

2024年は「戦略実践の3年間」と位置付けた中期経営戦略GC2024の最終年度を迎えます。2022年にGC2024を策定した当時には想像もつかなかった出来事が次々と起こっており、2024年も様々なことが起こるでしょう。実際避けようのない自然災害が正月早々起こったり、大きな事故が発生しています。そのような状況の中でも、GC2024の目標達成に向けての努力は止めてはなりません。着実に戦略を実践していかなければなりません。世の中は日々平穏無事ではないと覚悟していれば大丈夫です。きっと達成出来ます。
GC2024では「グリーン戦略」を丸紅グループの基本方針として掲げています。脱炭素、循環経済への移行、自然との共生、人権の尊重、持続可能なサプライチェーンの構築など、サステナビリティへの取り組みはビジネスを行う上での大前提です。当社の「グリーン戦略」では、サステナビリティに直接的に貢献するグリーン事業を拡大するとともに、あらゆる対面業界に存在するサステナビリティの課題を、グリーン化によって解決していくことを目指しています。
「グリーン戦略」を実践し、ネイチャーポジティブを実現することは、企業としての社会的な使命であるとともに、丸紅グループの長期的な企業価値向上に繋がります。丸紅グループの皆さんには、常に「グリーン戦略」を念頭に置きながら、ご自身のビジネスに取り組んで頂きたいと思います。そして「グリーン戦略」をビジネスがスムーズに進まないことの口実にしてはなりません。

4. グループ人財戦略・デジタル戦略について

1) グループ人財戦略
GC2024ではグループ人財戦略についても推進してきました。
人財は丸紅グループにとって最も大切な資本であり、価値創造の原動力です。多様で魅力的な人財が集い、活き、繋がり、様々な知を掛け合わせて価値を創造する、そのような人財エコシステムの基盤が整いつつありますが、今年はこれをもう一段上のレベルに引き上げたいと思っています。
事業環境が目まぐるしく変わる中、各部の営業戦略を常にアップデート頂いているのと同様、人財戦略についても継続的な見直しが重要です。
人財戦略においては、個々人の成長が大切であり、一つの部署で経験を深化させていく事に加え、経験の多様性、幅広いスキルの習得を一層促進して頂きたいと考えています。本年度に続き、2024年度も本部を跨いだ人員シフトを検討しています。新しい部署への異動は、非常に大変だと思いますが、新しい環境で努力することは、必ず自分にプラスとなって返ってきます。新たな挑戦を通して、自らが成長する為のリスキリングの機会として是非前向きに捉えて頂きたいと思います。
引き続き、既成概念に縛られず、すべての社員が力を発揮し、より高いミッションに挑戦出来る会社の実現に向けた取り組みを進めていきます。一人ひとりの挑戦を大切にし、その挑戦を周囲がサポートする文化を一層育んでいきたいと考えています。

2) デジタル戦略
グループ人財戦略と併せて考えて頂きたいのがデジタル技術の活用です。人財戦略を推進する上で、度々課題となるのが人財不足です。2023年はChatGPTをはじめとする生成AIが革新的に発展した年でもあり、当社でもMarubeni Chatbotを全社導入しました。このような新しい技術をビジネスの現場や経営で積極的に活用し、更なる業務の効率化と高度化を進めていきたいと思います。顧客の皆様や出資先など、パートナーの課題解決の手段としても、デジタル技術は欠かせない要素となっています。デジタルも含めた総合的なソリューションを提供出来るよう、これまで以上にデジタル技術へのアンテナを高く張って頂き、是非積極的に取り入れていって頂きたいと思います。

5. 最後に

足許の数年間、丸紅グループは好調な決算を続け、これにより財務基盤を強化し、株主への還元を増やし、更なる成長への投資を推進してきました。これらの成果は、私たちが着実に成長の道のりを歩んできた証と言えます。
このような丸紅グループの姿は、ステークホルダーの皆様からも評価を頂いており、期待が更に高まっていることを強く感じています。これは大変嬉しいことであり、同時に更なる努力を私たちに求めるものでもあります。
丸紅グループの経営理念は、「社是『正・新・和』の精神に則り、経済・社会の発展、地球環境の保全に貢献する、誇りある企業グループを目指す」としています。そしてこの理念を実現するための丸紅グループの在り姿が「Global crossvalue platform」です。社内外の知見・強みを掛け合わせて、新しい価値を生み出すことで社会課題を解決することを目指します。
丸紅グループが更なる成長を実現するためには、丸紅グループ役員・社員全員の力を合わせていくことが必要です。一人ひとりが知識・経験・情熱を存分に発揮し、それらを掛け合わせていくことで、どんなに困難な課題でも乗り越えていける力になると信じています。そして掛け合わせの味を知ったら通常業務を否定するものではありませんが、それではあきたらなくなるかもしれません。そういう経験を是非してみてください。2024年も丸紅グループ一丸となり、臆することなく新しいことに挑戦し、価値創造に向けて歩みを進めていきましょう。

最後になりましたが、健康にはくれぐれもご留意頂き、充実した一年を過ごしてください。新たな一年が皆さんとご家族、丸紅グループ、そして全世界にとって、素晴らしい年になることを祈念し、私の新年の挨拶とさせて頂きます。
2024年も、どうぞ宜しくお願い致します。
ありがとうございました。

以 上

社長年頭挨拶

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