2024年

米国テキサス州南部における商業ベースCO2貯留事業の共同開発について

2024/09/24
丸紅株式会社

丸紅は、米国テキサス州でCO2の回収・貯蔵(Carbon dioxide Capture & Storage/以下、「CCS」)案件を開発するOzona CCS LLC(以下、「Ozona」)が出資する事業会社と第三者割当増資の引き受け契約を締結、同州南部におけるCCS案件(以下、「本事業」)へ50%出資・参画し、Ozonaと共同開発を行います。

案件の特徴
本事業は、石油・ガス開発が活発なテキサス州南部における複数のガス生産・処理プラントにおいて排出されるCO2を回収し、専用のパイプラインにて輸送の上、地下2~3kmの塩水帯水層に貯留するもので、米国においても先駆的な商業CCSハブ※1案件です。丸紅はテキサス州でシェールオイル・ガスの上流権益事業を展開しており、同地域での地下評価を含めた知見と、電力・インフラ分野でのプロジェクト開発能力を組み合わせることで本事業の実現に貢献し、2025年前半の最終投資決定、2026年中の商業運転開始を目指します。また、丸紅とOzonaは本事業を足掛かりに、テキサス州における他のCCS案件についても共同取り組みを検討し、さらなる事業の拡大を目指します。

info_240924 【ガス処理プラント】

 

背景・意義
米国は、2030年までのGHG排出量の65%削減、および2050年までのGHG排出量のネットゼロを目標としており、再エネ導入や電気自動車の普及促進などの脱炭素化を進めています。CCS導入支援策としては2022年8月にインフレ抑制法※2が成立しています。

今後の展望
丸紅は、2022年2月に中期経営戦略GC2024を公表し、「グリーン事業の強化」と「全事業のグリーン化推進」を通じて、グリーンのトップランナーとなることを目指しています。本事業を通じて獲得する、カーボンニュートラルの実現に必要不可欠なCCS事業の開発ノウハウを生かし、北米のみならず欧州、豪州、アジアなどにCCS事業を展開し、世界の脱炭素に貢献していきます。

1 近接する複数のCO2排出源からCO2を回収・輸送し、単一または複数の貯留サイトに圧入する集積型モデル。

2 2033年1月1日までに建設を開始するCCS案件に対し、稼働後12年間、CO2の貯留に対し最大USD 85/トンの税額控除が適用される。

<Ozona概要>

会社名 :Ozona CCS, LLC
所在地 :米国・テキサス州サンアントニオ
設立年 :2021年
代表者 :Mr. Rich Adams(Co-CEO、COO)、Mr. Eric Friedrichs(Co-CEO、CFO)
事業内容 :CCS 案件の開発および運営
ウェブサイト https://ozonaccs.com/
備考
:テキサス州Permian、Eagle Ford、Corpus Christi地区における石油・ガス開発事業およびパイプラインを含む関連事業に実績を有し、地下分析、許認可、環境影響評価分野などに経験・知見をもつ。

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