2024年
「タイヤ電池®」を搭載した街路灯の実証試験を開始
2024/07/22
タイヤ電池®プロジェクト加盟各社
株式会社ルネシス(代表取締役:山﨑 貞充、本社:佐賀県三養基郡みやき町)をはじめとするタイヤ電池®プロジェクト加盟18社は、サステナブルな社会の実現を目指し、使用済タイヤをリサイクルして生まれる世界初の次世代型蓄電池「タイヤ電池®」の開発に取り組んできました。開発から12年間の改良期間を経て、このたび、タイヤ電池®を搭載した定置用製品(街路灯)の実証試験を開始することをお知らせします。
<タイヤ電池®とは>
環境負荷を抑える取り組みが社会的に求められている使用済タイヤと、汎用資源から得られるイオン原料を用いて製造する蓄電池を「タイヤ電池®」と名付けました。
使用済タイヤを熱分解※1し、蓄電池の正・負極活物質原料、及び正極導電材を抽出したものと、卵の殻など身近な自然素材由来のイオン原料を合わせてタイヤ電池®を製造します。通常の蓄電池において使用されるレアメタルといった希少資源を必要としないこと、さらに使用済タイヤを熱分解して抽出されたガス分や軽質油分は使用済タイヤの熱分解に再利用されることも特筆される点です。なお、現段階のタイヤ電池®の性能を前提にすると、使用済タイヤ10トンから住宅42戸分※2の電力需要を賄えるタイヤ電池®を製造することが可能です。今後の改良・開発で、タイヤ電池®の容量を増やし、収率をさらに引き上げていく計画です。
1:無酸素条件化で加熱することでゴム分を油化する。
2:10kWh/戸で換算。
<目指す社会>
日本で年間約100万トン排出される使用済タイヤのうち、10万トンをタイヤ電池®の原料として活用することで、資源循環型社会を目指します。また、タイヤ電池®を太陽光・水力・風力・バイオマス等の再生可能エネルギー発電と組み合わせて活用し、再生可能エネルギーの一層の普及に貢献していきます。
<実証試験の詳細>
期間 : 2024年7月下旬~10月下旬
方法 : ①太陽光パネルを搭載した街路灯にタイヤ電池®を設置し蓄電する。
②タイヤ電池®で蓄電した電気を使用し、期間中の連続稼働を確認する。
場所 : 佐賀県三養基郡みやき町市武875番地
内容 : タイヤ電池®専用制御回路の動作確認
<タイヤ電池®プロジェクト加盟各社の役割分担>
株式会社ルネシス
・知財権利会社
国見興業株式会社
・知財権利会社
東京炭素工業株式会社
・電極材(正極・負極)日本製造権利会社・電池の製造方法 欧州権利会社
リックス株式会社
・電池の製造設備導入支援
西研グラフィックス株式会社
・タイヤ電池®の産業化に向けて、関連する専用製造設備を開発する
株式会社高口精密工業
・タイヤ電池®の産業化に向けて、関連する精密部品などを開発する
株式会社プレースホーム
・タイヤ電池®の産業化に向けて、住宅用蓄電池の開発・販売をする
三光電業株式会社
・タイヤ電池®の産業化に向けて、各種蓄電池搭載品用の各種制御回路部品及び量産を支援する
有限会社フジクラ
・タイヤ電池®の産業化へ向けて、各種製造プラント工事で協力する
株式会社電興社
・タイヤ電池®の産業化へ向けて、オリジナル街路灯製造・設置・電池周辺機器の支援をする
双日株式会社
・タイヤメーカーとの関係性を活かし、タイヤ電池®の産業化へ向けて、タイヤと電池の川上から川下までを独自のネットワークで支援する
株式会社ニライ
・タイヤ電池®の産業化へ向けて、オリジナル用途品を開発する
大日整工株式会社
・タイヤ電池®の産業化へ向けて、トラック関連蓄電池を開発する
丸紅株式会社
・タイヤ電池®の産業化へ向けて、タイヤのリサイクル生成物の調達や、タイヤ電池®の販路開拓を支援する
株式会社ENEOSマテリアル
・タイヤ電池®の産業化へ向けて、正極および負極の電池バインダーを提供しており、電池の品質向上に貢献する
楠本化成株式会社
・タイヤ電池®の産業化へ向けて、電池性能向上の必須素材(単層カーボンナノチューブ:SWCNT)材料を提供しており、電池電極作成におけるプロセス技術の指導及び各種制御回路の基本設計、専用充放電設備の企画開発を支援する
田中藍株式会社
・タイヤ電池®の産業化へ向けて、関連する化学副資材の供給支援及び関連製品を開発する
株式会社丸栄紙管
・タイヤ電池®の産業化へ向けて、関連会社の通信技術を用いたカメラ・電池状態の情報収集技術の開発を支援する
■本件に関するご質問は、以下よりお問い合わせください。
お問い合わせフォーム