2024年
木質バイオマスの高度利活用に向けた協業覚書の締結について
2024/01/26
丸紅株式会社
Nordic Bioproducts Group Oy
丸紅とフィンランドのNordic Bioproducts Group(以下、「NBG」)は、よりサステナブルな社会の実現を目指し、木質を中心としたバイオマス資源の高度利活用に向けた協業に関する覚書(以下、「本覚書」)を締結しました。
CO2をはじめとした温室効果ガスの排出が世界的な問題となっている中、化石燃料や化学薬品に代わる、持続可能なバイオマス資源を利活用して、環境負荷を低減した製品を製造する新たな技術や産業は、バイオリファイナリーと呼ばれ発展が期待されています。
NBGが特許取得しているAaltoCell™技術は、リグノセルロース原料の加水分解法※1であり、医薬品や食品の製造に不可欠な高品質のセルロース誘導体※2を製造することができます。セルロースを含む様々な原料に対応し、大量生産や生産コストの削減が可能になります。また、製造工程で発生する残渣もバイオ燃料として活用できる等、環境に配慮した特長があり、独立した第三者機関による評価では既存製法対比約80%のCO2削減効果が示されています。さらに、従来は化石燃料や化学薬品から生産されていた樹脂や繊維を、木質バイオマスから製造することを可能にします。本覚書を通じて、丸紅がインドネシア南スマトラ州において展開している、総事業面積約29万ヘクタールの植林地の木材から製造されるクラフトパルプや植林残渣等の木質バイオマスを対象に、NBGのAaltoCell™技術を用いたバイオリファイナリー事業の確立を目指します。
丸紅は、気候変動対策への中長期的な貢献を果たすために『気候変動長期ビジョン』を策定し、2050 年までに温室効果ガス排出ネットゼロの実現を目標に掲げています。また、丸紅は、これまでインドネシアとオーストラリアにおいて、数十年にわたり製紙用パルプ・チップ向けの産業植林事業を展開しており、近年では新たに、環境保全と地球温暖化対策に寄与しながらカーボンクレジット創出を目指し、フィリピンやマレーシア、アンゴラ等において森林再生を通じた環境植林事業にも着手しています。日本国内においても、秋田県や和歌山県において、森林由来のJ-クレジット制度を活用した取り組みを行っています。
NBGは、2019年にフィンランドの国立Aalto大学から分離独立した企業であり、北欧におけるセルロースイノベーション、バイオ製品開発、商業化の最前線に立っています。 使命の中心にあるのは、再生可能な天然資源を最適に活用することで化石燃料への依存を減らし、循環型ソリューションを育成し、世界規模でインパクトのある変革を起こすことです。NBGは持続可能なソリューションの展望を再定義する画期的な技術とバイオマテリアルの導入に尽力しています。
1 成分分解方法の一つで、物質が水と化学反応し分解する方法
2 セルロースを化学反応させた物質
<丸紅概要>
会社名 | :丸紅株式会社 |
本社所在地 | :東京都千代田区大手町一丁目4番2号 |
設立 | :1949年 |
代表者 | :柿木 真澄 |
事業内容 |
:ライフスタイル、情報ソリューション、食料、アグリ事業、フォレストプロダクツ、化学品、金属、エネルギー、電力、インフラプロジェクト、航空・船舶、金融・リース・不動産、建機・産機・モビリティ、次世代事業開発、次世代コーポレートディベロップメント、その他の広範な分野における、輸出入(外国間取引を含む)及び国内取引の他、各種サービス業務、内外事業投資や資源開発等
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ウェブサイト | :https://www.marubeni.com/jp/ |
<NBG概要>
会社名 | :Nordic Bioproducts Group Oy |
本社所在地 | :Tietotie 1, 02150 Espoo, Finland |
設立 | :2019年 |
代表者 | :Olli Kähkönen(CEO) |
事業内容 | :バイオマス製品、バイオシステム、循環型イノベーションを開発・商用化 |
ウェブサイト | :https://nordicbioproducts.fi/ |
以上