2023年

次世代蓄電技術を有するエストニア国Skeleton Technologiesへの追加資金拠出について

2023/07/10
丸紅株式会社

丸紅株式会社(以下、「丸紅」)は、ウルトラキャパシタ(*)の開発・製造事業を行うエストニア国Skeleton Technologies Group OÜ(以下、「Skeleton社」)へ、新しい次世代蓄電池「スーパーバッテリー」の量産工場建設のため、2023年6月に追加資金を拠出しました。

Skeleton社は、高出力かつ高速充放電が特長の蓄電デバイスであるウルトラキャパシタを供給する欧州最大のメーカーです。脱炭素社会の実現に向け、あらゆる産業分野で電動化の動きが広がる中、Skeleton社は、シーメンス社、ゼネラル・エレクトリック社、シェル社等、欧米を中心に主要な重電メーカーや自動車メーカー等からなる顧客基盤を拡大するとともに、事業拡大しています。

またSkeleton社は、独自の電極技術や材料を駆使することで、ウルトラキャパシタの特長を活かしつつ蓄電容量を高めた、「スーパーバッテリー」という次世代蓄電池の開発を行っています。既に複数の企業で試用が開始されており、鉱山運搬トラックの完全電動化を目指すシェル社と、大型電動ダンプトラックを開発中である他、再生可能エネルギーの拡大により需要の成長が見込まれる系統用蓄電池や、EV・ハイブリッド車、蓄電池電車、電動船等、様々な用途で顧客から引き合いを受けています。

シェル社と開発中の電動鉱山運搬トラック

ホンダCR-Vハイブリッドレーサー

(左:シェル社と開発中の電動鉱山運搬トラック、右:Skeleton社ウルトラキャパシタが搭載されたホンダCR-Vハイブリッドレーサー(写真:Larry Chen))

「スーパーバッテリー」は、長寿命、安全性、高出力や高速充放電に優位性を有することに加え、製造から廃棄までの製品ライフサイクルにおけるCO2排出量が他の蓄電池対比で少なく、環境負荷が低い画期的な蓄電池です。リチウムイオン電池や鉛蓄電池の代替用途、および新用途の開発ニーズに応えるべく、Skeleton社はスーパーバッテリーの量産工場を建設しており、2024年に稼働予定です。

丸紅は、2021年3月のSkeleton社への出資参画以降、戦略的パートナーとして、日本・韓国を中心としたアジアにおいて販売代理事業を実施する中で、自動車、輸送車両、電力、産業機器等、様々な産業分野にて「スーパーバッテリー」の強いニーズを確認しました。今般、Skeleton社には追加の資金拠出に加えて人材も派遣することで、グローバルでのマーケティング機能の提供等、更なる成長を後押ししていきます。

丸紅は、2022年2月に公表した中期経営戦略「GC2024」にてグリーン戦略を掲げ、「グリーン事業の強化」と「全事業のグリーン化推進」により、グリーンのトップランナーになることを目指しています。今後も、グリーン事業の価値創造を追求するとともに、「スーパーバッテリー」を広く社会に届け、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

(*)電気二重層キャパシタとも呼ばれる。内部抵抗が極めて低いことから、大電流による急速充放電が可能であり、百万サイクルの充放電に耐える長寿命を持ち、安全性の極めて高い蓄電デバイス。

<関連リリース>
2021年3月5日
次世代蓄電技術を有するエストニア国Skeleton Technologiesへの出資について
https://www.marubeni.com/jp/news/2021/release/00021.html

<Skeleton社概要>
会社名 : Skeleton Technologies Group OÜ
(スケルトン・テクノロジーズ・グループ)
本社所在地 : Sepise tn 7, Tallinn, Harju County 11415, Estonia
設立 : 2009年
代表者 : Taavi Madiberk, Chief Executive Officer
事業内容 : 蓄電デバイス開発・製造
ホームページ : https://www.skeletontech.com/

以 上

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