2023年

仙台市におけるAI・機械学習を用いた水道管路の更新最適化サービスの実施について

2023/06/22
丸紅株式会社

丸紅株式会社(以下、「丸紅」)は、仙台市水道局が公募した「水道管路アセットマネジメント検討業務委託」の受託者として選定され、2023年6月21日に契約を締結しました(以下、「本案件」)。丸紅は、仙台市が保有するすべての水道管路の老朽度や想定使用年数を評価し、今後の管路更新計画の立案をサポートします。

本案件は、丸紅の完全子会社であるポルトガルの上下水道事業会社AGS - Administração e Gestão de Sistemas de Salubridade, S.A.(以下、「AGS社」)のAI・機械学習を用いた管路更新最適化サービス「infrawise(インフラワイズ)」を活用して実施するもので、水道管1本1本に対して想定使用年数を評価し、その評価結果に基づいた長期的な管路更新需要や管路更新事業効果を分析する、日本初の取組みです。対象の水道管路は、日本の自治体向けに提供される同種のサービスにおいて日本最長となる約4,500kmに及びます。丸紅が行った日本国内における「infrawise」の実績より、AI・機械学習により水道管路の老朽度を評価し、管路更新計画に活用することで、単純に古い順に更新する場合と比べて2倍以上の水道管路の破損回避が期待されます。

【infrawiseにて水道管路の老朽度を見える化した画面】 【infrawiseにて水道管路の老朽度を見える化した画面】

日本では、高度経済成長期に集中投資した水道管路の老朽化に伴う漏水・破損等が発生しており、更新需要は今後ますます増大する見込みです。これまで日本の水道管路の想定使用年数は材質ごとに評価されていましたが、水道管1本1本の想定使用年数を評価し、その評価結果に基づいた長期的な管路更新需要や管路更新事業効果を分析することで、より効率的かつ効果的な管路更新を行うことができます。水道事業者にとって水道管路は資産の約7割を占めており、適切な管路更新は、良好な水道サービス提供の維持や有収率(*)の向上等により、水道事業運営の持続可能性を高めます。

丸紅は、AGS社を通じてポルトガルで長年にわたり水道事業を運営してきました。他にも、フィリピン、チリ等での上下水道運営事業や、サウジアラビア、チリでの海水淡水化事業を実施しており、合計約1,650万人に水道サービスを提供しています。今後も、日本で課題となる水道管路の適切な更新サポートをはじめ、持続可能な水道事業の運営に貢献していきます。

(*)水道事業者からの配水量と、料金として収入のあった水量との比率。

 

【本案件の概要】
業務委託名 : 水道管路アセットマネジメント検討業務委託
発注者 : 仙台市水道局
履行期間 : 2023年6月22日から2024年3月27日まで
対象管路距離 : 約4,500km
業務内容 : (1)管路の老朽度評価
(2)管路毎の想定使用年数の設定
(3)老朽化管路距離の見通し
(4)重要度評価及び更新優先度の評価
(5)更新需要見通し及び更新事業効果の算出
     
【AGS社概要】
会社名 : AGS - Administração e Gestão de Sistemas de Salubridade, S.A.
所在地 : ポルトガル/リスボン
代表者 : JOÃO FARIA FELICIANO Chief Executive Officer (CEO)
設立 : 1988年
事業内容 : ①ポルトガルおよびブラジルにおける傘下コンセッション・PPP事業管理
②上下水道O&M事業
③ソフトウェアの開発・販売、それに伴うコンサルティングサービスの提供
ホームページ : https://www.ags.pt/en

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以 上

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