丸紅株式会社（以下、「丸紅」）は、フィリピン共和国（以下、「フィリピン」）にて、フィリピン環境天然資源省（以下、「DENR」）、大手財閥グループDMCI Holdings Inc.の親会社であるDACON Corporation（以下、「DACON」）、およびフィリピン大学森林天然資源学部（以下、「UPLB」）と、森林再生を通じたカーボンクレジットプログラムの開発プロジェクト（以下、「本プロジェクト」）を推進することに合意し、覚書（以下、「MOU」）*を締結しました。フィリピンにて初めて産学官が協働し森林再生を通じたカーボンクレジットプログラムを開発する取り組みとなります。

フィリピンでは、20世紀初頭には国土の約7割を森林が占めていましたが、過剰伐採や農地転換等により、2020年時点では約2割にまで減少しています。森林の減少は、土砂崩れや洪水被害等、フィリピンが直面している自然災害リスクの主な要因と考えられており、森林再生が喫緊の課題となっています。

本プロジェクトでは、産学官が一体となり、フィリピン政府が掲げる環境保全と地球温暖化対策への寄与という社会公益性に加え、経済性も同時に実現することを目的としています。生物多様性の回復、地域コミュニティにおける雇用を創出し、森林による炭素吸収・固定を通じたカーボンクレジットプログラムの確立を目指します。今後、フィリピン・西ネグロス州での植林を通じた森林再生、およびカーボンクレジットプログラムの枠組みについて協議を進めていきます。

丸紅は、2021年3月に気候変動長期ビジョンを策定、中期経営戦略「GC2024」においてもグリーン戦略を企業価値向上に向けた基本方針の一つと位置付けています。インドネシア、豪州の2カ国で総事業面積約29万ヘクタール、その内約13万ヘクタールの植林面積（東京都の約6割の面積に相当）を管理し、植林事業を展開してきた知見やノウハウを本プロジェクトに活かし、森林資源の環境価値と経済価値を高め、人と森の力でサステナブルな未来を切り拓くことを目指します。

*MOU概要：以下2件のMOUを締結しました
パートナー	:	DENR、DACON
内容	:	本プロジェクトを通じた吸着系カーボンクレジット（JCM*¹もしくはボランタリークレジット*²）創出に関するMOU。
		*¹JCM：Joint Crediting Mechanism（二国間クレジット制度）
		*²ボランタリークレジット：民間の認証機関によるクレジット
パートナー	:	DACON、UPLB
内容	:	本プロジェクト推進に向けた事業性調査（F/S）に関するMOU。3者の知見を共有し、カーボンクレジット創出を目的とした森林再生方針および計画策定を行う。
＜DENR概要＞
名称	:	フィリピン環境天然資源省
		Department of Environment and Natural Resources
所在地	:	Metro Manila, the Philippines
設立	:	1917年1月
ホームページ	:	https://www.denr.gov.ph/
＜DACON概要＞
会社名	:	DACON Corporation
本社所在地	:	Metro Manila, the Philippines
設立	:	1995年4月
事業内容	:	大手財閥グループDMCI Holdings Inc.の親会社。
		DMCI Holdings Inc.は建設業、石炭・ニッケル鉱山業、発電事業、不動産開発業、パーム植林事業等を手掛ける。
		丸紅とは建設機械、不動産事業をはじめ多岐に渡り協業実績がある。
＜UPLB概要＞
名称	:	フィリピン大学森林天然資源学部*
		University of the Philippines Los Baños
		College of Forestry and Natural Resources
		*110年以上の歴史を有する森林研究の最高学府
所在地	:	Los Baños, the Philippines
設立	:	1909年3月
ホームページ	:	https://uplb.edu.ph/

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