2023年
EV用リチウムイオン廃電池のリサイクル事業への参画について
~米国Cirba社の株式取得~
2023/02/09
丸紅株式会社
丸紅株式会社(以下、「丸紅」)は、北米最大の廃電池リサイクル業者であるCirba Solutions, LLC(サーバ ソリューションズ)(以下、「Cirba社」)の株式を第三者割当増資引受けにより、50百万米ドルで取得しました。
Cirba社は、EV等に利用されるリチウムイオン電池(以下、「LiB」)をはじめ多種多様な廃電池のリサイクル事業を30年以上営んでおり、廃電池の回収から電池用希少金属再資源化まで、一貫した循環型サービスを提供しています。親会社であり環境サービス事業を営むThe Heritage Group(ザ ヘリテージ グループ)(以下、「THG」)と連携し、車載用、及びスマートフォン等に利用される民生用電池の回収を強化させています。
EVの急速な普及に伴い、LiBの廃電池(以下、「廃LiB」)発生量の急増が見込まれている事に加え、電池用希少金属の採掘に伴う環境負荷の問題から、廃LiBの適切なリサイクル処理と再利用が不可欠となります。また、脱炭素社会の実現に向け、自動車業界等のLiB生産における再生材料のニーズは益々増加していきます。
丸紅は、1985年から電池材料分野の原料トレーディングに携わってきました。脱炭素社会に向けた新たな取り組みとして、Cirba社と共同して廃LiBからニッケルやコバルト、リチウム等の希少金属を精製し、再生材料としてサプライチェーンに戻す循環型ビジネスを開発してきました。
Cirba社は既に米国政府から助成金の承認を受けており、今回の増資と併せてEV電池のClosed Loop Recycling(*)構築に向けた設備拡張を加速させます。丸紅は戦略的パートナーとして出資に応じ、廃LiBのリサイクル事業へ参画します。
丸紅は、中期経営戦略GC2024において、「グリーンのトップランナー」になることを目指しています。金属分野においては、脱炭素社会に必要不可欠な銅及びアルミニウムで世界トップクラスのグリーン事業及びグリーン化を推進しています。今回の出資により、THG及びCirba社との連携を強化し、LiBに必要な希少金属の再生材料を安定供給する事で、環境負荷低減による脱炭素社会の実現に貢献していきます。
(*)Closed Loop Recycling:生産時に発生した廃棄物、スクラップや、回収した使用済み製品を再び同種製品に活用する手法で、素材の持つ本来の性質を損なうことが無い形で同じ素材の原料として無限に循環利用されるリサイクル。
<会社概要> | |
会社名 | Cirba Solutions, LLC |
所在地(本社) | 米国・インディアナ州 |
代表者(CEO) | David Klanecky |
設立 | 1991年 |
事業内容 | 廃電池のリサイクル(回収、選別、診断、交換、破砕・分離処理)、廃電池由来の再生材の販売 |
HP | https://www.cirbasolutions.com/ |
以 上