2023年
丸紅、出光興産およびOPTCによるバイオマスPTAのサプライチェーン構築について
- ペットボトルなどの原料となるPET樹脂のバイオマス化に寄与 -
2023/12/21
丸紅株式会社
出光興産株式会社
Oriental Petrochemical (Taiwan) Co., Ltd.
丸紅株式会社(以下、「丸紅」)、出光興産株式会社(以下、「出光興産」)、Oriental Petrochemical (Taiwan) Co., Ltd.(以下、「OPTC」)の3社は、植物などを由来とするバイオマスナフサを原料とした、バイオマス高純度テレフタル酸※1(以下、「バイオマスPTA」)のサプライチェーンを構築することに合意しました。バイオマスPTAの製造は、台湾において2024年の開始を予定しており、台湾でのバイオマスPTAの製造は初めての事例です。
本サプライチェーンでは、出光興産がマスバランス方式※2にてバイオマスナフサからバイオマスパラキシレン※3(以下、「バイオマスPX」)を製造します。PET樹脂において世界有数の製造会社であるFar Eastern New Century Corporationのグループ会社で、PTAメーカーのOPTCがバイオマスPXを原料としてバイオマスPTAを製造します。丸紅は、サプライチェーン構築における全体のマネジメントやバイオマス製品のマーケティングを担います。
PET樹脂はペットボトルなどの原料となるプラスチックで、約70%のPTAと約30%のエチレングリコールで構成されています。バイオマスPTAとバイオマスエチレングリコールを使用することにより、100%バイオマス由来のPET樹脂の製造が可能となります。バイオマスエチレングリコールは既に普及しているバイオマスエタノールを原料とするため製造が進んでいますが、PTAのバイオマス化が課題となっていました。本サプライチェーンでは、PTAの原料であるPXをバイオマス化することでPET樹脂のバイオマス化に向けた課題を解決するとともに、CO2排出量の削減に寄与します。
バイオマスナフサは、植物を由来とする原材料などから製造されることから、石油由来のナフサと比べてCO2排出量を抑制することが可能です。出光興産が製造するバイオマスナフサ由来のバイオマスPXは、持続可能な製品であることを証明する国際認証「ISCC PLUS認証」※4を取得しています。またOPTCも、2024年に「ISCC PLUS認証」を取得予定です。
3社は、今回新たに構築したサプライチェーンを通して、プラスチック産業のCO2削減および低炭素社会の早期実現に貢献していきます。
※1 高純度テレフタル酸(PTA):芳香族カルボン酸の一つ。PTA(約70%)とエチレングリコール(約30%)を反応させることでポリエチレンテレフタラート(PET)が作られる。PET樹脂はポリエステル繊維やペットボトル用樹脂の原料となる。
※2 マスバランス方式:原料から製品への加工・流通工程において、ある特性を持った原料(例:バイオマス由来原料)がそうでない原料(例:石油由来原料)と混合される場合に、その特性を持った原料の投入量に応じて、製品の一部に対してその特性の割り当てを行う手法。複数の生産工程を経て製品化に至る化学産業では、サプライチェーンのバイオマス化を推進させる手段としてマスバランス方式が有効とされている。
※3 パラキシレン(PX):芳香族炭化水素の一つ。ポリエステル繊維やペットボトル用樹脂の原料となる高純度テレフタル酸(PTA)の原料として用いられる。
※4 ISCC PLUS(International Sustainability and Carbon Certification)認証:バイオマスなどの持続可能な原材料を用いた製品のサプライチェーンを管理・担保する国際的な制度、マスバランス方式の採用が認められている。
<丸紅概要>
会社名 | :丸紅株式会社 |
本社所在地 | :東京都千代田区大手町一丁目4番2号 |
設立 | :1949年 |
代表者 | :柿木 真澄 |
事業内容 |
:ライフスタイル、情報ソリューション、食料、アグリ事業、フォレストプロダクツ、化学品、金属、エネルギー、電力、インフラプロジェクト、航空・船舶、金融・リース・不動産、建機・産機・モビリティ、次世代事業開発、次世代コーポレートディベロップメント、その他分野における輸出入(外国間取引を含む)及び国内取引、各種サービス業務、内外事業投資や資源開発等の事業活動を多角的に展開しています。
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ウェブサイト | :https://www.marubeni.com/jp/ |
<出光興産概要>
会社名 | :出光興産株式会社 |
本社所在地 | :東京都千代田区大手町一丁目2番1号 |
設立 | :1940年(創業年:1911年) |
代表者 | :木藤 俊一 |
事業内容 |
:燃料油、石油化学、潤滑油、電子材料、電力・再生可能エネルギー、石油・ガス開発、石炭などの分野でグローバルに事業を展開しています。
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ウェブサイト | :https://www.idemitsu.com/jp/ |
<OPTC概要>
会社名 | :Oriental Petrochemical (Taiwan) Co., Ltd. |
本社所在地 | :台湾、桃園市觀音區觀音工業區經建四路47號 |
設立 | :1987年 |
代表者 | :Eric Chueh |
事業内容 |
:台湾最大のPTA製造能力を持つOPTCは、Far Eastern New Century Group (FENC Group)の1社であり、同グループ石油化学部門の中枢を担います。FENC Groupは台湾を代表するコングロマリット企業であり、石油化学をはじめ、化繊・紡織アパレル・セメント・ホテル・金融など、多角的に事業を展開しています。
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ウェブサイト | :http://pta-trade.com.tw/ |
以上