丸紅は、英国Vertical Aerospace社（以下、「Vertical社」）が開発・製造する空飛ぶクルマの機体“VX4”（以下、「VX4」）25機の購入予約権を取得しました。

丸紅は、空飛ぶクルマを活用した新規事業の創出を目的として、2021年9月、Vertical社と日本国内における市場調査や事業参画検討の共同実施に関する業務提携契約を締結し、運航ビジネスの実現に向けた検討やエコシステムの形成を進めてきました。2025年の運航事業実現を目指し、VX4を一早く日本市場へ導入すべく、今般、これまでに条件付きで予約注文することに合意していた最大 200 機のVX4の内25 機につき、一部機体代の支払いを実行し購入予約権を取得したものです。

Vertical社は、提携先である航空産業の主要プレイヤーが有する最先端の要素技術をベースにVX4の開発を進めており、2021 年 12 月にニューヨーク証券取引所に SPAC 上場(*1)を果たした他、航空業界のみならず幅広い業界からの資本調達に成功しています。1400機以上のVX4の仮予約受注実績を有し、2022年9月より本格的な有人での試験飛行を重ね、2025年の型式証明(*2)取得に向け業界をリードしています。

空飛ぶクルマは移動の迅速性と利便性を向上させる次世代モビリティとして世界中で注目を集めており、旅客・貨物輸送だけでなく、医療分野や観光業、電源設備や離発着場といったインフラ整備等、様々な領域から構成される裾野が広い産業に成⻑することが期待されています。2050年までに、世界の空飛ぶクルマ運航機数は16万1千機、その内アジア太平洋地域は51%を占めるとされています。

丸紅は、航空業界におけるネットワークや多角的な事業活動を通じて培ったノウハウを活用し、運航に必要なエコシステムの形成など日本における空飛ぶクルマの実装に向けた取り組みをVertical社と連携して推進し、空の移動がより安全で身近な社会を創造すると同時に、低炭素化・脱炭素化を含む気候変動対策に貢献します。

(*1) Special Purpose Acquisition Company（特別買収目的会社）として上場を行う事。
(*2) 機体の設計について国が審査・検査し、安全性及び環境適合性の基準を満たしていることを証明する制度。

＜Vertical社 会社概要＞

正式名称	Vertical Aerospace Group Ltd
事業内容	米 Honeywell International Inc. (アビオニクス)、英 Rolls-Royce Holdings plc (推進系)、台 E-One Moli EnergyCorp. (バッテリーセル)、英 GKN Aerospace Services Limited (翼製造)、伊 Leonardo S.p.A. (胴体製造)、白 Solvay (構造部材)、米 Microsoft Corporation (クラウド環境)と提携し、空飛ぶクルマの機体開発、製造、販売を行う。
設立	2016年
CEO	Stephen Fitzpatrick
本社所在地	Unit 1, Camwal Court, Chapel Street, Bristol, BS2 0UW, United Kingdom
WEBサイト	https://vertical-aerospace.com

以上