2021年
リチウムイオン電池の循環型ビジネス構築に係わる戦略的パートナーシップ契約締結について
2021/02/17
丸紅株式会社
Retriev Technologies Inc.
丸紅株式会社(以下、「丸紅」)と、北米最大手電池リサイクル業者であるRetriev Technologies Inc.(以下、「Retriev社」)は、リチウムイオン電池(以下、「LiB」)のリサイクルに関する事業開発に係わる戦略的パートナーシップ契約を締結しました。今後、LiBの廃電池(以下、「廃LiB」)からコバルトやニッケルを精製し、電池材料分野向けに活用するビジネス(以下、「本事業」)を共同で開発していきます。
Retriev社は、北米における電池リサイクル業界の先駆者であり、Retriev社の廃LiBの処理量は北米最大規模です。民生用及び車載用の廃LiBを集荷、破砕や分離の処理を施し、有価金属を回収・販売しています。丸紅は、1985年にザンビアのコバルト生産者の対日向け独占販売権を取得後、電池材料分野の原料トレーディングに携わってきました。Retriev社と丸紅は、民生用及び車載用LiBの原料となる硫酸塩(*1)や前駆体(*2)、正極材の製造を目的として、その分野での技術的知識と専門性を持ち合わせている化学メーカーとも協力しつつ本事業を進めていきます。
EV需要の急速な拡大に伴い、廃LiBの発生量は今後増加していくことが見込まれ、廃LiBの適切なリサイクル処理と再利用は社会課題の一つとなっています。本事業は、Battery to BatteryのClosed Loop Recycling(*3)のビジネスモデル構築を目指し、社会課題の解決に貢献するものです。
(*1)硫酸塩:硫酸イオンを含む無機化合物の総称。LiBの原料となる硫酸塩は、硫酸コバルトや硫酸ニッケルなど。
(*2)前駆体:ある化学物質についてその物質が生成される前の段階の物質のこと。電池材料分野では正極材に焼成する前の物質を意味する。
(*3)Closed Loop Recycling:生産時に発生した廃棄物、スクラップや、回収した使用済み製品を再び同種製品に活用する手法で、素材の持つ本来性質を損なうことが無い形で同じ素材の原料として無限に循環利用されるリサイクル。新たに投入される天然資源消費量の削減や、それに伴う環境負荷物質排出量の低減、廃棄物の削減が図られる。
以 上
<会社概要> | |
会社名 | 丸紅株式会社 |
所在地 | 東京都中央区日本橋2丁目7番1号 東京日本橋タワー |
代表取締役社長 | 柿木 真澄 |
設立 | 1949年 |
事業内容 | 国内外のネットワークを通じて、ライフスタイル、情報・不動産、フォレストプロダクツ、食料、アグリ事業、化学品、 エネルギー、金属、電力、インフラプロジェクト、航空・船舶、金融・リース事業、建機・産機・モビリティ、次世代事業開発、 その他の広範な分野において、輸出入(外国間取引を含む)及び国内取引の他、各種サービス業務、内外事業投資や資源開発等 |
HP | https://www.marubeni.com/jp/ |
会社名 | Retriev Technologies Inc.(リトリブ テクノロジー) |
所在地(本社) | 米国・オハイオ州 |
所在地(工場) | カナダ・ブリティッシュコロンビア州(1工場) 米国・オハイオ州(2工場) |
代表者(CEO) | Steve Kinsbursky |
設立 | 1992年 |
事業内容 | 廃電池リサイクル・廃電池由来の原材料販売 |
HP | https://www.retrievtech.com/ |