2021年

タイにおける発電資産最適化事業の実証運転開始について
~IoT・AI技術を活用した温室効果ガス排出量削減による気候変動対策への貢献~

2021/05/18
丸紅株式会社

丸紅は、タイ王国発電公社が保有するマエモ火力発電所11・13号機を対象に、2020年1月に発電資産最適化の実証事業(以下、「本実証事業」)に着手しましたが、今般、その導入及び調整作業が完了し、2021年3月から実証運転を開始しました。

本実証事業は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が2018年より実施している「民間主導による低炭素技術普及促進事業」の戦略的案件組成調査、実証前調査を経て丸紅が実施しているものです。

本実証事業では、自社開発したソリューションと共に複数の他社ソリューションを合わせて提供する事で発電資産最適化を図っています。各ソリューションがIoTを活用してリアルタイムで取得する発電所の運転データをもとにAI・ビックデータ解析することで発電効率改善と信頼性向上を目指します。今後2年間の実証運転を通してその有効性を確認していく計画です。また、二国間クレジット制度活用による日本とタイ両国の温室効果ガス排出量削減を目指します。

丸紅は、本実証事業で得られる経験を活かし、これからも電力設備のデジタルトランスフォーメーションや環境負荷低減に広く取り組んでいきます。

二国間クレジット制度: JCMパートナー国において、日本企業が現地企業などと協力してプロジェクトを実施し、日本の貢献を定量的に評価するとともに、CO2の削減分を日本の目標達成に活用する制度。

 

本実証事業の概要

実証期間 2020年1月~2023年2月末
■ 導入・据付:2020年1月~2021年2月
■ 運転・検証:2021年3月~2023年2月
委託者 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
事業者 丸紅株式会社
実証場所 タイ王国マエモ火力発電所11・13号機(発電設備容量各300MW)
実証内容 以下3つのソリューションを導入し、有効性を確認する。
■ 熱効率最適化ソリューション:各機器の効率および劣化度合いを解析することで各機器の性能回復に必要な技術指導を行い、発電所全体の効率回復を図る。
■ ボイラー燃焼最適化ソリューション:AIアルゴリズムがボイラーの燃焼および運転の改善(ボイラーなどに灰が付着するのを防ぐ煤除去装置運用の最適化含む)を図る。
■ 異常検知ソリューション:AIアルゴリズムによる発電所機器の運転状況のビッグデータ分析により、故障・事故発生前に異常を検知・分析する。
熱効率最適化ソリューションにおける発電所運転データの監視図 熱効率最適化ソリューションにおける発電所運転データの監視図

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