2021年

丸紅ベンチャーズ、データ処理の高速化システムを開発するNeuroBladeに出資
演算回路を集積した専用メモリを利用しデータ転送のボトルネックを解消【丸紅ベンチャーズ】

2021/10/07
丸紅株式会社

丸紅ベンチャーズ株式会社(以下、「丸紅ベンチャーズ」)は、データセンター向けに次世代のデータ処理システムを開発するイスラエルのNeuroBlade(本社:テルアビブ、Co-Founder & CEO:Elad Sity)に、Intel CapitalやMediaTekなどと共に出資しました。「丸紅ベンチャーズが投資家として加わったことで、日本市場の開拓を進められることを心強く思っています」(Co-Founder&CEOのElad Sity氏)。

NeuroBlade

NeuroBladeが開発するデータ処理システムは、専用の演算回路を集積したメモリ「XRAM」を利用することで、データ転送のボトルネックを解消することを特徴としています。こうした仕組みはPIM(processing-in-memory)と呼ばれ、研究分野では長年提唱されてきました。NeuroBladeはこの仕組みを実現するXRAMの商用化に成功し、検索クエリなどを扱うデータ処理分野に向けて、XRAMを搭載した専用アプライアンスとその上で動作するソフトウエアを組み合わせたシステムとして提供を開始します。このシステムはデータセンターなどに設置したサーバーにおいてCPUと連携し、データ処理のアクセラレーターとして機能します。

NeuroBladeは、世界中の最先端の顧客やパートナーに対してシステムの提供をすでに開始しています。これらのシステムは世界最大規模のデータセンターで稼働する予定です。「コンピュータ・アーキテクチャの新しい構成要素となる我々のシステムを導入することで、企業は社会が直面する重要な問題に迅速に答え、ビジネスチャンスを大幅に改善することが可能になると期待しています。既存のシステムに比べて100倍以上もデータの処理と分析を高速化できるためです」(Co−Founder&CEOのElad Sity氏)。

データ処理を行う既存のシステムでは、外部記憶装置、メモリ、CPUの間でデータを高頻度に転送する必要があり、これが検索クエリなどのアプリケーションの実行時に、性能低下やレスポンスタイムの増大の主な原因になっています。NeuroBladeは、こうした現在のアーキテクチャでは爆発的に増大するデータ分析のニーズに対応できないことを認識し、データ転送の必要性を排除することでデータ分析の性能を大幅に高速化する今回のシステムを開発しました。

丸紅ベンチャーズは、今回の出資を通じて、NeuroBlade社の事業拡大を支援していきます。

NeuroBlade_CEO_CTO NeuroBlade CEOのElad Sity氏(右)とCTOのEliad Hillel氏(左)

NeuroBladeについて
本社:イスラエル(テルアビブ)
URL:https://www.neuroblade.com/
Co-Founder & CEO:Elad Sity
投資家:Grove Ventures, Intel Capital, StageOne, MediaTek, Discount Capital, PSMC他

NeuroBladeは、データ処理をメモリの制約から解放することで、顧客企業が、ビッグデータが内包するインサイトに到達するまでの時間を短縮できるようにすることを目標として、2018年に設立されました。Intel、Marvell、TIなどの企業においてシステム開発および半導体設計で経験を積んだチームが率いるNeuroBladeは、クエリ処理速度の業界基準を引き上げるべく、Intel CapitalやMediaTekなどの多数の一流VCや戦略的投資家から投資を受けています。

 

丸紅ベンチャーズについて
丸紅ベンチャーズは、丸紅株式会社のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)として、2019 年6⽉の設⽴以来、既存の枠組みを超えるイノベーションの促進と新事業創出を⽬的として、アーリーステージのスタートアップ企業を中⼼に国内外で投資活動を⾏なっています(URL:https://www.marubeni-ventures.com)。

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