2020年
2020年度新入社員入社にあたって
2020/04/01
丸紅株式会社
本日115名の新入社員が入社しました。新型コロナウイルスの影響により、入社式を延期し、新入社員も他の社員と同様、本日より在宅勤務とし、新入社員研修は動画配信による講義等で実施します。研修に先立ち、社長から新入社員に対し、以下のメッセージを動画配信しました。
社長メッセージ
皆さん、おはようございます。役員・社員を代表して、皆さんの入社を歓迎します。
本来であれば、皆さんと一堂に会し、直接メッセージを伝えたかったのですが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響にともない、動画を通じてメッセージをお届けすることにしました。皆さん、社会人の第一歩として出社し、仲間と顔を合わせることを楽しみにされていたと思いますが、ご自宅や寮から視聴頂くかたちとなりましたこと、ご了承ください。また別の機会にあらためてお会いできることを楽しみにしつつ、今から歓迎のメッセージをお伝えしたいと思います。
最初に、新型コロナウイルス感染症の対応について、お話ししたいと思います。
国内外において罹患者が依然増加傾向にあるなか、国を挙げての対応が求められており、当社においても感染防止の観点から、原則在宅勤務、出張やイベントの開催・参加の原則中止または延期などの対応をとっています。新型コロナウイルス感染症による経済活動の停滞、株価や原油価格の下落、為替の乱高下等により、世界経済は一気に危機モードに突入し、感染拡大が長引くようなら世界経済の展望も大きく変わってしまう可能性があります。
当社ビジネスへの影響も例外ではありません。
既に報道などでご存知と思いますが、巨額の減損損失等の発生を見込んで2019年度の業績見通しを下方修正し、▲1,900億円の赤字決算となる見通しです。将来の懸念を払しょくして、成長戦略の実行に専念していくためにも、今年度以降へ不安要素をなるべく持ち越さない規模での減損見込みとなったわけです。
ビジネスの先行きが見通せない危機モードの中でも、地に足をつけて、やるべきことを着実に実行していくこと、そして、今後市場が落ち着いた後、より良い結果につなげていくよう、全社一丸となって取り組む必要があります。
皆さんも、入社式や新人研修を一堂に会して行えないことや、配属後の勤務形態も見通せない中で、不安を感じている人もいるかもしれませんが、こうした不安定な環境下でもチャンスを見出し、成長し、活躍することができる人財を採用しているつもりです。そう前向きに捉えて、皆で力を合わせて乗り越えていきましょう。
次に、皆さんに心掛けてもらいたいことをお話しします。これは私が昨年4月に社長に就任した時から、繰り返し、社員の皆さんにお願いしてきたことですので、今回も、皆さんへの激励のメッセージとして、お伝えします。それは「チャレンジを大事にする」、「スピード感をもって行動する」、そして、「現場を大事にする」の3つです。
まず1つ目は、「チャレンジを大事にする」。永遠のビジネスモデルは存在しません。同じビジネスモデルだけでは、丸紅は勝ち続けることはできません。失敗を恐れず、どんどんチャレンジしてほしい。もちろん、最初は地道なビジネス提案とか業務改善策の提示でも結構だと思います。私はもちろん、皆さんの上司はチャレンジを大事にする環境を用意することを約束します。
現在のように、不確実な時代の中では、リスクや脅威の側面が強調されがちですが、リスクがあるのはよいこと、それだけチャンスもあると、是非前向きに考えてください。また、リスクは避けるものではなくmanageするものであることも忘れないで頂きたいと思います。
新しい時代です。この道のプロであるとか、経験があるとかいう自負はたいして役にたたないでしょう。それよりも、やったことのないことに挑戦するマインド、まだないものを嗅ぎとる力やセンスを磨いてください。
2つ目は、「スピード感をもって行動する」ことです。
ここ数年、経済も、技術も、政治状況も、地球全体のレベルで急ピッチに変化しています。そしてこのいまだかつて経験したことのない危機が世界を襲っています。こうした変化や危機の中で、世の中の新しいギャップが生まれてくると思います。ギャップとは、見えにくい未来と現在の間のギャップ、社会課題です。
私は「商社とは世の中のギャップを埋め続ける永遠のパートナー」だと考えています。
世の中の動きや、様々なアイディアをしっかりキャッチし、分析し、時機を逸することなく、スピード感をもって実行することが大切です。
入社したばかりとはいえ、皆さんは丸紅の社員です。
世の中の社会課題、価値観の変化に対して、真剣に向き合い、勇気を出して一歩先に踏み出すことで、これまでの常識を乗り越えて、自ら将来を切り開く。そして更なる高みを目指す。丸紅に求められる在り方を、皆さん一人ひとりにも目指してほしいと思います。
3つ目は、「現場を大事にする」。
まず、自ら現場に赴いて、顧客の話に耳を傾け、そして社会・マーケットの課題を掴んでほしい。現場で何が起きているのか、現場の本当の課題は何かを、常に五感を研ぎ澄ませて感じてほしい。
まずは、配属になった部署で、日々、ワクワクしながら、好奇心をもって、目の前の仕事に取り組んでほしいと思います。
そして、他の本部・部がどんなことに取り組んでいるのかも、興味をもっていただきたいと思います。現状の商品軸にとらわれない新しいビジネスモデルを作り上げるヒントが必ずあり、そしてそれが組織の壁を越えるGlobal crossvalue platformの第一歩につながっていくでしょう。
最後に、私は、社員と話すときには一人ひとりの顔をじっとみつめます。つまらなそうな顔をしている社員がいると、気になって仕方がない。「なにがそんなにつまんないの?」と尋ねたくなってしまいます。ワクワク感、好奇心がない人は、私にとって必要ありません。なぜならば丸紅社員がつまらなそうな顔をしていたら、お客様も一緒に仕事をしたいとは思わないでしょう。
おもしろきこともなき世をおもしろく――私の座右の銘です。私のところに話しにくるときには、笑顔で来てください、いつもそう思っています。
私は、皆さんが前向きに挑戦し、活躍できる場をつくります。
とがった丸になれ、丸紅。みなさんの挑戦と、ワクワクする気持ちを、歓迎します。みんなで冒険しましょう!
入社おめでとうございます。
以 上