2019年

AIを応用した医用画像診断システムを開発する米国・Enlitic社への出資および日本市場向けビジネスの独占的業務提携について

2019/01/07
丸紅株式会社

丸紅株式会社(以下、「丸紅」)は、Enlitic, Inc.(以下、「Enlitic社」)が行う第三者割当増資を引き受けることを決定し、2018年12月に独占的業務提携契約(以下、「本提携」)を締結しました。本提携により、Enlitic社が開発する人工知能(AI)を応用した医用画像診断システム(以下、「本システム」)を日本市場向けに開発・販売していきます。

Enlitic社が開発する本システムは、AI関連技術であるDeep-Learning(深層学習)を医用データに応用し、画像診断(X線、CTスキャン、MRI等)による悪性腫瘍等の疾患を、医師が正確かつ早期に発見するためのサポートシステムです。Enlitic社は、病院での画像診断において最も多く使用されており、診断の見落としが多いとされている胸部X線画像について、優先して開発を進めています。Enlitic社に蓄積された画像データは1,000万症例に上り、世界最高レベルのデータ数であり、高い検出精度が期待されます。また、頭部や胸部のCTスキャン画像、マンモグラフィー画像用の診断システムも平行して開発を進めています。

医療を取り巻く環境では、少子高齢化社会の到来により、病院にて撮影された画像を診断する放射線科医が不足しており、医師の負担が増加しているという課題があります。本システムは、画像診断の効率化による医師不足の解消や、診断精度向上による早期検知や誤診削減のサポートを可能にする役割が期待されています。

AIを活用した画像診断をはじめとするデジタルヘルス(*)分野は、2020年に世界で1,000億ドル以上の市場規模に達することが予測されています。デジタルヘルスケアのプラットフォームが日本国内に構築されることで、AIによる総合診断支援サービスの実施、国内医療データの蓄積・管理や遠隔地域および過疎地域の画像診断サービスを行うことが可能となります。

丸紅は、2017年4月1日に新設した「IoT・ビッグデータ戦略室」を2018年4月1日より「デジタル・イノベーション部」と改組し、デジタル技術の活用による新たなビジネスモデルの創造を推進しています。デジタルヘルスケア社会の到来に向け、多くの医療用AIの技術パートナーと協業し、将来のAI医療を用いた予防・診断システムの構築を通じて、日本のデジタルヘルスケア分野の発展に貢献していきます。 

(*)AIやその他の先端技術を活用したヘルスケアの新製品・サービス

【Enlitic社概要】    
会社名 Enlitic, Inc.(エンリティック社)
本社 米国カリフォルニア州サンフランシスコ
設立 2014年
事業内容 AI技術を活用した画像診断システムの開発、およびサービス提供
URL https://www.enlitic.com/

 

以 上

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