2019年

2019年 社長年頭挨拶

2019/01/04
丸紅株式会社

本日9時より東京本社で行われました、当社社長國分文也による年頭挨拶を下記の通りお知らせします。

 

 

1.はじめに

新年明けましておめでとうございます。「平成」から新しい元号へ改元が予定される本年に、当社も1949年の丸紅株式会社設立後、70周年目の節目を迎えます。

昨年この場で、「既存の枠組み、商社の枠組みを超える商社」とする出発の年にしたいと申し上げ、「超える」ための様々な取り組みを始めました。
そして、新しい丸紅グループの在り姿として「グローバル クロスバリュー プラットフォーム」を公表し、その実現へ向けて、あらゆる壁を超えるための施策に取り組んでいます。

例えば、当社の全てのビジネスモデルを可視化し、ビジネスモデルキャンバスとして全社員と共有。今後も毎年続けていくビジネスプランコンテストの第一回目、「ビジコン2018」を開催し、160もの新たなビジネスモデルや掛け合わせのアイデアが皆さんから出てきました。これには、単体の社員のみならず、事業会社、海外の現地法人、支店等からも、多数の応募がありました。

組織を超え、国境を超え、年齢を超えた多様な人材が、既存の総合商社を「超える」ために、行動しはじめた、これらは、丸紅グループにとって新しい変化です。様々なバックグラウンドを持つ4万人を超すグループ社員がアイデアを生み出す「多様性」の力は、力強く、また大きな潜在力を秘めています。社員一人ひとりの夢、志、行動への意思は丸紅グループの未来を築くエネルギーだと思います。

まだまだ、「超える」ための施策への取組みを始めたばかりですが、社員の皆さんと一緒に、最初の一歩を踏み出すことができたと実感できた2018年でした。社内の雰囲気、マインドセットが徐々に変わっている手ごたえを感じています。今の丸紅には将来を見据えた変革へのモメンタム(勢い、流れ)があります。今年はこのモメンタムを加速させ、「超える」取り組みを更にもう一段ギアをあげて実行する年としたい。これが2019年の私の決意です。

今年の言葉も、これを選びました。2018年と同じ言葉です。「超える」ための挑戦を継続します。
2019年の大きなポイントは、二つあります。

一つは、10年後に爆発的な成長を実現し得る新たなビジネスモデルの創出です。たとえ次の数年間を費やしたとしても長期的には丸紅を支える事業になる。しかも丸紅だからこそのオリジナリティがある。そういうビジネスモデルを2019年は複数創出したい。

もう一つは、中期的な持続的成長を支える既存の事業領域の更なる強化です。営業本部ごとの在り姿・戦略に沿って夫々の既存の事業領域をさらに強くしていきたい。戦略、プランは既にできており、あとは実行あるのみです。

この二つは、在り姿「グローバル クロスバリュー プラットフォーム」として唱えてきた「タテの進化」と「ヨコの拡張」です。持続的な成長を牽引するタテの進化と長期的な爆発的成長を生み出すヨコの拡張、このタテの進化とヨコの拡張のハイブリッドで「既存の枠組み、商社の枠組みを超える商社」に挑戦していく、それが2019年のテーマです。

2.当社を取り巻く経営環境

ここで、当社を取り巻く経営環境についてお話したいと思います。

私たちは今、非連続且つ大きな変化が続く不確実な時代の真っ只中にいます。

昨年来、株式市場、商品市況や為替市場も大きく荒い動きをしています。急激な変化が継続する兆しは年始にかけても散見され、今後も全く予断を許さない状況にあります。

国際社会の秩序の変化、産業構造の変化やそれを支える技術の飛躍的進歩、ESGに対する姿勢など、我々を取り巻く経営環境が大きく変化しています。
その中で、今年、注目すべきポイントは5つ:

  •  米国、特に米中摩擦に代表される、トランプ政権下でのあらゆる政策の影響、ここまで好調だった世界経済の牽引役である米国経済が今後変調をきたすかどうか。
  •  中国、米中貿易戦争のダメージをまず受けるであろう中国経済が、減速するかどうか。
  •  米中、貿易分野以外で、一層激化している先端技術・データ戦争の広がり、これは非常に根の深い問題です。
  •  欧州、ドイツ、フランス、イタリアなど政治・経済に不安をかかえる欧州各国の動向、その中で特にBREXITの先行き。
  •  中東、サウジアラビア、イラン等を巡る中東情勢です。

これ以外にも、金融情勢も大きなポイントです。従来から繰り返し申し上げてきていることですが、各国の金融緩和政策の転換、国際的な金融規制強化の流れは、将来的には当社の資金調達にも大きな影響を及ぼす可能性があります。これまでの様に、低利の資金がいつでも手に入るという考え方が通用しなくなり、厳しい金融環境でも高い付加価値を生み出すビジネスモデルへの進化が必要とされています。

これらの非連続の大きな変化を機会と捉えて成長できるか、変化の脅威に晒されるのか、丸紅グループにとり正念場です。短期的な、急激な変化に振り回されることなく、中長期の視点をしっかりと持って、複数のシナリオを冷静に分析し、戦略に沿って、これまでどおり、自分たちがやるべき事を一つ一つきっちりと積み重ねる事が重要です。

特に、こうした大きな環境変化に対峙するためには、丸紅グループを一つのプラットフォームと捉えた上で、オール丸紅の総合力を徹底的に引き出しつつ、新興企業のような機動力や柔軟性を追求していくことが必要となります。

3.従来の総合商社を「超える」に向かって

昨年策定した丸紅グループの新しい在り姿「グローバル クロスバリュー プラットフォーム」は、事業間、社内外、国境、あらゆる壁を突き破り、タテの進化とヨコの拡張により新たな価値を創出する、丸紅グループが目指す姿です。

在り姿の実現にむけて、既に私たちは少しずつですが着実に前進しています。

今年は中期経営計画GC2018の最終年度ですが、将来の成長に向けた土台を着実に固めつつあるということを実感しています。最優先課題である財務基盤の強化は目に見える成果が出ており、B/Sの強化は予想以上のペースで進んでいます。一方、利益面でも昨年度は史上最高益の連結純利益となる2113億円を達成、更に今年度は、史上最高益を再び更新する見通しです。また、2018年度第2四半期決算において、株主資本は初めて2兆円を超えました。

そして、経営と営業本部が向かうべき在り姿・戦略を共有し、タテの進化へ邁進していく形が動き始めています。2017年度に時間をかけて策定した営業本部毎の在り姿や戦略が浸透してきたと実感しています。

さらに、ヨコの拡張への取組みです。2018年度は営業本部起点で異なる事業間の掛け合わせプロジェクトが具体的に複数創出されています。商品の壁、組織の壁を越えるヨコの拡張への取組みが始動しています。

― 財務基盤の強化、事業戦略の強化、壁を突き破るヨコの取組み ― 私たちは幾つもの壁を超えはじめています。このモメンタムを今年はもっと加速していきたいと考えています。

社員の皆さんには、過去の自分を超え、2019年は何を超えて行くのか、個々の目標を再設定し、その実現に向けた一歩を踏み出して頂きたい。一人一人が新たな目標にむけて新たな壁を超えていくこと、その努力の結集が原動力となり、中期的な持続的成長と長期的な爆発的成長に繋がってゆく、そう確信しています。

4.おわりに

最後になりますが、この1年、皆さん、健康にはくれぐれも留意し、元気に活躍されることを期待しています。皆さんと皆さんのご家族のご健勝とご活躍を祈念し、私の新年の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

 

以 上

nenshiaisatsu2019

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