2015年

2015年 社長年頭挨拶

2015/01/05
丸紅株式会社

本日9時より東京本社16階講堂で行われました、当社社長國分文也による年頭挨拶を下記の通りお知らせします。

                          記

 

新年明けましておめでとうございます。

今年の干支は「乙未(きのとひつじ)」です。
“乙(きのと)”とは、地表に出た草木の芽が、そのまま真っ直ぐに伸びていけず、曲がりくねった形になりながらも上へ向かって成長するという意味だそうです。今年はまさに、先の見通しが立ちづらい、抵抗が強く一筋縄ではいかない年になると思われますが、丸紅グループにとっては、そんな中でも今年の干支の通り、成長に向かってしっかりと進んでいく、そういう年にしたいと考えています。

それでは、2015年の仕事始めを迎えるにあたり、世界の丸紅グループの皆さんに向けて、新年の挨拶を申し上げます。


1. 2015年の経済環境
まず日本ですが、今年は、1990年の株価急落で始まったバブル崩壊からちょうど25年、4半世紀という節目の年となります。昨年12月に第三次安倍政権が発足しましたが、これまで進められてきたアベノミクスが、果たしてこの節目の年に大きな前進をみせることができるか、注目されるところです。とりわけ、第3の矢である成長戦略、農業や医療、雇用などの規制緩和を中心に、痛みを伴う構造改革まで踏み込めるかどうかに注目しています。

一方、グローバル経済は潮目が変わり、あらたな局面に入ったと見ています。全体観を一言でいえば、経済が好調で一人勝ちの米国、その一方で、景気低迷から更なる金融緩和も想定される欧州、当面は金融緩和を続けざるを得ない日本。また、新興国では、景気が減速しており、更に今後は少子高齢化の進行が重石となる中国、資源安の影響を大きく受けるロシア、ブラジルということになろうかと思います。

潮目が変化するなかで、今年は当社にとって、変化への対応力が問われる年となるでしょう。


2. 中期経営計画Global Challenge 2015(GC2015)
今年はGC2015の最終年度を迎える重要な年となります。
ビジネスの環境が変化する中にあっても、GC2015で我々がやるべきことは同じです。すなわち、我々はまだまだチャレンジャーとして成長していかなければならないということです。そして、成長を実現するためには、「新規投資」に加えて、「資産の優良化」を一層推進していく必要があると考えています。

ポイントは二つあります。一つは、既に投資した案件を如何にして成長軌道に乗せるかということです。M&Aは買って終わりということでは決してなく、むしろ買収後の方が何倍も重要です。事業計画通りにいっていない案件は、その原因を徹底的に分析し、対策を講じて下さい。また事業計画通りに進捗している案件については、更なる成長への布石を打って下さい。

もう一つは、既存ビジネスを良くすることです。言い換えれば、皆さんが日常的に取り組んでいる仕事を少しでも良くする、改善させるということです。ルーティン化しがちな仕事を昨日より今日、今日より明日と新しく変えていこうとするマインドセットを持って、日々の業務にあたって頂きたいと思います。皆さん一人ひとりが、こうした努力を積み重ねることによって、当社の収益力は劇的に改善すると確信しています。


3.皆さんに心掛けて頂きたいこと
1) オーナーシップの意識と現場力
1つ目は、オーナーシップの意識を持って欲しいということです。何かをやり遂げるためには、それが「自分の仕事」、「自分がやらなければいけない課題」とする、オーナーシップの意識が不可欠です。当社にとって最も重要だと考える現場力の原点も、このオーナーシップの意識にあると思います。前線に身を置く皆さんが、自分の意思を持って、市場や顧客と対峙するからこそ、ソリューションは生まれるのだと思います。変化の激しい時代だからこそ、現場の皆さんが自らオーナーとして考え、行動することが極めて重要です。

2)皆さんと経営との信頼関係
2つ目は、皆さんと経営との関係についてです。
私は常々、皆さんと経営との信頼関係は、どちらか一方からではなく、お互いがやるべきこと、コミットメントを果たすことによって、築き上られるものだと思っています。すなわち、経営は皆さんが働きやすい環境を約束し、皆さんには、その環境のもとで、最大限のパフォーマンスを発揮していただく、そしてそれぞれが自分の結果、コミットメントに対して責任を持つ、そうした緊張関係が重要だと考えています。

3) コンプライアンス
最後に、コンプライアンスについてです。インドネシア・タラハン案件に関連して、当社は、昨年3月26日からの9ヶ月間、JICA・外務省による円借・無償案件への入札資格停止処分を受けましたが、昨年12月25日をもってこの措置期間が終了しました。
本件で、我々が失ったものは非常に大きく、このタラハン案件を教訓として、あらためて、コンプライアンス遵守を徹底し、お客様をはじめとしたステークホルダーの方々の信頼回復に努めていくことが重要です。


4. 最後に
繰り返しになりますが、今年は当社にとって、GC2015の最終年度を迎える重要な年です。GC2015で掲げる目標に向かって、我々がやらなければならないことを皆さんと一緒に、着実に実行していきたいと考えています。そして、変化をチャンスと捉え、新しいことにも果敢に挑戦していきたいと思います。

この壇上にある書は、「丸紅スピリット」の一つ、「挑戦者たれ」からとった、“挑(いどむ)”という文字です。これは、丸紅の書道部の顧問を長年引き受けて頂いており、また私が懇意にしている有名な書家の岩井笙韻先生に揮毫頂いたものですが、この生き生きとした書のように今年も、挑戦者としての気持ちを忘れずに、全社一丸となって更なる高みを目指していきましょう。

最後になりますが、この1年、皆さん、健康にはくれぐれも留意され、元気に活躍されることを期待しています。そして何よりも、明るく、楽しく、仕事をしていきましょう。暗い、笑顔の無い職場からは、絶対に良いアイデアは生まれませんし、良い仕事は出来ません。キーワードは“明るく、楽しく、朗らかに”です。緊張感の中にも笑顔のたえない、活気あふれる職場でありたいと思います。


皆さんと皆さんのご家族のご健勝とご活躍を祈念し、私の新年の挨拶とさせて頂きます。有難うございました。

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以 上

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