取締役会議長メッセージ
当社は2026年6月の定時株主総会の決議により、「指名委員会等設置会社」へ移行いたしました。本稿では、その背景にある当社のガバナンスの進化と取締役会の実効性についてお伝えいたします。
今回の機関設計変更は、一朝一夕にガバナンスの形式だけを変えたものではありません。当社はこれまでも取締役会において社外取締役を過半数とし、任意に設置していた指名委員会およびガバナンス・報酬委員会の委員長および委員の過半数を社外役員とするなど、モニタリングボードを志向し、実効性の高いガバナンス体制の整備を進めてまいりました。また、オフサイトの場なども活用しながら、中長期の経営方針や戦略、ガバナンスなどを自由闊達に議論する取締役会の風土を育んできました。この風土の根底にあるのは、社是「正・新・和」の精神です。特に「和」には、相反する見方に対峙し、異見を融合し、新たな高みを目指す信念が込められています。
このような当社取締役会の実効性を象徴するエピソードがあります。実は今回の機関設計変更にあたり、当初は監査等委員会設置会社への移行も候補として検討していました。しかし、取締役会と経営陣とで議論を深める中で、複数の社外取締役から、「更なる成長を見据えるならば、指名委員会等設置会社が当社にとっての最適なガバナンス体制ではないか」といった意見が提起されました。これを受けて多角的な視点から更に議論を重ねた結果、執行と監督の分離をより明確にし、機動的な意思決定と実効性の高い監督機能を両立させるため、指名委員会等設置会社への移行を決断いたしました。
社内外の垣根を越えて活発に意見を交わし、より良い結論へと磨き上げていく――このプロセスこそが、当社取締役会の高い実効性を示すものであると考えています。移行後の新体制では、社外取締役が主導する指名・監査・報酬の3委員会がそれぞれ法定の権限を持つことで、経営の透明性と客観性を更に高めてまいります。また、取締役会としては、経営の大きな方向性の提示と執行の監督に一層注力するとともに、執行役への適切な権限委譲を通じて、変化の激しい事業環境下においても、経営陣がより迅速かつ果断に変革を実践できる体制づくりに努めます。
多種多様な商材・商流から成り立つ複雑なビジネスモデルを有する当社において、取締役会での活発な議論を推進するためには事業への深い理解が欠かせません。そのため当社では、執行経験からビジネスの機微を熟知し、執行役を兼ねない取締役会長として、監督に専念する私が取締役会の議長を務めています。今後も取締役会の議長として、執行側の大胆な意思決定を尊重しながら、多様な知見を結集した真摯で活発な議論を促し、新体制下の監督機能の更なる高度化を図ることで、当社の中長期的な企業価値向上に尽力してまいります。
ステークホルダーの皆様には、進化を続ける当社のコーポレート・ガバナンスに引き続きご期待いただくとともに、変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
基本的な考え方
丸紅グループの役員、社員は、社是「正・新・和」および丸紅行動憲章に掲げられた精神に則り、法令や社内規則を遵守するとともに、企業倫理・経営理念に適った企業活動を行い、コーポレート・ガバナンスの充実に努めています。
コーポレート・ガバナンス体制
指名委員会等設置会社への移行
当社は、コーポレート・ガバナンスを企業価値向上を支える基盤と位置付けており、ガバナンスの客観性と透明性をより高めることを目的として、2026年6月19日開催の定時株主総会の決議により、「指名委員会等設置会社」に移行しました。本移行により、執行役のパフォーマンス発揮への規律を更に高め、中期経営戦略GC2027のミッションである企業価値向上に向けた戦略実践を促進します。
ガバナンス体制のポイント
- ポイント① 独立性を一層強化
- 新たに設置した法定3委員会(指名委員会、 監査委員会、報酬委員会)では、独立性を一層確実なものとするため、法令上の要請である委員の過半数を独立社外取締役で構成することに加え、各委員会の委員長を独立社外取締役から選任しています。
- ポイント② 適時・適切な情報共有に基づく意思決定
- 社内取締役も委員とすることで各委員会に適時・適切に情報提供しています。また、異見の融合(和すること)を重視し、十分な説明と理解に基づく意思決定を目指します。
- ポイント③ 実効性の高い監査機能の発揮
- 実効性の高い監査機能を発揮するため、常勤の監査委員および監査委員会室を設置し、監査委員会と監査部・会計監査人との連携を維持・強化します。また、内部監査結果については、執行側での報告と同時に、監査部から監査委員会へも直接報告する形(デュアルレポート)を担保しています。