企画展

企画展

株式会社ほくほくフィナンシャルグループ×丸紅株式会社 能登復興支援展華麗にして繊細 友禅染の神髄 ―丸紅コレクションの友禅染―

会期:2025年8月5日(火)~9月25日(木)
(前期)8月5日(火)~8月27日(水)
(後期)9月1日(月)~9月25日(木)
休館日:日曜日、祝日、展示替え日(8月28・29・30日)

同時開催:
株式会社ほくほくフィナンシャルグループ×丸紅株式会社 能登復興支援展
ホクリクの本気 イナガキヤスト
丸紅ビル1階エントランスホールにて開催
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企画趣旨

友禅染は江戸時代17世紀末に生まれた染色技法で、それまで一般的な染色技法だった絞り染を中心とする技法に比べて、はるかに多色で繊細な表現を可能にしたことで、町人女性の小袖を豊かに彩りました。18世紀にその盛期を迎えた友禅染は、明治時代以降に合成染料を用いた新しい色彩と技術が反映され、大正・昭和と変化しつつ歴史を重ねていきました。また、友禅染は京都を中心に発達し、京都からその技法が伝わった金沢においては、技術の極みともいえる友禅染掛幅(かけふく)(※)が誕生しました。そして、明治以降は「加賀友禅」の名で伝統的工芸品としても定着しています。本展では、丸紅コレクションを中心とした江戸時代の友禅染の名品である、小袖や友禅染掛幅、昭和時代の友禅作家によって制作された作品を展示します。時代に応じて華麗に変化した染色技術と繊細な模様表現をお楽しみください。

(※)床の間などに掛けて鑑賞する絵や書のことを指し、掛軸の別称。

作品紹介

白綸子地橘竹檜扇模様小袖しろりんずじたちばなたけひおうぎもようこそで

江戸時代 18世紀前半
前期展示

右裾から幹を屈曲させながら立ち上がって左袖に至る橘の立木に竹を添えて表す。上半身にはさらに檜扇と丸紋を散らす。ぼかしと虫食風の彩色を伴う最盛期の友禅染。

濃萌黄縮緬地梅樹瀧模様小袖こいもえぎちりめんじばいじゅたきもようこそで

江戸時代 18世紀前半
後期展示

18世紀初頭にはこの作品に見られるような、上下に共通するモチーフを残しながら、見頃の上部と下部で配するモチーフを変えるものが出現する。
この作品では、上下共通のモチーフを梅樹、上部に雪輪・松皮菱・扇地紙、下部に瀧を配している。

花鳥図友禅染掛幅かちょうずゆうぜんぞめかけふく(二幅対)

江戸時代 19世紀前半
通期展示

本紙部分のみならず表具に見える部分もすべて友禅染で表している。松・竹・梅に牡丹という吉祥の植物と金鶏・鶏という吉祥の動物によって、この二幅対が式日などに床に掛けて鑑賞されたことがわかる。

薄黄変り織地草花扇地紙模様振袖うすきかわりおりじくさばなおうぎじがみもようふりそで

昭和10年(1935)
木村雨山きむらうざん(重要無形文化財保持者(人間国宝))
通期展示

木村雨山は、金沢市出身の友禅染作家。着物全体を1枚のキャンバスに見立てた、放胆なデザインと配色が特徴。中央に配された芙蓉は、鮮やかな朱色を基調におおらかに染められ、極細の糸目糊で葉脈や花弁が流麗に表現されている。

関連展示【花嫁のれん展示】

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次回企画展のお知らせ
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