2023年

マレーシアでの森林再生プロジェクトの事業性検証開始について

2023/11/06
丸紅株式会社

丸紅株式会社(以下、「丸紅」)は、マレーシア サバ州・サラワク州にて現地パートナー企業とそれぞれ覚書を締結し、森林再生を通じた環境植林プロジェクト(以下、「本プロジェクト」)の事業性検証を開始しました。

サバ州では、植林事業を展開するSabah Softwoods Berhad(以下、「SSB社」)をパートナーに、SSB社が保有する植林地内の荒廃地を対象とした森林再生に取り組みます。サラワク州では、KTS Resources Sdn. Bhd.(以下、「KTS社」)と共に、劣化したパーム農園の原生種への転換、及び荒廃したココナッツ農園のマングローブ林への転換・再生等の手法で生物多様性の維持・改善に寄与します。

本プロジェクトでは、マレーシア政府が掲げる環境保全と地球温暖化対策への寄与という社会公益性に加え、経済性も同時に実現することを目的としています。生物多様性の回復、地域コミュニティにおける雇用を創出し、森林再生や原生種への転換による炭素吸収・固定を通じたカーボンクレジットプログラムの確立を目指します。

(サバ州:植林地内荒廃地) サバ州:植林地内荒廃地

(サラワク州:劣化したココナッツ農園) サラワク州:劣化したココナッツ農園

丸紅は、2021年3月に気候変動長期ビジョンを策定、中期経営戦略「GC2024」ではグリーン戦略を企業価値向上に向けた基本方針の一つと位置付けています。インドネシア、豪州の2カ国で総事業面積約30万ヘクタール、その内約13万ヘクタールの植林面積(東京都の約6割の面積に相当)を管理し、フィリピン、アンゴラでは本プロジェクトと同様の森林再生プロジェクトを進めています。また、国内では秋田県能代市の市有林、及び白神森林組合が管理する森林において、J-クレジット制度を活用したカーボンオフセットへの取り組みを行っています。

これらの事業で培った知見やノウハウを本プロジェクトに活かし、森林資源の環境価値と経済価値を高め、人と森の力でサステナブルな未来を切り拓くことを目指します。

<SSB社 概要>    
会社名 : Sabah Softwoods Berhad
本社所在地 : マレーシア、サバ州
設立 : 1973年
ウェブサイト : https://www.softwoods.com.my
事業内容 : マレーシアのサバ州に約6万ヘクタールの植林地を保有し、FSC認証(*1)製材用木材・製紙用木材チップ、MSPO認証(*2)オイルパームの生産を中核事業としている。SSB社はマレーシアで最初に大規模産業植林を手がけたサバ州政府傘下の企業であり、丸紅は1997年にSSB社の製紙用チップ生産ラインの導入を手掛け、25年以上の取引関係にある。
(*1)  Forest Stewardship Councilによる、適切な森林管理を認証する国際的な制度。
(*2) マレーシアのパーム油の持続可能性を確かなものにするためにマレーシア政府が立ち上げたMalaysian Sustainable Palm Oilという認証制度。国連のSDGsの基準に準拠している。
     
<KTS社 概要>    
会社名 : KTS Resources Sdn. Bhd.
本社所在地 : マレーシア、サラワク州
設立 : 1962年
事業内容 : マレーシアのサラワク州に植林地を保有し、製材用木材、オイルパーム、製紙用木材チップの生産の他、鉱物、メディア、食品、建設等、手広く事業を展開している。丸紅とKTS社は、1960年初頭に南洋材原木の取引を開始して以来、60年以上に亘る取引関係にある。

<関連プレスリリース>
2023年9月5日
秋田県能代市でのJ-クレジット制度を活用した森林におけるカーボンオフセットへの取り組みについて
https://www.marubeni.com/jp/news/2023/release/00090.html

2023年5月22日
アンゴラにおける森林再生プロジェクトの事業性検証に向けた覚書締結について
https://www.marubeni.com/jp/news/2023/release/00057.html

2023年2月10日
森林再生カーボンクレジットプログラムの開発について~フィリピンで初めての産学官協働~
https://www.marubeni.com/jp/news/2023/release/00019.html

以 上

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