2024年

丸紅所蔵染織品コレクションの保全・継承の取り組みについて

2024/03/22
丸紅株式会社

丸紅株式会社(以下、「丸紅」)は、丸紅が所蔵する染織品コレクションの保全・継承の取り組みを行っています。丸紅は、大正時代末期から昭和時代初期にかけて、古来の染織技術を研究し、その技術を商品製作に生かすことを目的に、江戸時代を中心とした古い時代の染織品の収集と研究活動を積極的に行いました。こうして収集された染織品コレクション400点あまりが現在に至るまで受け継がれており、その保全・継承を目的として、丸紅では、以下の修理事業および修理関連の取り組みを推進しています。

【丸紅コレクション 染織品の修理事業】

①重要文化財「染分縮緬地襷菊青海波文様友禅染振袖」修理事業 
2023年4月より、文化庁と東京都、および株式会社松鶴堂の協力の下、2020 年に国の重要文化財に指定された、丸紅コレクションの一つである江戸時代中期のきもの「染分縮緬地襷菊青海波文様友禅染振袖」(※)の修理事業を進めています。約2年間の修理期間を経て、完成後は丸紅ギャラリーにて一般公開する予定です。

重要文化財修理プロジェクト(動画)
プロローグ: https://youtu.be/l_uMie7tsCc
補修材料製作: https://youtu.be/bKF38ty4_II
●本事業は、文化庁美術工芸品重要文化財修理事業国庫補助金の交付を受けて実施されています
(※)参照URL: https://www.marubeni.com/jp/news/2020/info/00003.html

②染織品コレクションの修理事業
丸紅では、所蔵する約400点の染織品のうち、今後広く公開していく予定の染織品について、修理事業を進めています。染織品の修理事業は、1.科学調査、2.修理方法の決定、3.修理作業、4.公開という工程を一つのサイクルとして実施していきます。科学調査においては、関係機関の協力を得て、画像分析、繊維・染料分析、測色、ハイパースペクトルカメラによる調査などを行い、修理方針が決定した染織品の実質的な修理作業(※)については、染織文化財の修理を専門とする、共立女子大学家政学部被服学科・田中淑江教授、株式会社松鶴堂、株式会社染技連と連携し、作業を進めていきます。
(※)修理作業については、一部先行して開始している作品もあります。

【共立女子大学・共立女子短期大学との連携事業】

丸紅が所蔵する染織品コレクションの分析、修理などを通じた文化財の保存活動において連携を深める中で、修理人材の教育、学術研究の推進、文化・歴史の継承、地域・社会の発展に寄与することを目的として、丸紅と共立女子大学・共立女子短期大学にて、連携協力に関する協定を締結しました。協定では以下の事項を定めています。
(1)染織文化の継承に関すること 
(2)博物館・美術館の運営及び所蔵品の保護・修復に関すること 
(3)人材の交流及び育成に関すること 
(4)地域・社会の課題解決及び振興に関すること 
(5)その他、両者が必要と認める教育・学術研究及び産学連携活動に関すること 

丸紅は、染織品コレクションをはじめとする丸紅コレクションの保全、および丸紅ギャラリーでの展示を通じて、文化の保全・継承に貢献していきます。 

<関連URL> 
丸紅ギャラリー公式HP: https://www.marubeni.com/gallery/
丸紅ギャラリー公式Instagram: https://www.instagram.com/marubeni_gallery_official/

 

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