体制
体制
丸紅は、多岐にわたるビジネスをグローバルに展開しており、経営における「意思決定の迅速性・効率性」及び「適正な監督機能」を確保するべく、現在のガバナンス体制を社内取締役及び社外取締役で構成される取締役会を置く監査役設置会社としており、次の(a)と(b)の通り有効に機能していると判断されることから、現在のガバナンス体制を継続して採用します。
(a)意思決定の迅速性・効率性
丸紅の多角的な事業活動に精通した執行役員を兼務している取締役を置くことにより、意思決定の迅速性・効率性を確保しています。
(b)適正な監督機能
取締役会構成員の過半数の社外取締役候補者の選任、監査役室の設置、監査役と監査部及び会計監査人との連携、社外取締役及び社外監査役に対して取締役会付議事項の事前説明を同一機会に実施する等の諸施策を講じることにより、適正な監督機能を確保しています。
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取締役会
取締役会は、取締役10名(うち社外取締役6名。男性8名・女性2名)をもって構成し、丸紅の経営方針その他重要事項を決定するとともに、取締役の職務の執行を監督しています。
なお、経営と執行をより明確に分離するため、原則として代表権・業務執行権限を有さない取締役会長が取締役会の議長を務めています。
2023年度は取締役会を15回開催し、米田監査役の1回欠席を除き、全取締役及び全監査役が在任中に開催された全ての取締役会に出席しています。主な審議事項は以下の通りです。
― 中期経営戦略GC2024レビュー、グリーン戦略の推進、サステナビリティの取組に関する進捗
― 投融資案件(チリ・ロスペランブレス銅鉱山権益の追加取得及びパンパシフィック・カッパー株式会社の株式取得等)
― 決算・財務関連事項(自己株式の取得等)
― 役員報酬・社外役員の独立性基準改正
― 取締役会の実効性評価、内部統制関連事項等
監査役会
監査役会は、監査役5名(うち社外監査役3名。男性3名・女性2名)をもって構成し、常勤監査役の木田俊昭が議長を務めています。丸紅は監査役制度を採用しており、各監査役は、監査役会で策定された監査方針及び監査計画に基づき、取締役会をはじめとする重要な会議への出席や、業務及び財産の状況調査を通じて、取締役の職務執行を監査しています。
監査役と会計監査人とは、毎月開催のミーティングにおいて監査計画、丸紅グループ各会社も含めた監査実施状況・監査結果(四半期レビューを含む)、監査上の主要な検討事項(KAM)の選定を含む監査の個別検討事項、決算のポイントや留意事項、会計監査動向等についての情報・意見交換を行っています。なお、2023年度における丸紅の会計監査人はEY新日本有限責任監査法人です。監査役と内部監査部門である監査部は定例ミーティング(年9回)において意見交換を行い、密接に連携しながら、監査業務を行っています。2023年度は監査役会を19回開催し、安藤監査役の1回欠席を除き、全監査役が、在任中に開催された監査役会全てに出席しています。
社長は、定期的に監査役とのミーティングを開催し、業務の執行状況について報告し、意見交換を行っています。その他の取締役、CHRO、CSO、CFO、CAO、グループCEO・CDIO、本部長及びコーポレートスタッフグループ部長は、毎年監査役に対し、業務執行状況報告を行っています。役員は、丸紅に著しい損害を及ぼすおそれがある事実を発見したときは直ちに監査役に報告を行います。
経営会議
経営会議は、社長の諮問会議として設置され、社長を含む代表取締役3名、専務執行役員3名、常務執行役員6名をもって構成し、経営に関する方針及び全社的重要事項を審議しています。
本部長会
本部長会は、社長、社長の指名する執行役員及び本部長をもって構成し、予算・決算・資金計画に関する事項、その他業務執行に関する事項を審議しています。
執行役員会
執行役員会は、執行役員41名(うち3名取締役兼務)をもって構成し、情報連絡ならびに決算報告、内部監査報告等業務執行に係る事項の報告を行っています。
指名委員会
独立社外役員がメンバーの過半数を占め、独立社外役員を委員長としており、独立性を有する構成となっています。同委員会は、取締役、監査役候補者の選任案、次期社長選任案、ならびに社長が策定・運用する後継者計画(必要な資質・要件、後継者候補群、育成計画を含む)について審議、取締役会に答申する取締役会の諮問機関です。2023年度は10回開催し、主な審議内容は、取締役・監査役候補者及び後継者育成計画等です。
委員:社内取締役 1名、社外取締役 2名
委員長:社外取締役
ガバナンス・報酬委員会
独立社外役員がメンバーの過半数を占め、独立社外役員を委員長としており、独立性を有する構成となっています。同委員会は、取締役・執行役員の報酬決定方針や報酬水準の妥当性を審議、取締役会に答申する取締役会の諮問機関です。また、取締役会の構成や運営等、取締役会全体に関する評価・レビューや、これに準ずる重要なコーポレートガバナンス事項を審議し、取締役会に報告します。2023年度は3回開催し、主な審議内容は、取締役・執行役員の報酬、報酬制度、社外役員の独立性基準改正、取締役会の実効性評価、スキルマトリックスを含む役員情報の開示の充実等です。
委員:社内取締役 2名、社外取締役 1名、社外監査役 2名
委員長:社外取締役
コーポレート・ガバナンス概要
組織形態 | 監査役設置会社 |
---|---|
取締役会議長 | 会長 |
取締役人数(うち社外役員※) | 10名(6名) |
監査役人数(うち社外役員※) | 5名(3名) |
丸紅は社外役員全員を、株式会社東京証券取引所が定める独立役員として指定しています。
2023年度:主要会議体の開催状況
取締役会 | 15回 |
---|---|
監査役会 | 19回 |
経営会議 | 35回 |
本部長会 | 1回 |
執行役員会 | 3回 |
各種委員会の機能と役割
業務執行及び内部統制等に係る重要な事項に対応するため、社長直轄の組織として各種委員会を設置しています。
主な委員会とその役割は以下のとおりです。
委員会 | 役割 | 委員長 | 開催頻度 |
---|---|---|---|
投融資委員会 |
稟議案件の審議を行う。 投融資委員会委員長は、委員会の審議を経て経営会議体に付議すべき案件を決定する。 |
代表取締役専務執行役員 (古谷 孝之) |
原則週1回開催 |
コンプライアンス委員会 | 丸紅グループにおけるコンプライアンス体制の構築・維持・管理及び コンプライアンスについての研修をはじめとする啓蒙活動を行う。 |
専務執行役員 (堀江 順) |
原則年4回開催、 その他随時開催 |
サステナビリティ推進委員会 | 事業領域全般からESG(環境価値・社会価値・ガバナンス)視点も考慮した「マテリアリティ」の特定・見直し、ならびにESG対応を含むサステナビリティに関する討議・取締役会への報告を行う。 | 常務執行役員 (水野 博通) |
原則年1回開催、 その他随時開催 |
内部統制委員会 | 会社法上の内部統制の基本方針の構築・運用状況の確認ならびに見直し・改正案の作成、 金融商品取引法上の財務報告に係る内部統制の体制整備・運用・有効性評価ならびに 内部統制報告書案の作成等を行う。 |
専務執行役員 (堀江 順) |
随時開催 |
開示委員会 | 開示に関する原則・基本方針案の策定、法定開示・適時開示に関する社内体制の構築・整備、 及び法定開示・適時開示に関する重要性・妥当性の判断を行う。 |
専務執行役員 (堀江 順) |
随時開催 |
社外取締役と社外監査役の機能と役割
社外取締役の機能と役割
社外取締役は、幅広い経験と高い見地から経営について意見を述べるとともに、コーポレート・ガバナンスをより充実させるためのアドバイスを行っています。
社外取締役は、取締役会と執行役員会に出席し、内部統制の観点から積極的に発言しています。また、社外取締役の取締役会等への出席にあたっては、事前に経営課題、執行状況、討議内容等についてのブリーフィングを行っています。なお、指名委員会は社外取締役を委員長として社外取締役2名がメンバーであり、ガバナンス・報酬委員会は社外取締役を委員長として社外取締役1名がメンバーとなっています。
※選任理由については [コーポレートガバナンス報告書]をご覧ください。
社外監査役の機能と役割
社外監査役は、取締役の職務執行を監査するとともに、これまでの豊富な経験を活かした種々の提言やアドバイスにより、監査役監査のさらなる充実につなげています。
社外監査役は、監査役会、取締役会、執行役員会に出席するとともに、定期的に社長とのミーティングを行っています。また、監査部、経理部、会計監査人等、実務者とのミーティングを設け議論を交わす一方、常勤監査役からの監査関連情報等の提供を受け、監査業務に活かしています。なお、ガバナンス・報酬委員会は社外監査役2名がメンバーとなっています。
※選任理由については [コーポレートガバナンス報告書]をご覧ください。
役員報酬
取締役の報酬等の決定方針の概要は、以下の通りです。
1.報酬方針
取締役の報酬は、以下の考え方に基づき決定します。
①社是「正・新・和」の精神に則り、社会・顧客の課題に正面から向き合い、ステークホルダーとともに新しい価値を創出することを促し、これに報いる報酬制度であること
②業績・株主価値との連動性を重視し、中長期的な企業価値向上を促す報酬制度であること
③企業価値の源泉である優秀な人財を獲得・保持し、報奨する報酬制度であること
④職責と成果に基づき、客観性の高いプロセスで決定される公平かつ公正な報酬制度であること
2.報酬体系
報酬等の種類別の支給対象者は、期待役割に応じて決定します。詳細は下記表のとおりです。
報酬等の種類 | 給付形式 | 内容 | 業務 執行 取締役 |
取締役 会長 (注1) |
社外 取締役 (注2) |
||
---|---|---|---|---|---|---|---|
月例報酬 | 基本報酬 | 固定 | 金銭 | 〇各取締役の役位に応じた固定報酬 | ● | ● | ● |
加算給 | 〇代表権を持つ取締役の職責に対する代表権加算給 〇取締役の職責に対する取締役加算給 |
● | - | - | |||
短期インセンティブ報酬 (注4) |
業績連動 賞与 |
変動 | 〇各事業年度の業績に対する報酬等 ・評価指標は各事業年度の重要な経営指標である連結純利益(親会社の所有者に帰属する当期利益)及び基礎営業キャッシュ・フローとする ・支給額は、役位別の係数及び評価指標の実績値から計算し、役位別の基本報酬の0%~230%の範囲内で変動する ・業績レンジは、連結純利益は1,700億円~7,000億円、基礎営業キャッシュ・フローは2,700億円~8,000億円とする |
● | - | - | |
個人評価給 | <組織業績評価> 〇各事業年度の本部別財務目標達成に応じた報酬等 ・評価指標は各営業本部の純利益及び基礎営業キャッシュ・フローとする ・支給額は、評価指標の目標達成率に基づき取締役会が定める反映率を役位別の基本報酬に乗じた額とする |
- (注3) |
- | - | |||
<個人定性評価> 〇将来に向けた新たな価値創造に対する報酬等 ・取締役会からの委任に基づき、社長が各事業年度における将来に向けた新たな価値創造の仕掛け・取組み(グリーン戦略を含むサステナビリティに関する取組み等)に関する貢献等を考慮し、評価を行う ・支給額は、取締役会が定める範囲内の反映率を役位別の基本報酬に乗じた額とする ・取締役会の委任する範囲内で適正に評価が実施されていることを、ガバナンス・報酬委員会が確認し、取締役会に報告する |
● | - | - | ||||
中長期 インセン ティブ報酬 |
譲渡制限付 株式 |
株式 | 〇株主価値との連動・共有を図るための報酬等 ・役位別に定めた基準額に相当する数の当社普通株式を毎年付与し、株式交付日から当社の取締役及び執行役員の地位、その他当社の取締役会が予め定める地位からの退任時又は退職時まで譲渡制限を設定する |
● | ● | - | |
TSR連動型 譲渡制限付 株式 |
〇中長期的な企業価値の向上に対する報酬等 ・評価指標は相対TSRとする。相対TSRは、3年間(評価期間)の当社株主総利回り(Total Shareholder Return(TSR))を、同期間の東証株価指数(TOPIX)(配当込み)成長率と比較した以下の算定式により算出する 相対TSR=評価期間の当社TSR÷TOPIX(配当込み)成長率 ・役位別に定めた基準額に相当する数の基準ユニットを毎年付与し、3年間の評価期間の相対TSRの達成度に応じて当社普通株式を付与する。付与した当社普通株式は、株式交付日から当社の取締役及び執行役員の地位、その他当社の取締役会が予め定める地位からの退任時又は退職時まで譲渡制限を設定する ・付与株式数は、相対TSRの達成度に応じて、基準ユニットに対応した株数の0%~150%の範囲内で変動する ①相対TSRが150%以上の場合:150% ②相対TSRが50%以上150%未満の場合:相対TSRと同率 ③相対TSRが50%未満の場合:0% ただし、当社TSRが100%以下の場合、相対TSRが100%以上であっても100%を上限とする |
● | ● | - |
(注1)取締役会長の報酬等は、当社の経営で培った事業知見を監督に活かすことで実質的に中長期の企業価値向上に貢献する立場にあることから、月例報酬である基本報酬と中長期インセンティブ報酬により構成します。
(注2)社外取締役の報酬等は、独立性をもって経営を監督する立場にあることから、月例報酬である基本報酬(各種委員会の委員長・委員等の職責に応じた報酬を含む)のみで構成します。
(注3)組織業績評価に基づく個人評価給の支給対象者は執行役員営業本部長であり、現在業務執行取締役の支給対象者はおりません。
(注4)短期インセンティブ報酬は、各事業年度終了後に一括支給します。
3.報酬水準と構成比率
取締役の報酬水準は、優秀な人財の獲得・保持が可能となる競争力ある報酬水準となるように、外部専門機関の客観的な報酬調査データ等と比較検討を行い、適切な報酬水準を設定します。
報酬等の構成比率については、中長期的な企業価値向上を重視した報酬構成とし、代表取締役社長については連結純利益4,000億円かつ基礎営業キャッシュ・フロー5,000億円の時に月例報酬/短期インセンティブ報酬/中長期インセンティブ報酬の構成比率が概ね1:1:1となるように設定します。なお、他の社内取締役については、代表取締役社長の報酬構成比率に準じて役位ごとの役割・責任を勘案し報酬構成比率を設定します。
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4.マルス・クローバック
短期インセンティブ報酬及び中長期インセンティブ報酬について、財務諸表の重大な修正による決算の事後修正、役員による重大な内部規程の違反又は非違行為が発生した場合等には、取締役会決議により当該報酬等を減額又は不支給(マルス)とすること、及び支給済の報酬の返還(クローバック)を求める仕組みの対象とします。
5.取締役の個人別の報酬等の内容についての決定方法
取締役の報酬等の決定方針(個人別の支給額算出方法を含む。以下、決定方針という)については、社外役員が委員長を務め、メンバーの過半数が社外役員で構成されるガバナンス・報酬委員会にて、報酬水準の妥当性を含めて審議の上、取締役会に答申し、取締役会にて決定されます。
取締役の個人別の支給額の決定については、ガバナンス・報酬委員会が決定方針との整合性を確認したうえで答申を行い、株主総会で決議された報酬限度額の範囲内で、取締役会で決議されます。ただし、短期インセンティブの個人評価給について、個人定性評価部分に係る支給額の決定は、業務執行のトップが最も適していると判断されたことから、代表取締役社長の柿木真澄氏に委任しております。当該プロセスの客観性・公平性・透明性を高めるため、当該支給額については、ガバナンス・報酬委員会が、取締役会の委任する範囲内で評価が実施されていることを確認の上、取締役会へ報告することとしております。
2023年度における取締役の個人別の報酬等の内容については、ガバナンス・報酬委員会にて決定方針との整合性を審議の上、取締役会に答申しているため、取締役会もその答申を尊重し、決定方針に沿うものであると判断しております。
(補足事項)
なお、取締役を兼務しない執行役員の報酬につきましても、取締役と同じ報酬体系・報酬の決定プロセスを適用します。
取締役及び監査役の報酬等の総額
2023年6月23日開催の第99回定時株主総会において、取締役及び監査役の報酬等の総額(「譲渡制限付株式」及び「TSR連動型譲渡制限付株式」を付与するために支給する金銭報酬債権の額、ならびに発行又は処分される当社普通株式の総数を含む)は以下のとおり限度額が決議されています。
なお、2021年6月24日開催の第97回定時株主総会において導入した「【旧制度】時価総額条件型譲渡制限付株式」に関して、2022年度までに権利付与を行ったものについては、当該総会で決議された報酬等の額である年額120百万円以内(発行又は処分される当社普通株式の上限は各評価期間300,000株以内)を維持し、当該報酬等の額は、上記TSR連動型譲渡制限付株式の付与のための報酬等の額に含むものとしております。
対象者 | 報酬等の種類 | 決議内容 | 決議時点の員数 | |
---|---|---|---|---|
取締役 | 月例報酬 (基本報酬、加算給) |
年額650百万円以内 (うち社外取締役は年額150百万円以内) |
取締役10名 (うち、社外取締役6名) |
|
短期インセンティブ報酬 (業績連動賞与、個人評価給) |
年額700百万円以内 | 取締役3名 (うち、社外取締役0名) |
||
中期インセンティブ報酬 | - | - | ||
譲渡制限付株式 | 年額200百万円以内 年450,000株以内(※) |
取締役4名 (うち、社外取締役0名) |
||
TSR連動型譲渡制限付株式 | 年額850百万円以内 各評価期間650,000株以内(※) |
|||
監査役 | 報酬等の総額 | 年額170百万円以内 | 監査役5名 |
(※)当社の普通株式の株式分割・無償割当て・株式併合等、発行又は処分される当社の普通株式の総数の調整が必要な事由が生じた場合には、当該総数を、合理的な範囲で調整します。
2023年度における取締役及び監査役への報酬等の総額
(単位:百万円)
区分 | 支給人数(名) | 支給総額 | 内訳 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
月例報酬 | 業績連動 賞与等 |
譲渡制限付株式 | TSR 連動型 譲渡制限付 株式 |
【旧制度】 時価総額 条件型 譲渡制限付株式 (2021年度/ 2022年度付与分) |
【旧制度】 時価総額 条件付 株式報酬型 ストック オプション (2020年度 付与分) |
||||
取締役 | 社内取締役 | 8 | 1,108 | 386 | 269 | 150 | 132 | 129 | 42 |
社外取締役 | 7 | 118 | 118 | - | - | - | - | - | |
合計 | 15 | 1,225 | 503 | 269 | 150 | 132 | 129 | 42 | |
監査役 | 社内監査役 | 3 | 85 | 85 | - | - | - | - | - |
社外監査役 | 3 | 58 | 58 | - | - | - | - | - | |
合計 | 6 | 142 | 142 | - | - | - | - | - |
(注)1.金額は、百万円未満を四捨五入しております。
2.上記員数は、2023年度の末日までに退任した取締役5名(うち、社外取締役1名)、及び社内監査役1名を含めて記載しています。2023年度末現在の人員数は取締役10名(うち、社外取締役6名)、監査役5名(うち、社外監査役3名)です。
3.「業績連動賞与等」には、「個人評価給」を含みます。業績連動賞与は、ガバナンス・報酬委員会にて審議の上、取締役会で決議された算出方法に基づき、2023年度の連結純利益4,714億円及び基礎営業キャッシュ・フロー5,480億円に応じて算出された金額を記載しています。
4.非金銭報酬等として取締役(社外取締役を除く)に対して「譲渡制限付株式」を交付しております。金額欄には2023年度において会計上の費用として計上された金額を記載しています。なお、2023年度においては2023年6月23日開催の取締役会決議により、取締役(社外取締役を除く)4名に対し、譲渡制限期間を設けたうえで、当社の普通株式57,080株を交付しております。
5.非金銭報酬等として取締役(社外取締役を除く)に対して「TSR連動型譲渡制限付株式」を交付します。金額欄には2026年度に交付する株式の見込数に応じた金銭報酬債権の支給見込額を算定した2023年度において会計上の費用として計上された額を記載しています。なお、本報酬制度は2023年度に導入したものであり、最初の評価期間の終了は2026年7月となるため、業績指標に関する2023年度の実績はありません。
6.「【旧制度】時価総額条件型譲渡制限付株式」は2021年度及び2022年度の報酬として付与された非金銭報酬等であり、付与から3年間の評価期間における時価総額条件成長率に応じて最終割当株式数が確定する株式報酬です。金額欄には2024年度及び2025年度に交付する株式の見込数に応じた金銭報酬債権の支給見込額を算定した2023年度において会計上の費用として計上された額を記載しています。本報酬制度は2021年度に導入したものであり、最初の評価期間の終了は2024年7月となるため、業績指標に関する2023年度の実績はありません。なお、本報酬制度は2021年度に導入したのち、2023年度に「TSR連動型譲渡制限付株式」を導入したことに伴い、既に付与済みのものを除き、廃止しております。
7.「【旧制度】時価総額条件付株式報酬型ストックオプション」は2020年度の報酬として付与された非金銭報酬等であり、付与から3年間の評価期間における時価総額条件成長率に応じて行使可能数が確定する新株予約権です。金額欄には、3年間の評価期間を終えて2023年度に行使可能数が確定した新株予約権に応じて、2023年度において会計上の費用として計上された額を記載しています。2023年度に評価期間が終了した時価総額条件付株式報酬型ストックオプションに係る新株予約権の行使可能数の算定に用いた当社時価総額条件成長率の実績は412%です。なお、本報酬制度は2019年度に導入したのち、2021年度に時価総額条件型譲渡制限付株式を導入したことに伴い、既に付与済みのものを除き、廃止しております。
2023年度における報酬等の総額が1億円以上の者の報酬等の額
(単位:百万円)
氏名 | 役員区分 | 支給総額 | 内訳 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
月例報酬 | 業績連動 賞与等 |
譲渡制限付 株式 |
TSR 連動型 譲渡制限付 株式 |
【旧制度】 時価総額 条件型 譲渡制限付 株式 (2021年度/ 2022年度 付与分) |
【旧制度】 時価総額 条件付 株式報酬型 ストック オプション (2020年度 付与分) |
|||
國分 文也 | 取締役 | 270 | 150 | - | 50 | 33 | 29 | 9 |
柿木 真澄 | 取締役 | 404 | 109 | 126 | 62 | 62 | 34 | 11 |
寺川 彰 | 取締役 | 206 | 68 | 78 | 20 | 20 | 20 | - |
古谷 孝之 | 取締役 | 178 | 59 | 65 | 17 | 17 | 15 | 5 |
(注)金額、月例報酬、業績連動賞与等、譲渡制限付株式、TSR連動型譲渡制限付株式、【旧制度】時価総額条件型譲渡制限付株式(2021年度/2022年度付与分)、【旧制度】時価総額条件付株式報酬型ストックオプション(2020年度付与分)については、上記報酬等の総額及びその内訳に係る表の各注記をご参照ください。
取締役会の実効性評価
丸紅は2016年度以降、取締役会の実効性評価を毎年度実施しており、分析評価の結果特定された課題の改善策に継続的に取り組むことで、取締役会の実効性の向上に努めています。
2023年度の取締役会の実効性評価は、2022年度のコンセプトである「丸紅らしいガバナンス体制」を踏襲しつつ、「2022年度の議論を踏まえて抽出された論点ごとに丸紅に適したガバナンス体制の方向性を議論する契機とする」をコンセプトとして実施しました。
Ⅰ 評価の枠組み・手法
1.評価対象
取締役会(指名委員会/ガバナンス・報酬委員会を含む)
2.評価プロセス
全ての取締役及び監査役によるアンケート及びインタビューの回答内容を分析の上、ガバナンス・報酬委員会にて当該分析結果に対する評価・レビューを行い、取締役会において審議を実施
3.評価項目
- ・取締役会の役割
- ・取締役会の構成
- ・取締役会における議論
- ・委員会の活用
- ・ステークホルダーへの説明責任
また、実効性評価において社外取締役の相互評価自体は実施していないものの、2023年度のアンケート設問において、その要素を取り入れる工夫をいたしました。
4.外部専門機関の活用
2023年度も引き続き外部専門機関を活用し、事前の資料査閲やアンケート・インタビューの回答を踏まえた上で分析評価を実施
- ・直近3年間の取締役会の上程議題を第三者が閲覧し議題を分析
- ・第三者目線からのアンケート項目に対する助言
- ・アンケート回答結果に対する第三者の分析、及び第三者による個別インタビューの実施
- ・第三者による分析結果に対するコメント等も参考にし、取締役会における議論を実施
- ・抽出された課題に対する改善策についての第三者の助言
なお、アンケート及びインタビューは外部専門機関が実施し、その結果を個人が特定されないよう外部専門機関が匿名化して分析・集計することで、透明性・客観性を確保しております。
Ⅱ 評価結果の概要
1. 概要
上記のプロセスを経て、当社取締役会は適切に機能し、実効性が確保されていることが確認されました。
特に、社外取締役の意見を踏まえた議題選定を実施するとともに、事業所視察や本部長との意見交換をはじめとしたインプットを通じて社外取締役の事業理解が深まったことに加え、議長による的確な議事運営の結果、取締役会で自由闊達な深度のある議論が行われている点につき、高い評価を得ました。
2. 2022年度に実施した取締役会実効性評価において確認された課題への対応状況
(1)監督機能の高度化に向けた取締役会の方向性に関する議論の深化
取締役会の今後の方向性と議論を深めていくべきテーマについて、会長・社長・社外取締役で自由闊達な意見交換を実施し、実効性評価のアンケートやインタビューにおいても役員の意見を聴取しました。
取締役会の方向性に関する議論については、「3. 2023年度の評価において確認された主な課題及び今後の取組み方針」(3)に記載の通り、更なる取組みを継続していきます。
(2)議題選定プロセス及びグループ経営上の重要テーマに係る監督の在り方の検討
議題選定プロセスに関しては、取締役会への上程議案につき、社外取締役の意見の個別聴取に加え、会長・社長・社外取締役との意見交換の場で、社外取締役の意向を踏まえて、取締役会で議論を深めていくべきテーマについて議論しています。
また、グループ人財戦略に関して執行側の議論が取締役会へ報告されるとともに、社外取締役と各本部長との面談を実施し、事業会社を含む本部戦略、注力領域、課題等につき説明・議論等を通して、グループ経営上の重要テーマに係る監督の在り方の検討を進めました。
本項目も、「3. 2023年度の評価において確認された主な課題及び今後の取組み方針」(1)及び(2)に記載のとおり、取締役会でより深度ある議論を実施するに際し必要な取組みについて、検討を継続していきます。
3. 2023年度の評価において確認された主な課題及び今後の取組み方針
(1)グループ経営上の重要テーマを監督するための説明・資料の論点明確化
総合商社の事業の複雑性や当社グループの経営構造を踏まえてアジェンダごとに執行側での議論の経過、想定されるリスク等の取締役会で議論すべき論点を一層明確化し、大所・高所からの本質をついた議論を促すことが必要と考えております。
(2)当社グループの総合力を意識した中長期的な価値向上に向けた経営戦略・重要な経営課題に関する議論の充実化
執行側において資本コスト・株価等を意識できているものの、資本配分や成長のために何が必要か等、取締役会における企業価値向上を目的とした経営に関する議論をより充実させるとともに、次期中期経営戦略策定の初期段階から関与を深めることが肝要であると考えております。
(3)丸紅に適したガバナンス体制の中で取締役会が果たすべき役割の継続検討
現在の取締役会の構成に問題はないものの、当社の更なる成長のためには将来的な構成(求められる経験・属性等)について引き続き議論を深める余地があると考えております。
社外取締役が過半数の取締役会において、当社としての取締役会の目指す方向性を含め、中長期的な当社の成長を見据え、3-5年先の構成及びメンバーの人選に関する議論を継続的に実施していきます。
丸紅は、今回の取締役会実効性評価の結果を踏まえ、引き続き取締役会の実効性の維持・向上に取り組み、中長期的な企業価値向上を追求していきます。