ビジネスを通じた取り組み気候変動への取り組み

持続可能な森林経営

WA Plantation Resources Pty. Ltd.
(WAPRES社)

世界の森林面積は、20世紀に入って急速に失われています。森林は、生物多様性維持・土壌保全・水源涵養など高い環境保全機能を有し、また、森林から供給される木質資源は我々の様々な生活の場面で活用され、社会経済的な価値も高いことから、「持続可能な森林経営の推進」が必要であると認識しています。

丸紅グループ(丸紅株式会社およびその連結子会社※1)は、オーストラリア、インドネシアの2カ国に、現在14万ha(総事業面積32万ha)の植林事業を有しており、成長が早く6年から10年で成木となるユーカリ種(広葉樹)を中心に、植林、育成、管理、伐採を計画的に繰り返すことにより、製紙原料となる木質資源の継続的かつ安定的な供給をおこなっています。また、原生林の伐採を伴わず、地域住民の生活や生計を脅かさない土地へ植林をおこなうなど環境や地域社会に配慮した持続可能な植林経営を実現しています。

  • 丸紅グループで植林事業を行っている連結子会社は、オーストラリア・WAPRES社とインドネシア・PT MHP社の2社です。

なお、当社の森林経営は森林認証制度で定める基準に基づいて運営されており、オーストラリアで植林・木材チップ事業を行うWAPRES社は、Forest Stewardship Council® (FSC®)※2のForest Management(FM)認証※3(FSC® C016260)、Chain of Custody(CoC)認証※4、Responsible Wood※5のSustainable Forest Management認証※4を取得しています。
また、インドネシアで植林事業を行うMHP社においてもIndonesian Forestry Certification Corporation※6のFM認証を取得しており、両社の植林地より収穫される木材は、2018年3月期末時点で100%森林認証材として供給されています。
今後も、丸紅グループは、持続可能な紙パルプのサプライチェーン・マネジメント※7に取り組んでいきます。

  • Forest Stewardship Council(森林管理協議会)
    国際的な森林認証制度です。
  • Forest Management認証/Sustainable Forest Management認証
    独立した第三者機関が一定の基準を基に、持続可能な森林経営を行っている森林所有者や経営組織などを認証するものです。
  • Chain of Custody認証
    独立した第三者機関が一定の基準を基に、認証された森林からの木材・木材製品をそれ以外のものと分別管理している製造・加工・流通業者を認証するものです。
  • Responsible Wood (Certification Scheme)
    オーストラリアの森林認証制度 - The Programme for the Endorsement of Forest Certification(PEFC)※8認証と相互認証しています。
  • Indonesian Forestry Certification Corporation
    インドネシアの森林認証制度 - PEFC認証※8と相互認証しています。
  • 丸紅グループは、連結子会社のインドネシア・PT TEL社でパルプ工場、連結子会社の興亜工業(株)と福山製紙(株)の2社で製紙工場、連結子会社の丸紅ペーパーリサイクル(株)で古紙リサイクル事業を運営しており、紙パルプのサプライチェーン全体で事業を展開しています。
  • The Programme for the Endorsement of Forest Certification(PEFC)
    国際的な森林認証制度で、各国の森林認証と相互認証を行う仕組みを取り入れています。

(2018年12月更新)

持続可能な森林経営(REDD+)

  • REDD CENTERの看板。共同実施者として当社の社名も記載
  • 苗床で栽培されている苗木
  • 焼畑された山林

豊かな森林に覆われたラオス北部に位置するルアンパバーン県では、焼畑移動耕作による森林の減少が深刻化しています。同県では、途上国の森林を保全する仕組み「REDD+」が進められており、丸紅は学校法人早稲田大学、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社、一般社団法人日本森林技術協会、ラオス国立農林業研究所とともにプロジェクトに参画しています。

「REDD+」は、途上国が森林の減少や劣化の防止に取り組み、それによって温室効果ガスの排出量が減少した場合、あるいは森林の炭素吸収量が増加した場合に、国際社会が経済的な支援を行う仕組みです。本プロジェクトでは、焼畑移動耕作に過度に依存しない代替生計手段を導入することによって、温室効果ガスの排出を削減することを目指しています。また、プロジェクトを円滑に進めるため、近隣コミュニティとの連携をベースにした体制づくりも重要なテーマです。さらに、生物多様性保全の観点では、野生動物の保全手法の妥当性に加え、生物多様性条約に基づくラオス政府の計画・戦略に則り、プロジェクトを実施しています。

これまでの水田耕作やコーヒー栽培に加え、2017年度からイチゴやブルーベリーなどの高付加価値果物の栽培を手がけており、家畜飼育、機織・木工品の製造等が代替生計手段として実施されています。また、森林保全に関する技術支援を行う技術ステーションを各村落に設け、プロジェクトの継続的な実施のための拠点にすることも視野に入れています。

ルアンパバーン県での「REDD+」は、県内のポンサイ郡ホアイキン村落において約3万ヘクタールの規模で実施しており、年間で約13万トンの温室効果ガスの削減を実現しています。ルアンパバーン県全体ではおよそ200万ヘクタールの森林があり、将来的に準国ベースのREDD+事業まで拡大すれば、年間で約300万トンの温室効果ガスの削減量を獲得するポテンシャルを秘めています。本プロジェクトは、二国間クレジット制度(JCM)の枠組みに組み入れられており、日本の気候変動抑制への貢献も期待されています。

REDD+:Reducing emissions from deforestation and forest degradation and the role of conservation, sustainable management of forests and enhancement of forest carbon stocks in developing countries (途上国における森林減少・森林劣化に由来する排出の抑制、並びに森林保全、持続可能な森林経営、森林炭素蓄積の増強)

二国間クレジット制度:Joint Crediting Mechanism

環境負荷の低減化に向けた取り組み(興亜工業の取り組み) 

丸紅の連結子会社・興亜工業㈱では、省資源の取り組みとして、生産過程で用いる水資源使用量の削減を図っています。
工場での抄紙には大量の水を必要とするため、工業用水と井戸水を併用し、それぞれの製造工程で循環使用することで必要量の水を確保しています。なお、最終排水はすべて活性汚泥槽でCOD(化学的酸素要求量)、BOD(生物化学的酸素要求量)を分解、浄化処理することで厳しい水質基準をクリアしています。

興亜工業では廃棄物排出量の削減活動にも取り組んでいます。
高濃度パルパーを用いて古紙を溶解することにより、これまで処理できずに焼却していた古紙の再製品化を可能にしました。
また、高熱焼却設備の活用により、発生する可燃性のゴミはすべて焼却し、その際に発生する熱エネルギーを回収・利用しサーマルリサイクルを実現しています。
この焼却炉は、900℃~1000℃の高熱で廃棄物を処理するため、有害物質のダイオキシンをほとんど排出せず、環境基準(NOx,SOx,CO2)をクリアしています。

この他、興亜工業は、ユーザーから発生する紙製廃棄物やオフィス系廃棄物を回収し、それを板紙として再生供給することで、取引先とのクローズド・リサイクル・システムを確立し、環境負荷の低減化を進めています。

興亜工業の環境に関する取り組みについては、こちらをご参照ください

高濃度パルパー:繊維と不純物を破砕することなく効果的に分離し、古紙から繊維を取り出すための機械

飼料原料調達における気候変動の適応策

気候変動が畜水産向け配合飼料の原料調達に与える影響は大きく、当社は、気候変動への適応策をリスク管理上の重要事項と認識しています。
気候変動に伴って農業や漁業の在り方が変化すれば、配合飼料のタンパク源となる農水産物の生産量減少や、配合比率、品質等にも影響を及ぼす可能性があります。
当社は、天候パターンや気温等の要因を商品や地域ごとにモニタリングし、調達の地理的分散により気候変動リスクを緩和するとともに、気候変動によってもたらされる潜在的な影響についても、経営戦略の一部として検討しています。
加えて、気候変動リスクの対応策の一環として、当社は、魚や畜肉由来の動物性タンパク原料の代替原料開発に関する研究やイノベーションにも積極的に取り組んでいます。

ライフサイクルアセスメントの活用

丸紅では、豪州にある連結子会社のRangers Valley Cattle Station PTY. LTD.(以下、Rangers Valley)の肉牛肥育事業(以下、本事業)において、ライフサイクルアセスメント(以下、LCA)を活用し、本事業が社会・環境に与える影響を定量的に分析・評価しています。Rangers Valleyは最適な飼料や給餌・肥育方法等の研究を通じて、効率的なオペレーションを積極的に推進しており、LCAの分析結果を事業計画に活かすことで、本事業における社会・環境負荷の低減化に取り組んでいます。

Rangers Valleyの取り組みはこちら

グリーン電力の使用

グリーン電力証書
グリーン電力証書

丸紅と株式会社パレスホテル(以下「パレスホテル」)は、2018年6月22日にパレスホテル東京にて開催した丸紅の第94回定時株主総会において、グリーン電力証書発行事業者である丸紅100%子会社の三峰川電力株式会社が発行するグリーン電力証書(1,500kWh)をパレスホテルが購入することで、株主総会会場での使用電力をグリーン電力でまかないました。当社が株主総会でグリーン電力を使用するのは、9度目となります。

グリーン電力とは、水力、風力、バイオマス、太陽光、地熱などの自然エネルギーより発電された電力のことで、石油や石炭などの化石燃料による発電と違い、CO2が発生しないため、環境負荷が少ないとされています。

丸紅グループでは、今後もさまざまな形で環境への取り組みを推進していきます。