環境生物多様性と生息環境の保全

生物多様性と生息環境の保全

水禽類生息数調査 / Asian Waterbird Census

生息環境調査の様子

丸紅が50%株主としてフィリピンで発電事業を行うTeaM Energy Corporation (TeaM) のCSR活動を目的に設立されたTeaM Energy Foundation, Inc. (TEFI)は、Wild Bird Club of the Philippines (WBCP)および環境天然資源省と協力して、国際NGO “国際湿地保全連合(Wetland International)”が実施するアジアの水禽類生息数調査“Asian Water bird Census (AWC)”に2010年より毎年継続して参加しており、TeaM Energy Corporation (TeaM)が保有・運営するパグビラオ、スアル発電所及び近隣10kmの範囲で水禽類に関するデータ収集を行っています。当該調査により発電所の近隣への環境負荷が低く、健全な環境が保持されていることを確認しています。
パグビラオ、スアル両発電所は、国際自然保護連合 (International Union for Conservation of Nature) が発表する「絶滅のおそれのある種のレッドリスト(2014年)」でVulnerable=危急種に指定されているフィリピン固有種のアカノドカルガモ(Anas Luzonica)の聖域であり、発電所の敷地は渡り鳥を含む多くの鳥たちの休息の場となっています。
TEFIは騒音抑制、開発の抑制、開発の場合の生息環境移転作業によりこれらの鳥たちの生息環境を保護する活動も実施しており、2020年の調査では、発電所の敷地及び近隣10kmの範囲でアカノドカルガモが計313羽、ソロガシラトビが計10羽確認されています。

植林プログラム

植林地域

TEFIは2001年よりパグビラオ発電所及びスアル発電所にて発電所周辺の地域コミュニティやSiosio East Environment等NGOと共同でアカシアやユーカリ等の植林活動を行っており、植林された苗木の平均生存率は95%を誇ります。これまでにスアルでは約100ha、パグビラオでは約150haを植林・維持しており、TEFIは今後もこのような植林・維持活動を継続して行います。今後2024年から2025年にかけて両発電所の所有権が国営電力公社へ移転されるまでの約5年間にわたり、TEFIがこれまで保護・植林を行ってきた区域及び活動対象区域計144,400ヘクタールの森林にて、今後も保護・維持を続ける予定です。

生物多様性の損失を軽減するためのエンゲージメント

森林保全活動と先住民族への生計手段の提供

  • 森林保全活動の様子
  • 地域住民との交流の様子
  • 生産された商品/蜂蜜

TEFIは2010年より、環境天然資源省、地域住民、国際的・現地NGOと協力のもと、ケソン州General NakerにてCommunity Carbon Pools プログラム(C2P2)を実施しています。

TEFIではトレーニングの実施、太陽光エネルギーにて稼動する蜂蜜製造施設への資金供与をしており、General Nakerのコミュニティで蜂蜜等の食品に加え、樹脂、食品等非材木製品等がつくられており、染物や茶葉の収穫もしています。
40コミュニティ、2,000人以上の地域住民を対象に生計手段の提供・生計の改善をすることで、14.4万ヘクタールの森林保全・森林破壊防止をしており、森林破壊による温室効果ガス排出の削減、森林の持続的保全、森林による炭素貯蔵を促進に寄与しています。

RSPO/ISCC認証品の取り扱いについて

パーム油の取扱いに関しては、丸紅事業会社であるPasternak, Baum & Co., Inc.社にてRSPO/ISCC認証品合わせて全取扱いの約3割程度の取扱いがあります。環境に配慮したお客様の要請に応じて普及の一端を担っています。

サーモンの閉鎖循環式陸上養殖業への参入

世界の水産需要増加への対応

新興国を中心とした食生活の質向上や、先進国におけるヘルシー志向の高まりにより、世界の水産需要は年々増加しています。一方で、天然漁獲量はこの30年間ほぼ横ばいで推移しており、養殖漁業の重要性が高まっています。その中でも海面養殖に適した沿岸地域が限られるサーモンの養殖は、養殖地域に地理的制限を受けない閉鎖循環式陸上養殖(Recirculated Aquaculture System:以下「RAS」)の拡大が特に期待されています。

 閉鎖循環式陸上養殖(RAS)とは、閉鎖された陸上設備内で、使用された水を濾過して90%以上を再循環させる養殖。設備の中で水温及び水質等をコントロールするために外的要因を受けにくい。

2020年4月、当社はNippon Suisan (Europe) B.V.と共同で、RAS事業において世界トップレベルの生産実績を有するDanish Salmon A/S(以下DS社)の株式を取得いたしました。同事業分野での製造ノウハウ・技術を確立した数少ない企業の1社であるDS社を通じて、世界の水産需要増加に対応していきます。

サステナビリティへの貢献

RASは閉鎖した設備内で水を循環して使用するため、水質汚染や養殖魚の流出といった周辺環境や生態系への影響が小さく、管理体制を確立し履歴に残すことが可能なことから、トレーサビリティーにも対応した養殖手法です。また、将来的な人口増加に伴うタンパク質の供給不足解消の有効手段としても有望視されています。
当社は、拡大する世界の水産物需要に応えるのみならず、環境に配慮した水産物を安定供給することで、社会課題解決に貢献していきます。

  • RAS養殖の仕組み
    RAS養殖の仕組み
  • サーモン

「サステナブル・シーフード・ウィーク2019」への賛同

世界各地の海で水産資源の枯渇が懸念される中で、水産資源の利用を持続可能なものへと転換する取り組みが進められています。2019年10月、MSC日本事務所、ASCジャパン、WWFジャパンは、持続可能(サステナブル)なシーフードを日本国内により広めるために、「サステナブル・シーフード・ウィーク(SSW)2019」を開催しました。
サステナブル・シーフード・ウィークは2014年以来毎年開催されており、2019年で6回目を迎えます。
「サステナブル・シーフード」とは、貴重な水産資源を将来にわたって保全するために、水産資源の枯渇を防ぎ、生態系への悪影響が起こらない漁業や養殖方法による食べ物を指します。丸紅は、水産資源と環境に配慮して獲られた天然の水産物の証であるMSC認証を受けた水産物の取り扱いを進めてきました。
丸紅は、持続可能なシーフードの浸透を目指すサステナブル・シーフード・ウィークの取り組みに賛同しています。

サステナブル・シーフード・ウィーク2019のウェブサイトはこちら

ステークホルダーとの協働

経団連生物多様性宣言・行動指針への賛同

当社は、経団連(一般社団法人日本経済団体連合会)および経団連自然保護協議会が2018年10月に改訂した「経団連生物多様性宣言・行動指針」への賛同を2020年1月に表明しました。