2012年

2012年 社長年頭挨拶

2012/01/04
丸紅株式会社

1.はじめに
本年も、こうして皆さんと穏やかな新春を迎えることができ、大変嬉しく思っています。新年の挨拶に先立ち、改めて昨年の東日本大震災により被災された皆様に謹んでお見舞い申し上げますと共に、被災地の一日も早い復興をお祈り致します。

昨年は決して明るい年であったとは言えません。日本の東日本大震災に始まり、世界各地でも洪水や台風など、自然災害の相次いだ年でした。また世界経済も、欧州における債務問題の深刻化などによって先行き不透明感が強まり、加えて為替が大幅に円高に進むなど、日本企業の経営環境は大変に苦しいものとなりました。

しかしながら、そのような環境下、当社の2011年度第2四半期累計実績は1,030億円と大変順調に推移し、通期予算である1,700億円の達成確度も高まっています。このような順調な進捗を得ることができたのは、皆さんの努力の賜物であり感謝したいと思います。

2. 2012年の経済環境
世界経済には、当面厳しい状況が待ち受けていると思われます。リーマン・ショック後のような大規模な金融システム不安や世界同時不況といった事態は回避できると見ていますが、それでも2012年の世界経済成長率が、昨年の見込みである4%前後を達成するのは困難であると予想します。
その背景となるポイントは、

第一に、財政健全化の流れです。特に財政面で制約のある先進国では財政支出を伴う景気刺激策が取りづらくなることが予想されます。

第二に、信用収縮の影響です。景気への悪影響はもとより、金融緩和政策により下支えされていた商品・資産等の価格が、調整局面を迎え下落する可能性があります。

いずれにしても、大きなダウンサイドリスクに対しては、政策余地の大きい新興国を中心に、財政・金融面での追加的な対策が用意されると思いますが、政治の面でも、複数の主要国で大統領選挙やリーダーの交代が予定されており、大きな変化が生じる可能性がありますので、各国の情勢に注意を怠ることのないよう、お願いします。

3. SG-12
次に、SG-12の進捗状況について申し上げます。

(1) 収益力
連結純利益は、前期に目標(1,250億円)を100億円以上上回る1,365億円を達成し、今期に向けて大きな弾みをつけることができました。今期は、1,700億円を達成し、史上最高益1,472億円(2007年度)を大幅に更新しようとしています。
今期の1,700億円を確実に達成することが、今後の「持続的成長」やSG-12で目標としている「強い丸紅の復活」へ繋がりますので、皆さんには引き続き全力投球をお願いしたいと思います。

(2) 新規投融資
SG-12における新規投融資の3ヶ年計画7,500億円に対して、既に6,800億円程度が決定済みです。
一方で現在、歴史的円高及び世界的低金利となっていることを踏まえ、当社の成長の原動力となる新規投融資計画を1,500億円ほど積み増し、9,000億円程度まで引き上げて実施しようと考えています。
もちろん、SG-12における重要施策である「財務体質の強化」を同時に進めながら、ということが大前提となります。

(3) 有力企業とのアライアンス
SG-12では、収益力の強化に向けた施策として、有力企業との関係強化を進めています。これまでに市場戦略委員会の活動等により、世界各地における有力企業との関係が強化され、ビジネスに繋がるチャンスが多数芽生えてきました。
今後も引き続き必要なアライアンスの構築を進めながら、それらをしっかりと収益に繋げることが重要となります。

4. 心掛けるべきこと
今年、特に皆さんによく考えて実行して頂きたいことをお話しします。

(1)業績向上に対する意識
SG-12で掲げた「強い丸紅の復活」の実現に向けて、皆さんには従来以上に数字、業績に対する拘りを強くし、貪欲になってもらいたい。
全員が、日頃からあらゆる局面で1円でも多く稼ぐ、という熱意を持つと同時に、無駄なコストを削減するという意識を徹底して下さい。
また、各ユニットや事業会社で共有する目線を高くする、ということを心掛けて頂きたい。それぞれの分野で圧倒的な1位を目指すつもりで、勝負への拘り、勝利への執念を強く持って取り組んで頂きたいと思います。

(2)将来を見据えた取組み
持続的成長を実現し、総合商社として生き抜くためには、圧倒的なプレゼンスと利益の規模を持ったビジネスが一つでも多く必要です。その為にも十分な戦略を練り、状況に応じて調整を繰り返しながら、スピード感を持って実行していく、という所謂PDCAサイクルを徹底するようお願いします。
我々が身を置く商社業界は、大変流れの早い業界です。その早い流れに対応していくにはスピードと、積極果敢な行動力が求められます。そしてそれらを支えるものとして、中期的な戦略と、最前線の営業、即ち現場力に基づくブレない判断力が必要です。
2013年度から始まるポストSG-12でも持続的成長を続けていくために、戦略に基づく新規投融資の実行、トレードにおける新たな仕組み作りなどを進めることが一層重要となってきます。

(3)コンプライアンスの遵守
コンプライアンスについては繰り返し言及していますが、成長に向けた努力をする中でも、絶対守らなければならないルールです。この場で意識を新たにし、常に正義を守る気持ちを持って業務に臨んで下さい。

5. 最後に
いよいよ当社のオペレーションの過半を占める海外を中心に、SG-12の最終年度である2012年度が始まります。2012年度の目標とする純利益2,000億円の達成に向けて、引き続き全社一丸となって努力していきたいと思います。この目標は、収益力・財務体質の両面で、史上最強となっている今の丸紅グループにとって、全く非現実的な数字ではありません。
昨年11月で、未曾有のリストラを断行した“A”PLANの発表から10年が経ちました。来期の2,000億円はこの10年間の集大成という意味でも、大変な意味があります。何としても、手の届くところまで来た目標を達成し、SG-12を成就しましょう。

この一年の皆さんと皆さんのご家族のご健勝とご活躍を祈念し、私の新年の挨拶とさせて頂きます。

有難うございました。

以  上

 

※これは、2012年1月4日、丸紅グループ役員・社員向けに行われた年頭挨拶です。

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