2024年
脱炭素社会に向けた資源循環型社会九州モデルの構築
~廃プラスチックのケミカルリサイクルによる九州地区初の地産地消型プロセスの確立を目指す~
2024/02/05
丸紅株式会社
丸紅は、九州大学グリーンテクノロジー研究教育センター、株式会社レゾナック、および三井住友信託銀行株式会社とともに、資源循環型社会九州モデルを構築するための共同事業体として「知の拠点」を形成しました。「知の拠点」は、九州地域において産業界や自治体から排出される廃棄物や未利用資源を活用する、九州地域初の地産地消型プロセスを確立し、「ゼロカーボン」「環境保全」と「経済循環」を両立させる資源循環型社会九州モデルの構築を目指すための「協議の場」です。
日本では、2022年4月にプラスチック資源循環促進法が施行され、地域レベルでのプラスチックの再資源化の促進が急務となっている一方、毎年8百万トン程度のプラスチック製品が廃棄されているという現実があります。現状では、廃棄されるプラスチック(以下、「廃プラスチック」)の約60%がサーマルリサイクル※1により熱エネルギーとして回収・リサイクルされていますが、焼却された廃プラスチックの中の炭素分はCO2として大気中に拡散されます。CO2の排出を抑えるには、マテリアルリサイクル※2に加えてケミカルリサイクル※3により、廃プラスチックをプラスチック製品に再生することが必要です。
「知の拠点」では、九州地区において、自治体や関連企業等とも連携しながら、ケミカルリサイクル中心に、一般、産業廃棄物からプラスチックを収集・分別・再資源化する方法、および油化・資源利用する技術を、今後10年以内に実用化することで脱炭素社会を目指します。丸紅は、「知の拠点」において、プラスチック資源循環促進法に沿った廃プラスチックの回収スキームの構築、油化技術を始めとする減容化による運送コスト削減などを提案していきます。
1 廃プラスチックを焼却処理した際に発生する排熱を回収し、エネルギーとして利用するリサイクル方法。
2 廃プラスチックを物理的な処理を通じて再生し、新たなプラスチック製品の原料として再利用するリサイクル方法。
3 廃プラスチックを化学反応によって分解し、化学原料等に戻すリサイクル方法。ケミカルリサイクルには、油化、加水分解、ガス化等のプロセスが含まれ、マテリアルリサイクルでは対応が難しい混合プラスチックや汚染されたプラスチックのリサイクルにも有効とされています。
<パートナー概要>
組織名 | :九州大学グリーンテクノロジー研究教育センター |
所在地 | :福岡県春日市春日公園6丁目1 |
代表者 | :センター長 林 潤一郎 |
活動内容 | :環境・エネルギー・物質システムの革新に資する技術に関する学術的研究および社会実装研究 |
ウェブサイト | :https://gtc.cm.kyushu-u.ac.jp/ |
会社名 | :株式会社レゾナック |
本社所在地 | :東京都港区東新橋1-9-1 東京汐留ビルディング |
設立 | :1962年 |
代表者 | :代表取締役社長 髙橋 秀仁 |
事業内容 | :エレクトロニクス、モビリティ、機能材料、石油化学、基礎化学品等の製造 |
ウェブサイト | :https://www.resonac.com/jp |
会社名 | :三井住友信託銀行株式会社 |
本社所在地 | :東京都千代田区丸の内一丁目4番1号 |
設立 | :1925年 |
代表者 | :取締役社長 大山 一也 |
ウェブサイト | :https://www.smtb.jp/ |
以上