2022年
米国LineVision社への出資および戦略的パートナーシップ締結について
2022/10/05
丸紅株式会社
丸紅株式会社(以下、「丸紅」)は、脱炭素社会実現に向けた電力インフラの課題を解決するサービス拡充を目的として、送電線の監視・解析技術を提供する米国LineVision Inc. (ラインビジョン)(以下、「LineVision社」)のシリーズCラウンドに出資しました。また、日本および海外におけるLineVision社の事業の拡大に向けて、戦略的パートナーシップを構築する覚書(以下、「本提携」)を締結しました。
再生可能エネルギー(以下、「再エネ」)の導入が世界的に求められる中、送電容量の不足による再エネの系統接続の遅れや出力抑制が課題となっています。従来の送電線増強工事による手法では、計画から建設までに十年単位の時間と莫大な投資が必要となり、各国が再エネ目標を達成する上でのハードルの一つとなっています。
LineVision社は、送電線および周囲の気象の情報を基に、リアルタイムで送電可能容量を導き出すダイナミックレーティングと呼ばれる技術により、既存送電線の容量を拡大するソリューションを提供しています。独自の非接触型センサーを用いることで送電線に触れることなく導入可能なLineVision社の送電線監視・解析ソリューションは、機器取付時の送電停止が不要で、迅速かつ安全に設置できることが特徴です。
2018年の設立以降、LineVision社の提供するソリューションは欧米の大手電力会社において採用されており、急速な成長を遂げています。シリーズCラウンドにおいては米Climate Innovation Capitalがリード投資家となり、ベンチャーキャピタル米S2G Venturesに加え、大手送配電会社National Grid Partnersほか既存投資家が参画しています。
丸紅は、100%子会社である三峰川電力株式会社が保有する送電線での1年間の実証を通じて、LineVision社技術の適用による送電容量拡大が日本でも有効なことを確認しました。また、2021年8月に日本国内における独占販売代理店契約を締結し、国内の送電系統における新たな実証実験への参画など、LineVision社の事業拡大に寄与しており、今後も貢献していきます。
丸紅は、中期経営戦略 GC2024においてグリーン戦略を企業価値向上に向けた基本方針の一つと位置付け、「再エネ導入拡大に寄与する送電系統の運用高度化技術の展開」をグリーン事業と分類しています。本提携を通じて、丸紅が持つグローバルネットワークとLineVision社の技術優位性を掛け合わせ、国内およびアジアをはじめとして、電力産業における社会・環境課題の解決と持続可能な成長に貢献していきます。
<LineVision社概要> | ||
会社名 | : | LineVision Inc. |
本社所在地 | : | 米国マサチューセッツ州ボストン |
設立 | : | 2018年6月 |
代表者 | : | Hudson Gilmer |
事業内容 | : | 送電線向け非接触センサーおよびデータ解析ソリューションの提供 |
ホームページ | : | www.linevisioninc.com |
<関連プレスリリース>
・2021年9月17日
米国LineVision社との国内販売代理店契約締結について
~ダイナミックレーティングによる送電線運用の効率改善~
https://www.marubeni.com/jp/news/2021/release/00082.html
以 上