川崎重工業株式会社、電源開発株式会社、岩谷産業株式会社、丸紅株式会社、住友商事株式会社は、豪州のAGL Energy Limited（以下、「6社」）と共に、日本を出港した世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」が初めての国際航海を経て豪州に到着したことを記念し、豪州連邦政府、ビクトリア州政府および在豪日本大使館関係者を招いて、2022年1月21日に到着式典を行いました。

6社は、豪州ビクトリア州ラトローブバレー産の褐炭から製造した水素を液化し、日本まで液化水素専用船で輸送する国際水素サプライチェーン構築実証試験（以下、「本実証」）に参画しています。本実証は、日本国内で価格競争力のある水素を利用できるようにするため、水素の大量製造・大量輸送の実現に必要な技術開発や、サプライチェーン構築時の課題抽出に取り組むものです。

「すいそ ふろんてぃあ」は、2021年12月24日に日本の液化水素荷役実証ターミナル「Hy touch神戸」を出港し、2022年1月20日にビクトリア州ヘイスティングス港の液化水素積荷基地に着桟しました。今後、水素の積荷作業や「すいそ ふろんてぃあ」の各種機器の点検を実施し、豪州を出港、2月中旬から下旬にかけて日本に帰港する予定です。

カーボンニュートラルの実現に向けて、水素のエネルギー利用への期待が益々高まる中、世界各地で水素サプライチェーンの構築が行われています。本実証は、液化水素を国際間で輸送する世界初の大規模な取り組みであり、商用規模の液化水素サプライチェーン構築の実現に更に近づくと期待されています。また2030年頃の商用化に向け、豪州連邦政府とビクトリア州政府が共同で進めているCO2回収・貯留（CCS）プロジェクト「カーボンネットプロジェクト」と連携を図り、水素製造の際に発生するCO2を地下に貯留することで、クリーンな水素製造を目指しています。

6社は、日豪両国の民間企業や関係省庁と連携し、水素を利用した2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて引き続き取り組んでいきます。

【参画企業の役割】
・川崎重工業株式会社：LNG運搬船やロケット燃料用液化水素タンクなどで培った極低温技術を活用し、液化水素運搬船の建造ならびに液化水素荷役・大量貯蔵設備の建設を担当
・電源開発株式会社：石炭ガス化発電プロジェクトで培ったガス化技術を活用し、ラトローブバレー褐炭から水素ガスを製造
・岩谷産業株式会社：液化水素の製造・貯蔵・流通のノウハウに基づく実証事業の遂行
・丸紅株式会社：需要調査と液化水素サプライチェーンの商用化の計画を作成
・住友商事株式会社：CCS事業化促進、豪州政府との折衝、および現地許認可ライセンスの取りまとめ

以　上